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魔界闘神伝  作者: 和和和和
妖界編
97/305

妖かしき力






 今でこそ九世界の各世界は、必要最低限の繋がりしか持っていないが、かつて――創界神争と呼ばれる神々の大戦の折には、闇の全霊命(ファースト)同士は、闇の絶対神「破壊神・カオス」の配下たる同胞として共に戦場を駆け、光の神々と、天使を筆頭とする光の全霊命(ファースト)達と戦いを繰り広げていた

 九世界で最も古い部類に当たる玉章(たまずさ)もその当時から存命しており、その時にもすでに今ほどではないが、十数名の伴侶とその間に無数の子供をもうけていた。

 やがて、光の絶対神である「創造神・コスモス」によって闇の絶対神「破壊神・カオス」が封じられた事をきっかけに創界神争が終結し、今の九世界の原型が形作られる事となる。――それから数千万年後、事件は起きた

「……娘?」

「はい、あなたの孫です」

 創界神争の中、共に戦っている中で一人の悪魔と恋に落ち、一人の娘を産み落とした娘が、母である玉章(たまずさ)を頼ってやって来たのだ。


 その娘は、母である玉章(たまずさ)に似て美しく、花のように人の心を惹きつけ、一緒にいるだけで安らぎを与えることができる女性だった。

 それが災いしたのか、その娘は創界神争の中で知り合った悪魔の男と戦争の終焉後もひそかに逢瀬を続け、ついには子供を産んでしまった。


「……ッ、あなたという子は……!」

 生まれて間もない(うてな)を連れて舞い戻って来た娘と、伴侶だという悪魔が、自分の下で匿ってほしいと頼んできたときにはさしもの玉章(たまずさ)も、それに激昂せざるを得なかった。


 当時、すでに九世界の法と秩序は一定の形を持ち、種を穢し、存在を貶める混濁者(マドラス)は両親共々抹殺するという世界の常識が確立されてしまっていた。

 すでに数十組を超える異種族の伴侶とその間に生まれていた混濁者(マドラス)が処分されていく中、娘は母であり自身も多くの伴侶と子供を持つ玉章(たまずさ)を頼って身を寄せてきたのだ。

 同じ母であり、子供と伴侶をこよなく愛する玉章()ならば、自分達を守ってくれる。人一倍愛情に深い玉章(たまずさ)の性格を熟知していた娘は、自身の伴侶になった悪魔と、その間に生まれた娘――(うてな)を連れて故郷たる母を頼ったのだった。


「……その子の名前は?」

(うてな)よ」

 混濁者(マドラス)とその両親を庇う事の意味を承知しているために最初こそ渋っていた玉章(たまずさ)だったが、結局は娘と孫への愛情に負けて、三人をかくまう事を了承する事になる


 妖怪でありながらその最大の特徴である妖紋を持たないその姿は悪魔に近く、妖力を持ちながら魔力は持たない。――悪魔と妖怪の相の子として実に半端な妖怪としてこの世に生を受けた(うてな)は、幼少の頃に玉章(たまずさ)の住むこの街で両親と共に暮らしていた


 混濁者(マドラス)という世界に忌み嫌われる存在がら表に出る事が出来ず、活動も制限されていた(うてな)だったが、両親と共にささやかでありながらも幸せな日々を過ごしていた。――そうあの日が来るまでは。





「覚えているだろう? ……いや、忘れたくても忘れられないだろう?」

「――っ」

 嘲るような元同僚である赤銅色の髪の妖怪――「鋼牙」の言葉に、(うてな)はその唇を引き結んで自身の武器である太刀「夜行」の柄を握る手に力を込める


 きっかけは些細な事だった。偶然訪れた妖界城の使いに、玉章(たまずさ)が匿っていた悪魔の伴侶と混濁者(マドラス)が妖界の目に止まってしまったのだ。

 どんな理由があろうと、「同情の余地があるから」で法を犯した罪が許される道理などあるはずはない。すぐさま当時の三巨頭は玉章(たまずさ)の許へ混濁者(マドラス)とその両親を抹殺する舞台を差し向けた


 そして、その力の差は圧倒的だった。妖界城に仕える実力者を筆頭に、三巨頭、三十六真祖までも動員した数と力の暴虐の前に、玉章(たまずさ)を筆頭とする一族は瞬く間に攻め落とされ、両親と(うてな)は成す術もなく処刑者の前に引きずり出されることになる


「やめてください、お母さんたちが何をしたんですか?」

「お前を生んだだろう?」

 その存在そのものを最も神格の高い霊の力で構築されているために、体外に出た血がまるで炎のように燃えながら消滅する「血炎」と呼ばれる全霊命(ファースト)特有の血の海に沈んだ両親を前にして懇願した(うてな)に返された妖界からだあまりにも残酷で冷ややかな答え。


