1on1
後半戦は虎ノ介チームから行われる。
宗馬がボールを運ぶいつものスタイル、だが既にもう作戦は始まっていた。
宗馬は滝本をコートの端に引きつけ早人にパスをだした。
「ナイスパス!!!!」
(やってやる…!)
早人にマークをついたのは羊太だった。
まるで大人と子供だな
と滝本と宗馬は話していた。
そんな中龍広は違和感を覚える。
(早人と羊太の周りの感覚がやけに広い…。こちらのチームが早人へのパスはないと思っていたからか)
「ふぅ…」
向かい合う早人と羊太。
羊太は今までと雰囲気の違う早人に警戒していた。
(こいつやっぱ親父よりデカイな…)
(でも…親父より隙だらけだっ!!!)
一瞬だった。
(フェイクをしたわけでもない。
今のはただのドライブだ…
なのに、なんでお前は俺の後ろにいる…!?)
「くそう!!!」
レイアップのモーションに入る早人を羊太は追いかけるようにして飛ぶ。
「入れさせない!」
羊太は早人に完全に追いつきボールに手をかけようとした。
早人はレイアップで伸ばし切った右腕を胸元まで引き寄せ、
左手にボールを持ち替えた。
そして早人は体を逸らしながら左手で自分が飛んだほうと反対の向きにシュートを放った。
「ダブルクラッチ…バックシュート…だと…?」
‘‘16ー8’’
先制点を決めたのはまたしても虎ノ介チームだった。