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ハナノカオリ  作者: 桜庭かなめ
Fragrance 8-タビノカオリ-
149/226

プロローグ『蒼から紅に』

Fragrance 8-タビノカオリ-は『ルピナス』という作品の主要キャラクターが登場しております。

『ルピナス』を読んだことがない方でも楽しめる作りになっていますが、『ルピナス』に関する重要な内容のネタバレも含まれております。ご了承ください。


『ルピナス』のURL:http://ncode.syosetu.com/n2450ca/

Fragrance 8-タビノカオリ-




 普通なら暑いはずなのに、今は少し肌寒く感じる。

 あなただけが私の唯一の居場所だったのに。どうして、私を突き放すようなことを言うの?

 あなたが私のことを追い出すのなら、私が今すぐにでもあなたの心に消せない傷を刻み込むから。それはとても深く、痛い傷を。その傷に私が入り込んで、あなたの中で永遠に生き続けるの。


 だって、あなたのことが今までも、今も、これからもずっと好きだから。


 もう、今までのような関係には戻れないよね。

 あなたはいずれ離れちゃうんだよね。

 みんなそう。私は間違っているって言うんだもん。あなたと好きでいることを気持ち悪いって言うんだもん。

 でも、あなただけは違うって信じていたのに。私があんなにいじめられても、私と付き合っていたのはあなたが私に心を許してくれていたからでしょう?

 いや、例え違っていても……あなたを信じ切れなかった私が悪いんだよね。そんなこと分かってる。だから、もう戻れないってふっと思ったの。


「だから、こんなことをしちゃう私のことを許して」


 それでも、あなたの中ではずっと生き続けていたいから。私の唯一の我が儘を叶えさせてください。

 楽しい旅行を悲しい旅行にしちゃってごめんね。


「じゃあね、悠子ちゃん」


 私はあなたの心の中に向かって飛び込んだ。

 次の瞬間、激しい痛みや息苦しさなどに襲われて、悲鳴も聞こえたけど……程なくして、それらは全て分からなくなったのであった。

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