 確かに(うてな)の両親は許されざる愛を犯した。その間に生まれた(うてな)にも罪はないだろう。

 しかし、(うてな)の両親の愛も(うてな)自身の存在も、この世界の法に照らせば罪でしかなかった。


 両親の血炎の向こうに立つのは漆黒の衣を翻らせた眉目秀麗な男。(うてな)とその両親を討伐する部隊を指揮する、当時三巨頭の一角を成していた妖怪――その名を「クラムハイド」。

 三巨頭の代表として軍を率い、その圧倒的な力で玉章(たまずさ)の一族を半壊させたクラムハイドは、血炎を上げながら地に倒れ伏す妖艶な美女を睥睨し、無機質な声で冷酷な宣告を紡いでいく


「……玉章(たまずさ)。君たちがした事は罪に値する。――だが、君達の罪はこの三人を匿い、我等にその事実を隠匿した事だけだ。本来ならばここにいる全員を抹殺してもいいところだが、君の母情に免じて君に選ぶ権利を与えよう」

「……?」

 その整った顔に聖人君主のような笑みを浮かべるクラムハイドの言葉に、玉章(たまずさ)はその絶世の美貌にわずかに怪訝の色を見せる


 この行動の正義は妖界側にある。自分達は娘の――身内の上にほだされてそれが世界の法に背く行為である事を理解した上で匿っていた。なによりも、圧倒的な力で自分達を退けた妖界軍が、敗者である自分達に提案をしてくる理由などなく、問答無用で処刑でも何でもすればいいのだから


 玉章(たまずさ)が自分の提案の意図を掴みあぐねているのを見てとったクラムハイドは、その端正な顔に優しい笑みを浮かべてゆっくりと言葉を紡いでいく

「あの親子三人を引き換えに、君達全員を見逃してあげよう。これ以上我等を阻むなら、ここにいる全員を屠って全てを終わらせるだけだ」

「――っ」

 一見何気ないクラムハイドの提案を聞いた瞬間、玉章(たまずさ)は、その言葉の示す真の意図を理解する

(そういうこと。この人は……私にあの子たちを見捨てさせる(・・・・・・)つもりなのね)

 クラムハイドが提示した提案は、玉章(たまずさ)の母としての尊厳を踏みにじる残虐なものだ。


 母の温情に縋ってかくまわれていた(うてな)とその両親を、玉章(たまずさ)自身に見限らせる。拒めばここにいる多くの家族が殺められる以上、玉章(たまずさ)が選ぶことのできる選択肢は、(うてな)達家族を差し出して自分達が生きるか、罪を犯した三人のためにこの場にいる全員の命を捨てるかという、あまりにも残酷な選択だった。

 そしてそれは、「自ら子供を見捨てるか」、「自分を含め、大切な家族を皆殺しにされるか」を問いかける玉章(たまずさ)に対する実質的な処罰でもあったのだ。


 その条件は到底のめるものではなかった。しかし、それを拒否する権限が罪人にあるはずもなく、玉章(たまずさ)は苦渋の決断を下す事になる



「懸命な判断だ。――何も悔いる事はない。元々あの三人は死ぬ運命だったのだからな」

 たとえ禁忌の存在であったとしても、(うてな)玉章(たまずさ)にとって可愛い孫で、罪を犯していても娘は愛しい娘である事に変わりはなく、しかし、その三人のため二ここにいる伴侶と子供達全員の命をはかりにかける事は出来なかった


 冷ややかな言葉と共に、クラムハイドによって下された死刑宣告によって(うてな)の両親は命を奪われ、娘の眼前でその存在を喪失して力の残滓として世界に還っていった。

 裏切られたという気持ちは不思議となかった。そんな感情を抱くまでもなく、(うてな)の目の前には明確な死が立ちはだかっていたのだから。


「……待て」

 しかし、その場で滅ぼされるべき存在だった(うてな)を救ったのは、背後から響いたその一言。そして、その声を発した人物こそ、この世界を統べる最強の妖怪――妖界王・虚空だった



 ――お前、俺の下で働いてみる気はないか?



