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重なる掌






ぶつかる鼓動







あの子の想いと裏腹に









名をば榊ミヤツコと!&clarity loveコラボ 2







「あんたっさっきの!!」

「お姉さん方…?!」

周りがお互いに驚いているが一番驚いているのは七海とミヤツコであった。

「なんでこんなところにいんのよ!」

「俺たちは金でできた建物が見てえって来ただけっす」

「お姉さん方はどうして?」

「私たちは…私たちも豪華な建造物が見たかったから来たのよ。」

ばつが悪そうに琴乃が答える。

横では恥ずかしそうに七海とミヤツコが会話をしていた。

「ごめんなさいね。また邪魔をしてしまって…」

「いいえ。こちらこそすみませんでした。」

初々しい会話はこちらからみても少し恥ずかしいものがあった。

とたんにカグヤがミヤツコの手を引っ張る。

「ミヤ、行くぞ。」

それにあわてたのはミヤツコだった。

「ちょっと待てよ。すいません。」

「いいえ。」

また手をお互いに振るが、カグヤだけは振り返してくれなかった。





夕方一度ホテルに寄ったが買い物をするために四条へ向かう。

若者たちがにぎわっている所になじんでお土産屋さんがあった。

入って土産を手に取ると七海の手と誰かの手がぶつかる。

またもや榊ミヤツコだった。

挙句の果てにホテルに戻りエレベーターに乗りこもうとした。

「待ってくださ~い!そのエレベーター乗りまーす!」

この声は…

開くのボタンを押すとそこにはこの旅行で見慣れた4人組が立っていた。





「こんな偶然ってあるんですね!」

「偶然っていうかなんというのか…」

大名の言葉に琴乃は苦笑しながら答える。

ここまで来たらと共にホテル自慢の京料理御膳を食す。

流石一流ホテルの料理、下手に外に出て食べるよりもおいしいと思った。

「えっとカグヤちゃんおいしい?」

「…」

他の人が話すとカグヤは話すのに七海が話すといっさい返事をしない。

「こら、カグヤ!」

「いいんです。」

ニコニコと返事をする七海にさらに申し訳なくなるミヤツコ。

しかし今までここまでカグヤが不機嫌になることはなかったので余計にどうしたらいいのかわからなかった。

「あ、どうせだったら明日一緒に過ごしません?」

「え?」

「あ、それいいかもな。」

大名の提案にリュウも乗り気であった。

「多分ここまで来ると明日も神様は私たちをはち合わせると思うんです。こうなったら一緒に行動しちゃいましょう!」

「なるほどねえ…」

琴乃は七海をちらりと見る。

「まあ、報告したらいっか。」

「何を?」

琴乃の一言に七海は首をかしげる。

「なんでもない。いいわよ。ね、七海」

「うん。大勢のほうが楽しいし。」

かくして翌日も一緒に行動することになったのであった。





「もしもし!七海です」

『くすっもしもし、香南です』

携帯電話では名前が出るため自分の名前を言わなくてもわかる。

それでも名前を言う七海に思わず笑みが出る。

「イベント、どうでしたか?」

今までイベントなどしたことがない香南にとってとても大変なことは見てとれた。

それでもここで頑張らねばとイベント開催に頷いたのも香南だった。

『人がいっぱいだった。』

「ほんとですか?それは…」

CDの売り上げで言うと嬉しいことだ。

しかし香南にとっては苦痛の何物でもないはず。

七海はどう返事したらいいのかわからなかった。

『よかった。ずっと指輪に触れてたし、あまり苦痛にはならなかった。』

「それはよかったです!」

以前七海がもらった指輪の対になるものを香南は七海に上げて以来ずっと首から下げていた。

気分が悪くなった時それに触れると気分が和らぐのがわかってから香南はよくそれに触れていた。

『京都はどうだ?』

「それが…」

何から話せばいいのか分からず戸惑う七海。

ちょうどその時琴乃が風呂からあがってきた。

「あっカナン?!ちょっと代わって」

「えっ…」

思わず七海は琴乃に渡してしまう。

「あっもしもしカナン?琴乃。ごめんなさいね~七海の声聞けなくしちゃって」

この様子だと香南は怒っているようだ。

「七海が言いにくいと思うから私が言うけど、七海今日押し倒されたんだよ。しかも年下の男の子に。しかも何の縁なのか明日一緒に行動するの。」

まさか琴乃がこのようにはっきり言うとは思いもよらなかった。

七海は急いで携帯を奪い去ろうとするが琴乃には無効化だった。

「大丈夫よ!心配しなくても。じゃあ明日イベント頑張ってくださいね~」

そう言うと琴乃は携帯を切ってしまった。

「琴乃!」

「いいのいいの!たまにはヤキモチぐらいやかせないと。」

「ヤキモチ!?」

妬かせなくても十分である。

それに七海とて香南ともっと話していたかったのだ。

七海が悲しそうな顔をすると琴乃が七海の頭をなでる。

「ごめん。だってずーっとカナンのことばっかりだったんだもん。私のほうがカナンにヤキモチ妬いちゃった。」

「琴乃…」

「それにきっと、明日頑張ってくれるから。だってカナンだもん。」




私が認めた相手

だから心配いらない





琴乃がにこりと笑うと、七海も頷いた。

明日には会える香南に思いを寄せて。





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