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少女が天使と呼ばれた理由②
「ん? ああ、そういえばユナちゃんの笑顔は見たことないな……」
「どうして今まで気付かなかったんだ」
「さぁ?」
さぁ?って……。
「姫等木が写ってる雑誌って他にもあるか?」
「どうして名字で呼ぶんだ……?」
「え? 下の名前で呼んだら仲がいいみたいだろ?」
「アイドルなんだから別にいいだろ……。まあ、あるっちゃあるよ」
「ああ、悪い。今度また持ってきてくれよ」
「お前もユナちゃんに興味持ったのか!?」
「まさか」
「だよなー。雑誌は明日でいいか?」
「ああ、頼むわ」
「承知。んじゃ、俺は帰るから!」
「はやいな」
「彼女とデートがあるんでね!」
「お前彼女いたのか?」
初耳だ。
「おう! 可愛いし優しいし料理得意だしちょっとドジだし、上目使いが可愛いしよく笑顔を見せてくれるし画面から出てこないし、最高の彼女だぜ!!」
「ああ、そういうことね……」
はやく帰ってほしい。
というか帰れ。