「分かってるはずだ、お前が恨むべきは俺じゃねぇ。お前を生んだ両親の方だろ」

 嘲笑に似た笑みを噛み殺しながら、敵意と侮蔑を露にして声を荒げる鋼牙に、自身の武器である「夜行」という銘の太刀を構えて(うてな)が、髪に隠されていない左目で無機質にその姿を射抜く

「……相変わらず、人の話を聞きませんね」

「あァ!?」

 冷ややかで淡々とした(うてな)の言葉に、鋼牙はその眉を寄せる

「私は別に、彼女を恨んではいませんよ。恨んでいるとすれば、あなたとクラムハイド様に、です」

「……ほォ?」

 (うてな)から発せられた予想外の言葉に、どこか好奇心に似た色を浮かべながら、鋼牙が先を促すように軽く顎を動かす

 愉快そうに嘲りの笑みを浮かべる鋼牙に、(うてな)はその言葉の通りに、殺意と同質の怒りを硬質な声の下に隠して、眼前に立つかつての同僚たる妖怪に鋭い視線を向ける

混濁者()と両親を法と秩序の下に殺めたあなた達が、法を裏切って十世界などに寝返っている事自体が、今は亡き私の両親に対する許し難い侮辱です」

 静かに抑制された声で言い放ち、(うてな)は自身の刀の切っ先を地に向ける


 (うてな)が何よりも許せないのは、混濁者(マドラス)である自分と、両親を法の下に厳粛に裁いた側であったはずのクラムハイドや鋼牙が、それを許容する意志を表明している十世界に身を置いたこと、そのもの。

 確かに両親は法を犯した。感情はともかく、それは(うてな)自身も理解している事だ。しかし、その実行者足る者達が、その法に背く行為を行う――それでは、両親の死が、全てが無意味なものになってしまう。そんな両親の命を無下にする鋼牙達の行為を、許す事が出来るはずなどなかった。


 そんな(うてな)の感情を百パーセント理解した上で、鋼牙はどこか挑発するような口調で、目の前にいる混濁者(マドラス)の同輩を嘲笑う

「俺が、ルールとか、堅っ苦しいもんが苦手なのは知ってるだろ?俺は退屈が一番嫌いなんだよ」

 鋼牙の言葉に、一瞬その柳眉を不快そうに歪めた(うてな)は、その身体から透き通るような紫色の力――妖怪の存在を成す神能(ゴットクロア)……「妖力」を解放する

「あなたのそういうところが、昔から気に入りませんでした」

「言ってろ、優等生!! そんなもんは――お互い様だろ」

 低く抑制された(うてな)の言葉に、吠えるように応じた鋼牙は、その両腕に牙のような形状をした大型のナイフを顕現させる


 どちらともなく地を蹴り、世界の全てを超越する神速で肉迫した二人は、互いの武器を真正面からぶつけ合い、互いに視線を交錯させる

 冷ややかな表情を浮かべる(うてな)、獰猛な笑みを浮かべる鋼牙。対照的な二人の妖力が互いの武器を介してせめぎ合い、まるで墜消滅反応を起こしているかのようにその力が乱爆して、宙に向かって奔り抜けていく


「……てめェが俺に勝てると思ってるのか!?」

 (うてな)の太刀を交差させたナイフで受け止めた鋼牙は、自信と確信に満ちた咆哮を上げる

 鋼牙と(うてな)は、共に妖界城で働いていた者同士であり、互いにその力を把握している。互いの実力が拮抗している事も、それでも戦えば鋼牙が勝つであろう事も二人には分かっている事だ

「あなたこそ、忘れたとは言わせませんよ? あの時(・・・)、妖界王様が私を殺さずに囲ったのは、私の戦闘能力を評価してくださってのことだという事を」

 しかし、鋼牙の言葉とその意味を正しく理解した上で(うてな)は微塵も動揺した様子を見せる事無く冷ややかに言い放つ


 あの日――妖界軍によって両親が殺められたその日、自身の身を守るために妖界軍と刃を交え、その力を評価されたからこそ、妖界王・虚空は混濁者(マドラス)であるはずの(うてな)は妖界城へと招かれたのだから。


「私の前に敵として立ちはだかるのなら――容赦はしません」

 自身の妖力が顕現した武器――「夜行」を手に、(うてな)は鋼牙に向けて言い放つ

 まるで、これまでは妖界城にいる仲間同士だから無意識に本気を出せずにいたと言わんばかりの言葉は、鋼牙の闘争心に逆に火をつける

「面白れェ。なら、是非とも手前の本気を見せてもらわないとな」

 にィと口元を吊り上げて笑った鋼牙は後方へ飛び退くと、自身の武器である二つのナイフに渾身の妖力を込めて、獰猛な視線で(うてな)を射抜く

「…………」

 その二人を見つめていた玉章(たまずさ)は、自分の孫にあたる(うてな)の言葉に、嬉しさと寂しさの同居した笑みを浮かべると、そっとその目を伏せて、漆黒の髪を翻すとともに戦場の中に向かって優美に歩を進めるのだった






「あ~やダやダ。ああいう強い人達の戦いに巻き込まれるのはごめんだなぁ」

 (うてな)と鋼牙、妖界でも屈指の実力者同士が対峙する傍らで、二人から発せられる知覚を焼き切らんばかりの濃密で純然たる殺意の込められた妖力を辟易とした様子で感じている李仙は、そう言ってその視線を鋼牙と共に谷底に降りてきた十世界に与する妖怪達に向ける

