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ハナノカオリ  作者: 桜庭かなめ
Fragrance 8-タビノカオリ-
212/226

MissGirl 5

 妹っていいものね。

 初対面のはずなのに、あんなにも自然に話すことができて。しかも、とても楽しいだなんて。晴実の笑顔、とても可愛らしかったわ。自殺したことを更に後悔してしまった。

 弟や妹が欲しいと言ったのは私の幼い頃なので、もう30年くらい前のことになる。だから、両親がそのことを覚えているかどうかは分からない。ただ、そのことをきちんと覚えていて、もう一度子供を育てるきっかけの1つになっていたら嬉しいわね。



 そして、晴実と加藤さんが協力することになったのね。

 きっと、あの女と向き合うことによって、晴実は私の代わりではない『水代晴実』として新たな一歩を踏み出したいんだと思う。あの女と対峙するということは危険だけれど、加藤さん達がいればきっと大丈夫。そう信じているわ。

 みんな、そのときのために動いている。決着を付ける相手があの女だけあって、慎重に準備を進めているようね。頭のいい悠子ちゃん、冷静沈着な藍沢君と坂井君が中心になっているから、円滑に進んでいるわね。

 あの女も馬鹿だ。悠子ちゃん達は旦那まで説得して、彼女達の方の人間になったのに、それに気付いているように見えない。子供達は可哀想だけど、仕方ないよね。ただ、どんな理由があろうとも、私のことを20年以上も馬鹿にし続けて、悠子ちゃんのことを10年も脅迫し続けた。お前は今夜、屈辱にという名の沼に溺れることになる。死ぬまでずっとね。



 さあ、陽も落ちていよいよその時がやってくるわね。頑張りなさい。全ては生きているあなた達にかかっている。

 私は死人らしく大人しく拝見させてもらうわ。小心者らしく、あの女の手に届かないところからこっそりと、ね。

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