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1だね

のんびりやっていこうと思います。

色々な意味で。

話が進むにつれて、残酷描写など出てくると思います。

 よく分からないこの世界に来て半年くらい過ぎた。俺がここまで生き残れた理由は三つ。

 一つ、身体を動かすことしか知らない俺にとって、魔法が使えず、丈夫どころか強靭な身体を手に入れた事。

 魔法なんてあっても使い方もよく分からない使えない。そんなこと考えるくらいなら手を出した方が早いて思ってる。

 二つ、超人的な回復力。きっと即死出ない限り滅多な事がないと死なないと思う。



 知らないうちに紛れていたこの世界。今まで生きていた世界より血生臭いこの世界。僕がここまで生き残れた理由は三つ。

 一つ、身体を動かす事が苦手な自分にとって、今までの世界には無かった不思議な力。魔法を手に入れられた事。

 頭が良い悪いの二つで分けるなら良い方だと思う。物をよく覚えられるのが得意の自分にとって魔法というドーピングは相性が良かったらしい。

 二つ、異常な程の魔力量と魔力回復力。この二つのおかげで僕は死ぬことは無かった。







 ――三つ目は、信じられる頼れる友がいた事。





「なぁ……」

「…なんさ」

「釣れないな」

「…そうだな」

「何か釣れるようになる魔法とかねぇの?」

「無い事は無いけどさ」

「なんだよ、そのひっかかる言い方」

「いや。そんなに魚が食いたいなら、その辺の岩をお前がぶっ叩いた方が早いぞ」

「は?なんでだよ」

「ほら岩を叩いた衝撃が水を伝って魚が驚いて浮き上がってくるし」

「それじゃあ面白くないだろ!」

「それじゃあ俺が爆発魔法を川にぶち込む」

「…その心は」

「獲物がサクッと獲れる」

「さっきのとかわんねーじゃねーか!」

「そうは言うけどそれの方がどう考えても早いだろう」

「早いかもしれんけど、あいつ等がソレ覚えたら不味くね」

 そう言って、引きしまった体躯の男が親指で後ろを示す。その先にあるものを視線で確認する、細身ながらも締まった体の男は答える。

「それは一理ある」

「だろう」

「リュウにしたらちゃんと考えてるじゃんか」

「今の一言でリョウが普段俺の事をどう見ているのか分かった気がする」

 ――沈黙。それもわずか。

「どうでもいいが早く釣らないか?」

「それには同意だな」

 二人の後ろから徐々に近づく影が多数。

「…さてこれで釣れなければかなり不味い訳だが、リョウ何か案はないか?」

「あ~…素直にリュウが謝れば道があるんじゃないか?というか、僕を巻きこまないで欲しかった。なんであの時君を見捨てて逃げなかったのかと今でも後悔している」

「ちょ!それは酷くないか!?」

「いやいやいや。百人が百人とも同じ答えを返してくれると僕は自信を持って言える」

「いやいやいや。それこそ言いすぎじゃない!」

「そうか。しかしだリュウ。僕はそろそろ限界だと思う訳だ。つまりそろそろホームの方に戻ろうと思う訳だが…君はどう思う?」

「それには同意するが…」

「が?なんだというんだ?そろそろ後ろから生温かい息が首筋にまで感じそうなところまで来ている。そろそろ明確にして欲しいのだが」

「そんな事言われてもよリョウ!」

「…そうか。じゃあ後は頼む」

 そう言うとリョウと呼ばれていた男の座っていた地面に、二重の円と五茫星が現れ、一瞬の家に消えてしまった。

「ちょ!ちょっと待てリョウ!」

 叫ぶ声も空しく、叫ぶと同時に伸ばした手は空を切った。

 ――――同時に生温かい空気がリュウの体を覆った。

「あ、あのさ…もうちょっと待ってくれないかな?絶対大物釣り上げるからさ!」

 リュウがゆっくりと振り返る。そこにいたのは黒い鱗で覆われた若いドラゴンだ。

「悪いがもう待つことはできない」

 やたらと渋い声が一面を支配した。渋い声であるのは間違いないが、そこに威厳があるかと問われたなら、それは否である。

「ここでお前達が釣りを初めて半日だ。なのにただの一匹も釣れない。そして俺は腹が減っている。どこぞに誰かに俺が作った焼き魚を食い散らかしてしまったせいでな…。食い損ねたのだよ!昼食をな!」