「オイラはせっせと露払いに勤しみますか」

 そう呟いた瞬間、李仙の手に妖力が収束し、その力が自身の特性を強く反映させた戦うための自分自身の姿――「武器」として顕現する

「『星槌(せいつい)』!!」

 普段の軽い口調からは想像もできない程に鋭利で攻撃的な声で自身の力の名を呼んだ李仙の手の中におさまっていたのは身の丈にも及ぶ槌。

 李仙とほぼ同じ長さを持つ巨大な槌は、飾り気のない単純な作り。しかし、だからこそその姿は戦うためだけの形が顕在化したような空恐ろしいものを見る者に感じさせる

「さあ、一丁一暴れして、美人さん達の視線をオイラにくぎ付けにしてやりますか!」

 軽い口調で李仙が言い放った瞬間、その身体から噴き上がった妖力がその武器たる槌に絡みつき、大気を焼き焦がさんばかりに唸りを上げた




「お前は下がっていろ」

 目の前に立ちはだかる十世界の妖怪たちを前に、この街の妖怪たちを率いて立つ矛津(むつ)が視線を向けると、それを受けた棕櫚(しゅろ)はその白い頬を軽く膨らませてそっぽを向く

「嫌です。私はお兄様のお役に立ちたいのです」

「お前な……」

 呆れたように声を漏らした矛津(むつ)の言葉を受けた棕櫚(しゅろ)は自身の妖力を武器として顕現させる。

「大丈夫です。私ももう十分に戦えるのですから――『弑燕(しえん)』!!」

 自身の身の丈にも及ぶ出刃包丁のような巨大な片刃剣の峰に乗って微笑んだ棕櫚(しゅろ)の朗らかな笑みを受けた矛津(むつ)は、疲れたようにため息をつく

「……相変わらずお転婆だな」

「もう、可愛い妹に対してそのような口のきき方をなさるなんてお兄様は意地悪ですね」

 クスクスと笑う棕櫚(しゅろ)の傍らで、矛津(むつ)は自身の武器である先が三つに分かれた槍を召喚し、眼前に立つ敵へと視線を向ける

「無理はするなよ?」

「はい。その時は私の事、守ってくださいね」

 視線を交錯させて、知らない者が見れば恋人のように感じられる言葉を交わした矛津(むつ)棕櫚(しゅろ)は、周囲にいる義父や義兄弟達と共に武器の切っ先と戦意と殺意を眼前の集団に向ける

「うーし、なら、ぼちぼち始めるか」

 矛津(むつ)と共に一家の先頭に立っていた殺鳥(キルバード)が両手に持った剣を構えて気が抜けたような言葉を発したのを合図に、睨み合っていた二つの集団は一斉にその力を解放してぶつかり合った




「はあああっ!」

 桜色のの燐光を帯びた漆黒の闇が天を貫く刃となって振り下ろされると、それを見た茉莉は自身の魔力を通わせた槍でその攻撃を真正面から迎撃する。

 一太刀ごとに澄み切った鈴の音のような音を響かせる茉莉の槍が歌を歌い、視界を埋め尽くすほどに巨大で強大な漆黒の刃――神魔と桜の魔力が共鳴して強化された一撃を相殺する

「くっ……!」

 しかし、その攻撃を阻んだ茉莉の顔は冴えない。

 その端正な顔をわずかに歪め、唇を噛みしめた茉莉は、未だ手に残っている衝撃を見るかのように視線を落として目を細める

(以前よりも強くなっている……?)


 全霊命(ファースト)は常に最盛期と全盛を維持する霊の力――神能(ゴットクロア)の特性上、能力が衰える事は無い。だが、能力が衰える事がない事は、実力が向上しないという事と同義ではない。全霊命(ファースト)の力は先天的に備えている才能と、後天的な努力によって強化される。

 そう、神魔や桜の能力が向上している事自体は、決して珍しい事ではない。問題なのは、その成長の速さの方だ。全霊命(ファースト)の力の源は魂――ひいては存在そのものが有する力。故に、その力が劇的に上昇する事はなく、緩やかにゆっくりと、長い年月をかけて上昇するものだ。

 先日茉莉が二人と戦ったのは、つい最近。これほどの短期間で、目に見えて、体感して感じられるほど実力が上昇するなど、少なくとも茉莉は見た事も聞いた事もない


(こんなにも早く、これほど強くなるなんて、よほど才能に恵まれているのですね……いずれは単体でも追い越されてしまうでしょうね)

