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プロローグ 名をば榊ミヤツコと!


>毎度毎度お騒がせするのは、


>いつも僕を翁と呼び

>そしてこき使う例の少女で、

>でも、今日は……

>なぜか京都に来ています……(涙)


 ツイッター:ID さまようひとり



名をば榊ミヤツコと!&clarity loveコラボ  奇なる縁は京都に舞い降りて


 ここは僕、榊ミヤツコが毎日通っている○×高校。何の変哲もない高校だが、以前の僕にとっては苦痛の場所でしかなかった。

 でも今は違う。なぜなら。


「翁っ! 方程式とやらが分からぬぞっ!」

 

そうこいつ、月影カグヤ。高校生と偽ってはいるが、見た目はどう見ても小学生。本人は断固『自分は大人だ』と主張しているが、信憑性は怪しい。

 僕の前にドラ○もんの引き出しよろしくパソコンから飛び出てきた少女であり、なぜか一緒に住むことになってしまった。

 そんなこんなで、こいつが僕の生活をガラリと変えてしまい、今では学校が少しずつ楽しくなっている。


「うーんとね、何か足し算とかわり算とかしてたらいつの間にか解けるようになるかもっ!」

「それは真かオーナっ!」


 オーナと呼ばれたのは僕の幼なじみであり、腐れ縁。決して美人タイプではないが、にこっと笑う笑顔が内心可愛いと思っている。


「お前ら……中学からやり直した方がいいんじゃないか……」


 ため息をつきながらこちらを見ているのが、斉藤リュウ。強面で髪を赤く染めている。以前は怖いとしか思っていなかった存在だが、カグヤが来てから彼が本当は優しいいうことに気が付いた。


(今日も、ちょっとだけ楽しい……かも)


 僕はカグヤとオーナとリュウを見ながらそう思った。こんな生活が僕にも来るなんて、夢にも思わなかった。

 これも全て、カグヤのお陰……


「もう嫌じゃっっっっっ! 飽きたっ! どっか遊びに行きたいっ!」

「私もどっか行きたいなぁ」


 そんな二人の様子を見てリュウもうんうんと頷く。

「……確かに最近テスト続きだったからな。ストレスが溜まるのも仕方がねぇな」


「翁は遊びに行くとしたら、どこに行きたいのじゃ? わらわが連れて行ってやる」

 突然カグヤに話を振られる。


「えっ、うーん、そうだな……どこがいいかな……」

「はっきりせんかっ!」


「じゃあさ、ミヤ君。お互い小さかった時に行った京都は? 色々な所にいったけど、あんまり覚えてないし」

「あーあったなーそんなこと。確かにオーナと色々回ったけどあんま覚えてないなぁ。あっでも、恋愛成就の神社とか付き合わされた記憶が……」


 それを聞いてカグヤの眉がくいっと上がる。


「ほーぅ、翁はわらわに黙ってそんなことをしておったのか。その割にはあまり御利益が無かったみたいじゃの。まぁダメダメ翁なら仕方が無いの」

「……なんでそんなにふくれてるんだ……」


「じゃあ京都でいいんじゃねーの。俺も抹茶パフェ食べたいし」

(斉藤リュウが抹茶パフェ……)

 僕は内心つっこむ。


「よし、決まりじゃのっ! では皆、眼をつぶるのじゃ」

「なんで??」

「とりあえず、カグヤに従ってくれるかな……?」

「分かったーミヤ君」

「まぁいいだろ」


「「5、4、3、2、……1」」

 僕が数字を数える。

 カグヤには不思議な力があり(詳しくは僕も知らない)、どうやらその力で僕たちを京都まで運ぼうとしているらしい。


「さぁ眼を開けるのじゃっ!」


 がやがやとした人混み。いらっしゃいませーの声。

 美味しそうなニッキの匂い。


「……ここってミヤ君」

「……榊ミヤツコ。ここは何処だ?」


「思いつきで来てみたが、京都とはなかなか良い所じゃな」



 そうだ、京都へ行こう。


 カグヤの思いつきで、僕は今、


 なぜか京都にいます……


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