 ただでさえ大きく威嚇するような巨体をたち上げ、意外とグルメな発言をかます黒龍。さらに黒龍は塩と胡椒で味付けをした魚の素晴らしさを切々と語るドラゴン。出来れば他の調味料も手に入れ、さらなる味の開拓を図ろうとする黒龍の講釈にリュウ耳にタコと言った様子。

「…だりぃ」

「なに?」

「てめぇ何様のつもりだよ!アァッ!!」

「貴様…それはどういう意味だ?」

 唸りに近い声で黒龍がリュウを否定する。

「どういう意味だも!?」

「どういうもこういうもねぇ!!俺はお前の言うそんなもんはどうでもいいんだよ!つかてめえが言うことなんざどうでもいいんだよ!てめぇもいい加減にしろや!!」

 リュウが叫ぶと同時に筋肉が一瞬膨張する。しかし膨張したままでは無く、瞬きを終えるより速い速度で、元の体の大きさに戻ってしまう。同時に黒龍が反論を試みるものの、突如膨らんだ目の前の人間の圧力によって強制的に黒龍の口は噤まされた。

「だいたいてめぇは何様のつもりなんだよ――ッ!!」

 リュウの言葉は最後まで続かない。その理由は。

「いい加減にしろこのバカたれが!!」

 リュウの頭から鈍器に殴られたような鈍い音が響いた。

「済まない黒龍よ。こちらの相方は、大変な失礼をあなたにしてしまった。お詫びと言っては少ないかもしれないが、あなたが求めるようなもの、特に人間の間で使われて理う調味料と呼ばれる食材を少ないかもしれないが数種類用意してみた。どうかこれで許してはもらえないだろうか

?」

 そう言ってリョウは黒龍にバスケットにいっぱいになった各種調味料を渡そうとする。同じ様な調味料も混ざってはいるが、種類が被っていたとしても相当な量になっている。それでもドラゴンからすれば僅かなものかもしれない。この程度のもので納得してもらえる無いとリョウ考えていた。

 しかしドラゴンの反応は意外と逆で、

「おぉ!これほどの量の調味料を集めてくるとは…こんな僅かな時間で大変だっただろう。まぁいい。これだけの物を貰えたなら、一食食い損ねてもおつりがくるわ」

 目元が崩れホクホクした様子を見せた。それどころか、一瞬で上機嫌となってその場から飛び去ってしまった。

「何だったんだよ…」

「分かり切っているのは、リュウの半日かけた釣り作業は無駄の一言で片付くって事かな」

「――――んだよそれーーーーッ!!」

 湖畔に一人の男の叫びが木霊する。あぁ無情、それがその男の背中に貼りつているように見える。

「まぁ盗みはいけないって事だよ。とりあえず自業自得。良かったね反省出来る機会があって。俺はそんなリュウが羨ましいわ」

「リョウ!ニヤけたツラでそんな事言っても全く説得力ないからな!」

「はいはい。それでもいい経験になったでしょ。ドラゴンに熱視線を受けながらの半日釣り作業。俺なら即刻逃げ出したくなるシュチュエ―ションだよ。ほんと、俺の方まで飛び火しなくて心底うれしかったよ」

 高笑いしながらリョウは、本音をぶちまける。それについて反論を試みようと思ったリュウだが、今回の発端について非があるのは間違いなく自分にある。そう思ったリュウは唾を吐き捨て、無理矢理話題をそらす。

「んで、この後どうするんだ?」

「そうだね。久しぶりにちゃんとしたご飯が食べたいね。出来ればパスタとか麺類で」

「そうかい。それなら近くの大きな街へ移動するか」

「おーらい。相棒」

 二人は近くに置いてあった荷物を手に取ると湖畔から移動を始める。目的地は付近にある城下町。この湖畔の水資源を活用し発展した町。

「晩飯に間に合えばいいな」

「それは大丈夫だろ?」

「確かに」

 のんびり喋る二人だがその移動速度は想像以上に速い。常人からしてみれば、常に全力疾走をしているような物。二人にとってはちょっとした散歩のつもりで出せる速度であるのだが。結果目的地は見えてくる。この城下町を統べる城を中心に発展した街を囲む城壁。そこにあるだろう宿に向けて二人の速度はいっそう増して行くのだった。

 


このくらいの間隔上げていこうと思ってます。

よろしくおねがいします。

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