 愛し合い、命を分かち合い、存在を共有し合う二人の共鳴によって増幅された魔力の爆撃を振り払って飛翔する茉莉は、自身の知覚に警鐘を鳴らす魔力に目を細める


 神魔と桜――伴侶として互いに命を分かち合った二人を前にした茉莉の目には、一心同体という言葉が顕在化したような二人に、自分と紫怨の姿が重なって見えていた。


(紫怨にも、これだけの力があったなら……)


 自分の強さによって傷つき、自分の弱さが遠ざけてしまった想い人。優しすぎるが故に、自分のために強さを求め、望んでも届かない頂きに打ちひしがれていたその人を思い、茉莉の心は嫌が応にも締め付けられずにはいられない。

 紫怨に、紫怨が望んだ力があったなら、自分と紫怨の強さが逆だったなら、今自分達はもっと違う――夢に描き続ける人生を歩んでいたのではないかと、二人の姿に自分達の姿を幻視せざるを得ない


(本当に……あなた達が羨ましいです)

 かつて二人を見て感じた思いを再確認した茉莉は、魔力の波動に揺らめく金色の髪の下で、自嘲じみた笑みを浮かべると、魔力を通した自身の武器である槍を構える

「少しだけ、負けたくなくなってきました」

 羨望と憧れの入り混じった視線で、全てを超越する速さで向かってくる神魔と桜を見た茉莉は、小さく低い声で呟き、魔力を通わせた槍を振るう。その斬閃に合わせて奏でられる鈴の音のような澄んだその音は、どこか無くしたものを求めながらも遠ざけ続ける茉莉の心を表しているようだった




「いくぞ、棕櫚(しゅろ)!!」

「はい、お兄様!!」

 矛津(むつ)が掲げた三又の槍から放出される妖力が、まるで波濤の様に渦を巻いて天に昇り、風嵐のように逆巻く妖力を刃に纏わせた棕櫚(しゅろ)がその間を縫って十世界の軍勢に向かって空を走る

「せいやぁ!!」

 天高く舞い上がった棕櫚(しゅろ)が自身の妖力を纏わせた身の丈に等しい刃を一閃させると、そこから放出された斬撃がまるで猛禽の鳥のような形となって飛翔し、十世界の妖怪達に向かっていく



「……あれが、妖力か」

 意志を持ったかのように飛翔する棕櫚(しゅろ)の妖力鷲が天を切り裂き、妖力そのものである炎や水、雷が吹き荒れる様を眼下に見ながら大貴はその目を細める

「あァ、面白ぇだろ? 妖力ってのは、個人によって特性や性質に違いや偏りが出るんだ。――ま、つってもその能力そのものは、俺達と大差ないから、見た目が派手ってだけなんだがな」

 大貴の刀を自身の武器である剣で打ち払い、紅蓮が眼下の戦いを一瞥して咆哮に似た声を上げる


 妖怪の神能(ゴットクロア)である妖力は、九世界の中で最も変質的な力として知られている。


 通常、天使や悪魔はもちろん異端神であれど神能(ゴットクロア)放出した場合、それらの力は世界へ自らが望んだ事象を現象として顕現させる力の塊――光や闇を思わせる概念的なものとして顕在化する。

 しかし、妖怪が放出した神能(ゴットクロア)はその基本能力を通常の全霊命(ファースト)と同じにしながらも、「炎」、「水」、「雷」、「氷」などといった外観に変えて放出される。とはいえ、その力そのものは、「自らの力が及ぶ限り世界に対して絶対優先的に自らの望んだ事情を現象として、過程を経ずに顕現させる」という神能(ゴットクロア)のそれと同じ。


 だが妖力が他の神能(ゴットクロア)と決定的に違うのは、「自身の妖力そのものに、事象改変以外の先天的特性が付与される」という事にある。

 たとえば棕櫚(しゅろ)ならば、「自身の妖力を自立的行動力を持った力の化身として放出する」こと。――つまりは、棕櫚(しゅろ)が命令や意図をしなくとも、猛禽として放たれた妖力はまるで意志を持っているかのように行動し、そこに込められた破壊や殺傷という事象と共に敵を捉える事になる。

 この性質がどのように、どの程度現れるのかには個人差があるが、中には妖界王のように特異な能力を発現する者も多い。これらを指して、妖力は九世界の中で最も変質性に富んでいると言われるのだ




「うりゃりゃりゃりゃああああああっ!!」

 まるで子供がチャンバラを振りまわすような声を上げ、李仙は自身の妖力が顕在化した武器である槌を力任せに振り回す。


 神能(ゴットクロア)によって、この世を支配しているはずの全ての理と法則を無視して荒れ狂う槌は、万象を超越する神速と世界すらも破壊する力を以って、縦横無尽変幻自在に荒れ狂う

