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スパイは踊らない~学園に潜む影と恋~  作者: 猫吉
第二章 文化祭編
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第34話 遠藤2

「20秒待ってやる。武器をすべて置いて来い」

静寂とは裏腹に黄色い声があふれる。

昼の明るい日差しが窓から降り注ぎ遠藤の横顔を照らす。

後輩が急ぎ足で駆け寄る。

「先輩!僕も――」

「お前は来るな」

遠藤が教室の角に寄り掛かりながら鋭い視線を向ける。

「いや、でも…」

後輩の肩を引き寄せる。

「大丈夫だ。お前は結衣の護衛に専念しろ。」

後輩が喉を鳴らす。

「…了解…」

遠藤が背を向ける。

「行くぞ」

ハイドは深く息を吐き、制服の袖を整えた。

校門前に行くと黒バンが待機していてSVRの部隊に囲まれ――

てはいなかった。

「歩き…ですか?」

「なんか文句あるか?」

そして連れていかれたのは町工場の薄暗い倉庫――

ではなく学校の近くのハワイアンの店だった。

「・・・」

しかし一応茂みに7人、ビルに3人はいる。

「お前何か食べるか?」

「いいえ結構です」

遠藤が背もたれに寄り掛かり店員を呼ぶ。

「ロコモコ2つとアイスコーヒー2つ」

こいつ…

「で、いったい何の用なんです?」

遠藤が鋭い目線で見つめる。

「見ての通りだ。聞きたいことがある」


『聞きたいことって何だい?』


遠藤の胸ポケットの無線が響く。

茂みやビルを見ても先ほどの人影はなくなっていた。

「ねぇ、お客さん」

いつの間にか横にはにこやかに笑った顔のウエイターが立っていた。

遠藤の顔が、わずかに驚いた色を帯びる。

来たか…

「なぜ…いるんだ?」

「エリオットが真面目に命令に従う訳ないだろ」

「ハイド?」

任務通りだと今頃エリオットは京都で現地の警備を固めているはずだが…ナイトに丸投げしたらしい。

まぁそれを見据えて連絡したのだが…

「そうか…予定より早いがまぁいい」

遠藤が薄笑いを浮かべた。


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