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スパイは踊らない~学園に潜む影と恋~  作者: 猫吉
第二章 文化祭編
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第36話 遠藤4

「Hein ?(え?)」


頬が痛い。

体は地面にたたきつけられ

口の中に苦い土の味が染みる。

「Attendez, attendez ! C'est moi, Endo ! Le bénévole !(ま、待ってください!僕です遠藤ですよ!あのボランティアの‼)」


必死に叫ぶ。


女は無言のまま、地面に転がっていた木の棒を拾い上げた。

迷いのない動きで、頭の上まで棒を振りかぶる。

「C'est depuis que vous êtes arrivés... ! Les tuyaux, les machines, tous ces inconnus qui ont débarqué... !(あんたらが来てからだよ……!パイプだ、機械だ、知らない連中が押し寄せてきたのは……!)」

パイプラインの…事か?

「Non, non... Ce projet... Tout le monde s'y était opposé... Il aurait dû être annulé...(い、いや……その計画は……みんなが反対して……中止になったはずで……)」


突然迫り来る女性の動きが止まった。

「Annulé ?!(中止?!)」

「Seules les « discussions » ont été annulées ! Ils ont agi de leur propre chef ! Ces types venus des États-Unis, ou je ne sais où !(止まったのは“話合い”だけだ!!連中は勝手にやった!!アメリカだか、どこだか知らないやつらがな!!)」



「Ce gamin ne voulait pas avoir une arme... Il voulait juste se défendre... !(あの子だって銃を持ちたかったわけじゃない…守りたかっただけだ……!)」


水滴がほろほろと落ちてゆく。

「Si vous n'étiez pas venus...(あんたらが来なけりゃ……)」


棒が力なく地面に落ち。

「Ce gamin...(あの子は……)」


「Qu'est-ce que tu fais, maman...(何やってんだよ母さん…)」

少し離れた場所から男の声が聞こえた。

女がはっと振り返る。

「Pierre, toi...(ピエール、あんた…)」

男が——ピエールが、

迷いなく俺の腕を掴んだ。

そのまま、走り出す。

「Pierre …?(ピエール…?)」

「C'est toi, Endo, non ?(お前、遠藤だろ?)」

「Oui, mais...(そうだけど…)」

息を切らしながら、

彼は一度もこちらを見ずに言った。

「Viens me voir à la prison.(刑務所に来てくれ。)」


は?


「On en parlera là-bas.(話はそれからだ)」


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