第六話 部活決め 改
――ある日の昼の学園
「お前もやることあるだろ。勉強とか」
「何度も言うけど私学年3位なんですけど。天才なんですけど!」
「その割には記述全滅だったよな」
「うっ…それは~」
一瞬目をそらす。
「まっまあそんなことよりあんた部活どうするの?今日でしょ希望出すの」
そう今日は部活動の希望届を出す最終日。この学校は年度が変わるごとに部活届を出しな押さなければならない。
普段なら同じ部活にするのだが、私は決めた…
新しいことにチャレンジする!
あいつが転校してから今日まで私は私なりにあいつを落とせない理由を考えた…
古今東西の本(漫画)を読み、山(丘)を登り、滝に打たれ、死と隣り合わせの数々の修業を乗り越えた(やってない)! そして気づいた!
私には適応能力がない!!!
私の敗因はこの環境に適応してないからだ。それしか考えられない!
「俺は今日出す。お前はどうなんだ」
「私?んー料理研究部と裁縫部と美術部で迷ってるのよねー」
「早く選べよ。もう提出期限まで残り30分だぞ(お前が決められないと、俺帰れないんだよ!)」
「というかまだ出してないあんたには言われたくないんですけど」
「よしじゃあ行くぞ」
急に手を引かれる。
こんな事されたの人生で初めてだ。
「どうしたもう時間ないぞ」
え、ちょっと待って!? 手、手を握られた!? なんで!?あっ!ついに落ちた?それで攻めの姿勢を?
「な、なによ急に!」
「部活決めるんだろ」
「普通女子の手は急に握らないものなの!ほんとに気遣いできない人よねー」
強引に!ついに!そういうのドラマとかだと相手が好意を持ってるってことだし…ちょっとふるいにかけてみようかな
「アッもしかして私に惚れちゃった感――」
突然景色がものすごいスピードで左から右に流れる。
気づくとものすごいスピードで私の手を引いて走り出していたのだ。
「ちょっちょっと早すぎよ。スピードおとしてスピードお~」
階段はジャンプしてショートカットし廊下を駆け抜けいつの間にか料理研究部の部室の前についていた。
「失礼します。体験入部来ました」
「ちょっと体験入部って先に言っとかないと」
「どうぞはいちゃってー」?入れた?
「ちょっと時間ないんで20分でお願いします」
「20分⁈早すぎない?」
「だって三つの部活あと一時間で体験するなら20分くらいだろ」
「え?あんたも同じ部活で迷ってたの?」
「…まあそんなところだ」
趣味合ってる⁈これはまさにチャンスでは!!!ここで私の圧倒的家庭センスを見せつけてやればあいつも…
「はいはい二人とも20分だけなんだから早くして」
「はい」料理台に案内される。手を洗うと作業開始である。今回は主に野菜を切る手伝いだけなのだが…あいつやけに張り切っているな。
ここで私が超高速みじん切りを見せつけて…ってあれ?
早く切るということは意外にも難しかった。というか以外に固い。
んーもうっ!
力任せに切る。
すると自分の指まで切ってしまった。
「痛っ!」
「あらら―大丈夫?ちょっと待ってね今絆創膏を…」
「これで問題ない」
声のした方を振り向くといつの間にかあいつがいる。
さらになぜか怪我した指にすでに絆創膏が張ってあった。
してやられた!で、でも…
「ありがと…」
あいつの動きが止まる。
「え?なんて言った?」
「もうっ!と、とにかく早くあんたも野菜を――」
あれだけ大量にあった野菜が全て無くなっていた。
その代わりに料理が出来上がっている…どゆこと?
「アッもっ、もう次っ!」
次は裁縫部。今度こそあいつにって…意外と難しいわね。
「あっ」
つい間違えて別のところを縫ってしまった。しかしなかなか抜けない。んー…
「あっ!」
今度は引っ張りすぎて針についていた糸が切れてしまった。
もおおおおおお!何で毎回?って…
頭を上げるとハイドがまるでどこかのブランド物のようなバックを作り終えていた。
部員の方々は皆絶句している…
「次次次っ!」
美術部の今日の活動は窓の外の景色の写生だった。
よし…気を入れなおしてっ!!!
もうあいつはまるで写真のような東京の複雑な高層ビル群を完成させていた…
もうなんかすごいというより怖い。
あいつの技術がすごすぎてなんかもう何にも入ってこなかった。
「どうだったんだ?決まったか?」
「いやそれ以前にあんた何でもできすぎない?!」
「いや、これくらい普通」
「普通じゃないわ!」
「で決めたのか?」
「いや、もう帰宅部でいいや」
その後ハイドはもう一回3つの部を回り、裏工作で期限前に出したことにする羽目になった。