 李仙から放出された妖力は、槌を介して暴風のように全方位にその力を振るい、槌としての打撃以外にそこから放出され続ける妖力弾が弧を描くようにして次々に十世界の妖怪達に炸裂していく


「こ、こいつ……ッ」

 李仙の攻撃に、十世界の妖怪たちが表情をしかめる

 戦場を駆けまわりながら、自身の武器である槌を振りまわす李仙の攻撃は、その槌による打撃と底から放出される妖力弾による複合的波状攻撃。まるで弾幕をまき散らす要塞に突入していくようなやりづらさに拍車をかけているのは、李仙が放つ妖力の弾だ

「気をつけろ、こいつの攻撃追尾してくるぞ!!」

「面倒な……っ」

 軌道を自在に変えて飛来してくる妖力の弾を武器で相殺しながら十世界に所属する妖怪達が忌々しげに舌打ちをする


 李仙の攻撃の最も厄介なところはまるで噴水のように放出される妖力の全方位弾幕が、全て正確にその場にいる標的に向かってくるところにある。単なる弾幕ではなく、誘導追尾型の妖力弾の雨は対象に回避を許さず、相殺か防御を要求してくる


「思い出したぞ、あいつ、『李仙』か!」

 戦場を飛び回り、妖力の弾幕を張りながら槌を振りまわす李仙の姿を見ていた十世界に妖怪の一人が不意に何かに気づいたように声を上げる

「ッ! ……その名前、確か妖界王に仕える妖怪か」

 李仙の名を聞かされた人物が目を見開くと、その名を思い出した妖怪が眼前で弾幕を張りながら世界を駆けまわる妖怪の姿を見て目を細める

「そうだ。奴の妖力特性は『的印(マーキング)』。奴の妖力は互いに引き合う性質を持っていて、その妖力に接触した奴には次の攻撃が必ず命中するんだ」

「……磁力のような力って訳か」

 李仙の名を思い出した妖怪の言葉に、もう一人の妖怪が小さく息を呑んで応じる

「詳しいね、さてはおいらのファンだな?」

 それと同時に、まるで燃え上がるような妖力を自身の武器である槌に纏わせた李仙がその男達の前に姿を現し、一切の澱みの無い純然たる殺意に彩られた笑みと共に、最上段からの一撃を振り下ろす

「……誰がッ!」

 槌による一撃を自身の武器で受けとめた男が吐き捨てるように言うが、しかしそんな事は気にも留めていない様子で、李仙は自身の存在そのものから湧き上がる妖力を解放する

「けど残念、オイラは美人のお姉さんにしか興味がないんだよ!!」

 その声と同時、力強く振り抜かれた槌の一撃は男を力任せに吹き飛ばす

「ぐッ……!」

(なんて馬鹿力だ……いや、これは奴の妖力の妖力特性か!)

 存在の根幹を殴られたような魂の髄まで響く衝撃に唇を噛みしめた十世界に属する妖怪は、宙を舞いながら自身が置かれた状況を正しく推察する


 李仙の妖力特性である「的印(マーキング)」は、一度自分の妖力が触れた相手を「的」として認識し、次の一撃を必ずそこへ誘導する――互いに引き寄せ合うという特性を持っている。

