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第1話 面倒事の予感

 20XX年、世界は混乱に包まれた。そこらじゅうから見たことない獣が出てきて、足が8本あって体長が6mぐらいあったりと、獣に多様性が存在したらこんな感じなんだろうなみたいな獣がどんどん出てきた。そりゃもう世界は混乱しまくった。


 そしてそのピンチを救うように、世界各地で魔法少女が現れた!


 魔法少女達はステッキを使って、炎や雷を出して獣を退けていき、そして一旦世界は落ち着いた。


 落ち着いてから世界の偉い人達は考えた。魔法少女達だけに頼っているだけでは心許ない。なのでこちらも兵器を作ろう! と。


 そこからはトントン拍子で世界が協力し、試作機を経て、完成品が出来た!


 その名もサイボーグ。人間を機械化しその中に兵器や色んなもんを詰め込んだら強いやろってな感じで作られた。


 で、出来たのが俺ってわけ。


 そしてそんな俺は今、普通に学校で授業を受けている。


「で、今の全世界協力体制が出来たって訳だな〜ここテストに出すから覚えとけよー」


 歴史の田中先生が大事なことを言っていた気がするが聞いていなかった。


 眠くてそれどころではない。


 ふわぁ、とあくびが出た。


「おい、絡繰(からくり)授業中にあくびするな」と田中先生に睨まれた。


 わざわざ名指しで注意するなよ…


 不貞腐れてペンを回しているとどこからか視線を感じ、その方向を見るが、誰もこっちを見ていない。

 …気のせいか。



 歴史の授業が終わり、昼休みへと入る。弁当を広げる者、食堂へ向かう者、購買へ走る者、様々な人が居た。俺は2段弁当を広げ、蓋を外す。


 上の弁当には冷凍食品であろうミートボールに唐揚げ、小松菜の和え物等、おかずが入っていた。

 下の弁当にはふりかけがかかっているご飯がみっちり詰められていた。


 目を瞑って、いただきますと手を合わせる。


 その時、声をかけられた。


「あなた、絡繰機械(からくりきかい)よね。ご飯、一緒に食べましょ」


 目を開けるとそこには、黒髪ロングの美少女が立っていた。顔が整っていて、まつ毛が長い。そして目がとても綺麗。まるで宝石のような青い目。第一印象がその情報で埋め尽くされそうなほど綺麗だった。

 右手には弁当を持っており、こちらを見下ろしている。


「ああ、良いけど…」とぎこちなく返事をしてしまった。あまり女子に誘われたことがなく緊張してしまう。


「じゃ、屋上へ行きましょ。少し話したい事があるの。()()()()()さん」


 サイボーグと呼ばれた瞬間、女子に誘われたさっきまでのワクワクは消え去った。

 ああ、これ|駆除(しごと)か…


 サイボーグと俺が呼ばれるのは駆除(しごと)の時だけ。だから何か獣が出たとかそんな用事なんだろう。期待してたのに…


 ていうことはこの人は魔法少女か。


 駆け足で教室を出て黒髪の少女と共に屋上に向かう。


 地べたに座りながら話を聞く。


「で、なんの駆除(しごと)?」


「仕事じゃないわよ。個人的に聞きたいことが有って」


「こりゃ驚いた。仕事の話し以外で呼び出されるとは」


 実際、学校の休憩時間では仕事でバディを組む魔法少女以外からは話しかけられない。


「聞きたいことってなんだ?」


「あなた、私の事知ってる?」


「…ごめん知らない。もしかして有名?」


「まぁある程度は」


 「知らなくてすまない。あんまりテレビとかは見ないもんで」


「じゃあ、私の元の姿知ってる?」


「えっと、名前を聞かないと分からないな」


「そうなの? じゃ自己紹介したらいいわね?」


 まっすぐと見つめられながら自己紹介される。


「私は、阪本。阪本龍一」


 その名前を聞いて分かった。


「あー! あのサッカー部のキャプテンで有名な!?」


 阪本はその言葉を聞いた瞬間、目を見開いて驚き、こっちを見て、数秒後に泣き出した。


「あ、良かっ、た、誰も覚えてない、かと思ってた、」


「え!? 泣くほど!?」


 阪本は涙を腕で拭いながら答える。


「うん。だって私の事誰も覚えてなかったの。サッカー部のキャプテンだって、私だったのに…知らない人がキャプテンになってたりして怖かった」


「そりゃ怖いが…確実に第三者の介入が入ってる事案じゃん」


 通常魔法少女になったとしても周りの記憶は保持される。魔法少女になった後と前の記憶がある場合しか見かけたことしかない。つまり阪本のようになる前の記憶が全部消されているのはイレギュラーということだ。


「もしかして俺の事をサイボーグって呼んだのって…このことを相談するため?」


 阪本は落ち着いたようでゆっくり頷く。


「はぁーそりゃ面倒な事だな」


「魔法少女になった事は別にいいんだけど、なる前を誰も知らないってのが嫌で…ねぇお願い。助けて、お礼もするから」


「お礼はいらねえよ。仕事だしなこれ」


 阪本の顔が明るくなる。俺の手を握って


「ありがとう。助けようとしてくれて」


 急に手を握られたので驚いて排熱が始まる。


 プシューと音を立てて蒸気が頭から出てくる。


 目をそらして

 「どう、いたしまして」


 こいつ元男なんだよな? 元からこんな感じだったのか?


 話が終わりチャイムが鳴ったので一緒にクラスに戻る。


 戻ったあとで気づいたが結局仕事の話じゃねえか。まったく、俺は仕事以外で話しかけられることねえのかよ。

のんびり書くので更新は遅いと思います。感想どんどんお願いします。

読んでくれてありがとうございます。

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