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スパイは踊らない~学園に潜む影と恋~  作者: 猫吉
第二章 文化祭編
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第29話 マイクロフィルム3

お久しぶりです!

―先ほどの旅亭

「もぉー何なのあの学生たち。これまぁまぁ高いのにぃ…」

すると奥からガラスをかたずける女将に近づいてくる男たちがいた。

「あ、すみませんお客様。今片付け中でしてここは危な…」

「失礼」一人の男が女将を遮って砕けたガラスの破片の中を素手で探り始める。

「ちょっ…お客様?」

するときれいにフィルムからはがされた追跡装置を見つける。

男はそれを拾い上げ、しばらく無言で見つめる。

次の瞬間、肩が震えた。

「クッッッッッッフッッ」

「あの…お客様?」

「クッッッッッッフッッフフッッ」

「あ、あのぉ」

「ハハハハハハハハハハハハ」

男の笑い声が旅亭に響き渡った。

「まったくあいつは面白いガキだ。わざわざ追跡装置まで外しやがって…」

「えーと…」

やっと顔を上げ女将を見る。

そこには急に目の前でわけもわからず笑い出す男にあっけに取られている顔があった。

「これは失礼」

女将の裾に触れるほど身を乗り出す。

「ところでこのランプを壊したガキはどちらに?」

「え…いやもう出ていきましたけど…」

男の表情が固まる。

「そうか…まぁそうだよな。やるなぁ防犯カメラには出ていく様子なんて映ってないのに…無駄足か。」

「っていうか何なんですか?あなたたち」

「ってことで失礼いたしました」

ガラスにまみれた現場を後にして裏口を出ると、外で銃を構えた特殊部隊が待機していた。

男はハンドサインを送る。

「Команда А будет обыскивать вестибюль вокзала; команда Б будет охранять прилегающий офисный район. (A班は駅構内を探索B班は駅周辺のビル街だ。)」

「「Принято.(了解)」」

―東京駅某高級スイーツ店

「ん~~~~~~~~~~~~~~~」

こいつ、いつまで食べるんだ?もう、とっととフィルムを本部へもっていきたいのだが…最悪あいつに預けるか?

ちらっと店の奥を見ると厨房でいつもの結衣の護衛担当のやつが心配そうな目でこちらを見ている。

見るだけじゃなくていい加減自分から行動してほしいものである。

これは俺が持っていたほうが安全か…しかし…

「なぁ、もう充分食べただろ。もう帰らな――」

「ヤダ」

「いや、でも――」

「泣き叫んで警察呼ぶよ」

ダメだ…

その時無線が鳴った。

『至急、本部からハイドへ』

次の瞬間、射抜くような視線を察知した。

ギリギリだった。

麻酔銃の弾丸が髪をかすめる。

『そのマイクロフィルムはSVRが機密情報に使うものだ』


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