 十世界の妖怪の一人が「磁力のようなもの」と推測していたが、李仙の妖力は決して自身の力同士で反発することはない。

 だが、どの的に狙いを定めるかを選ぶことはできる。つまり李仙は、攻撃を受けとめた妖怪と別の的――男の真後ろにいた妖怪を「吸引」させる事で後方に弾き飛ばしたのだ


「――ガハッ!!」

 そして、的同士で引き合った二人の妖怪は、図らずも回避する事が出来ずに激突し、互いにその態勢を崩す事になる

「オリァアアアアアア!!」

 そしてその一瞬の隙を逃す事無く、時間すらも超越した神速で肉迫した李仙は、自身の妖力を凝縮させた槌を一薙ぎして、二つの「的」を一撃の下に粉砕する

「ぐあっ!!」



 妖界王に仕える妖怪には二通りのタイプがいる。

 一つは神魔と桜のように何かの罪を犯し、無罪でも極刑でもない三番目の選択肢である「労働奉仕」を命じられた者。

 一つは、(うてな)のように妖界王、あるいは三巨頭の誰かがその実力や能力を見込んで自ら声をかけて勧誘した者。

 そして李仙は紛れもなく後者。正確にやや難はあるものの、その実力は三巨頭、妖界王も認めている。だからこそ、ここに(うてな)と共に派遣されてきたのだから



「さて、次」

 一撃の下に二人の妖怪を屠って見せた李仙は、その身体が存在の楔を失い、力の欠片として崩れ去っていくのを一瞥し、冷酷な視線を向けた





「あっちは随分は派手にやってるな」

 妖怪達が繰り広げる戦いを一瞥し、クロスはその純白の翼をはばたかせて宙を切り裂く

 神速の光となって天をかけるクロスに肉迫するのは漆黒の光。闇に堕ちた闇色に輝く光――堕天使ラグナは、自身の存在が武器となった身の丈を超えるような斬馬刀を振り下ろす

「ハアッ!」

 極大の黒閃となったラグナの斬撃を身の丈に及ぶ大剣で受け止めたクロスは、その衝撃にわずかに表情を歪める

「……チイッ」


 聖なる光と穢れた光がぶつかり合い、渦を巻いて荒れ狂う。

 空間を引き裂かんばかりの対極的な二色の光は、まるで世界が創造されていくかのような煌めきを生みだし、そこに一つの宇宙のような光景を作り出す


 ラグナの斬馬刀の斬撃を受けとめたクロスがその純白の翼を広げると、そこに、無数の白光球が顕現する

「……!」

 クロスの翼に無数の光球が宿ったのを見てとったラグナは、すぐさまその漆黒の翼をはばたかせて距離をとる

「逃がすか!!」

 クロスの方向と共に、純白の翼に宿った光球から極大の白光砲が放出され、複雑な軌道を描きながら漆黒の閃光となって飛翔するラグナに向かっていく


 光すらも貫く速さで奔る白極光をそれと同等以上の速さで飛翔しながら、舞うように回避するラグナは、交わしきれない軌道で向かってくるいくつかの極光を漆黒の光を宿した斬馬刀で打ち払う事で相殺し、消滅させる


「――野郎、手抜いてやがるな」

 自身が放った白極光を一太刀の下にかき消されたクロスは、身の丈を超える斬馬刀を携えた堕天使を見て軽く歯噛みすると、その純白の翼をはばたかせる

(しかも……)

 世界の全てを超える神速によって肉迫してきたクロスの視線を受けた額に漆黒の一本角を持つ金髪の堕天使――ラグナは、黒光を纏った斬馬刀で純白の光を帯びた大剣を受けとめる

「きゃっ!」

 大剣と斬馬刀、二つの刀身がぶつかり合い、黒白の光と轟音を散らしたのは、瑞希が守っている結界の真正面。クロスとの戦いを流しながらラグナが狙っているのは、瑞希の結界の中にいる詩織だった。

「お前の相手は俺だろ!?」

「思いあがるな……俺の相手はお前じゃない」

 結界を通しても、尚伝わってくる斬撃の轟音に思わず声を漏らした詩織を横目に、クロスとラグナは互いに睨み合いながら互いの刃を弾いて距離を取る

「詩織ばかりを狙いやがって……!」

 憤りを込めたクロスの視線に、ラグナはその表情も語気も一切変える事無く淡々と――まるで作業のように言葉を続ける

「愚問だな……俺達の目的は神器だ。そして俺達はその女の中にある神眼(ファブリア)の回収を命じられている。紅蓮(あの馬鹿)はともかく、あの二人が相手では、さすがにあの人も手を離せないだろうからな」

 そう言って視線を動かしたラグナの目に映るのは、魔力を共鳴させた神魔と桜を相手に刃を交える茉莉の姿。上空で激しい戦いを繰り広げる二人と一人の力は拮抗しており、流石の茉莉にも余裕がないように見受けられる


 元々茉莉達の役目は神器を回収すること。妖牙の谷(ここ)にある神器は鋼牙達に任せるとしても、詩織の中に神器が眠っている神器も回収できるに越したことはない。

 元々大貴と戦う事以外には興味がない紅蓮は別として、今この状況でそれを手に入れられるのは自分しかいない――そう考えているからこそ、ラグナはクロスをいなしつつ、詩織を狙っている


「……随分と御執心なんだな」

 詩織という存在、そしてその内に融合した神器が予想通り――あるいは予想以上に十世界に対する餌としての効果がある事を確認して、クロスは小さな笑みと共に言葉を向ける


 元々この世界巡りは、大貴――光魔神を九世界の側に引き込み、十世界と対立させる事を目的としている。神器・神眼(ファブリア)は九世界と十世界、光魔神と十世界を対立させ、戦わせるための要因として考えられており、それを体内に宿す詩織は十世界を引き寄せる餌として十分な価値を持っている事になる


「お前は神眼(ファブリア)の能力を知っているか?」

 クロスの言葉に、ラグナは抑制の利いた静かな声で問いかける

「……知るか。そもそも誰も使えない神器の能力を知ってる訳がないだろ」

 ラグナの質問に一瞬怪訝そうに眉を寄せたクロスだったが、すぐに突き放すように答える


 神器は選ばれた者にしか使う事が出来ない。神の欠片から生まれた神器の能力は神のそれに由来するものだが、起動出来る者がいない以上その能力は不明なままだ


「そうか、なら教えてやる。『神器・神眼(ファブリア)』の能力は、世界創世から現在に至るまで世界に刻まれたあらゆる事象を見通し、あらゆる理を読み解き、あらゆる答えを知る事だ」

「……!」

 ラグナの説明に、クロスの表情がわずかに険しい色を帯びる


 神器(しんき)神眼(ファブリア)。――それは、世界創世から現在に至るまで、世界に刻まれた歴史と情報を見通し、あらゆる事柄の事実と答えをその使用者に教える事。

 気が遠くなるような膨大な月日、歴史に隠された真実、世界に満ちる万象や万物の起源とその可能性。世界に存在する全ての記憶と記録と情報の全てを見通すこと。

 それによって、戦術も戦略も、奥の手も切り札も全てがその意味を失い、秘密も機密も白日の下に曝け出される。全てを暴き、あらゆる英知とこの世の真実の全ての真を知る神の眼。――それこそが神眼(ファブリア)の最たる能力だ


「どうやら未来を見る事も出来るらしいが、そんな事は俺にとって瑣末な事だ」

「?」

 次いで続けられたラグナの言葉に、クロスは剣呑に目を細める

 この時になってクロスはようやく気付いた。ラグナが神眼(ファブリア)を手に入れようとするのは、姫のためでも十世界のためでもなく、自分自身のためなのだと。


 何故ラグナ――十世界が神眼(ファブリア)の能力を知っているのか一瞬疑問を覚えたが、全ての神器を使う事が出来る奏姫ならば、それを知ることができるかもしれない

 だが、なぜその能力を知っているのかという事よりも、目の前にいる感情の見えない堕天使の思惑の方がクロスにとっては、より強く興味を引かれるものだった。


神眼(それ)を手に入れ、姫の力を借りれば、俺は探し続けていたものを(・・・・・・・・・・)見つけられる(・・・・・・)

「……!」

(こいつ……そのために十世界に?)

 ラグナが多くを語った訳ではない。しかし、クロスはこの時確信に近い感情を以ってその目的を見抜いていた


 神眼が先にあったのか、後で知ったのかは分からない。目的と行動のどちらが先かだったのかまでは知る由もない。しかし、少なくとも今現在のラグナは、その神眼(ファブリア)を愛梨に渡す事で、何かを探しだそうとしているのだと


(そうだ。あれを手に入れる事が出来れば、俺は――)

 自分にそう言い聞かせながら逸る心を落ち着かせるラグナは、手にした斬馬刀の柄を強く握りしめてクロスとその向こうにいる詩織――そして、その向こうに見える目的の人物を見据える


 一見感情を露にしないように見えるラグナだが、実際はそうではない。懸命に自分自身で焦燥に駆られる感情を抑え込んでいる結果、その姿が無感情に近く見えるだけのことだ。

 抑え込んでいるだけで、ラグナは極めて感情豊かな人物だ。情に厚く、義理に固く、そして思いやりに溢れている。――だからこそ、ラグナは持って生まれた白い翼をも捨てたのだから。


「――俺は、あいつに会う事が出来る」

 小さく独白したラグナの脳裏には、ラグナが自らの存在を堕天使に変え、十世界に身を置いて気が遠くなるほどの時間を探し続けてきた二人の姿がよぎっていた


《――ラグナ》


 記憶の中で自分に微笑みかけ続けてくれる天使の美笑を思い出しながら、ラグナはその身体から漆黒の光を放出するのだった







「……げ」

「どうした?」

 不意にその口から漏らされた渋い声に、重厚な低音が怪訝そうに問いかける

「いや、ちょっと知り合いが……」

 目に見えて居心地が悪そうな表情を見せる四枚翼の堕天使――「オルク」は、顔の下半分を隠す鉄面の堕天使「ザフィール」の問いかけに言葉を濁す

「知り合い? ……天使だった時の(・・・・・・・)か?」

「はい」

 ザフィールの問いかけに、オルクは渋い表情で頷く

 嫌悪でも敵意でもなく、再会を望んでいない――まるで堕天使になった自分の姿を見せたくないと言わんばかりのオルクを一瞥したザフィールは、わずかに目を細めて漆黒の翼をはばたかせる

「その黒い翼に誇りがないのなら、ここで傍観しているがいい」

「……ッ」

 淡々と紡がれた言葉に唇を噛みしめ、拳を握りしめたオルクは、逡巡を浮かべる表情のまま、谷底から感じられる懐かしいその力に目を細める

「……なんでここに? クロス兄、マリア姉……」








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