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13話

 彼の身体は凍ってしまいそうほど冷たくて、ハグはとても落ち着けるようなものじゃなかった。真冬にこんなことをするのは一種の自殺行為のようにも感じられる。それでも、この喜びと興奮を彼には真っ先に伝えたかった。

 どれだけ待ちわびて、どれだけ期待し落胆して、それで立ち直るのにどれだけの感情を犠牲にしてきたと思ってる。一つ、たった一つの作品が評価されるだけで、それらがどれだけ救われることか。初の入賞。本音を言ってしまえば大賞がよかった。でもここまでできたなら万々歳だ。射程範囲には入っている。対象は次にまた狙えばいい。今はただ純粋な喜びが心を支配していた。

 抱き着いた手を放して彼の方を見る。彼はふと微笑んだ。それを真正面から受け、顔が真っ赤になった。


 そんなに嬉しそうな顔をしてくれるんだ・・・。


 そう思うと同時に、胸の奥からじわじわと感情が押し上げてきた。そして、頭の中にある一つの単語が浮かんだ。自分でもびっくりして身を後ろに引く。そしてそのまま下を向いた。

この感情はよくわかっている。


よく調べたもの。

よく書いたもの。

まだ感じたことがなかったもの。

それでも今回も僕はこれをテーマに書いていた。

それがこのようなものだったとは。


「どうした?」


 その言葉にハッと彼を見る。彼は不敵な笑みを浮かべていた。それでさらに顔が赤くなる。そうだ。彼は心が読めるのだった。今までは便利だと思っていたが。こんな感情は知られたくなかった。いや、知られてしまっては困る。

 いつから抱いていたんだろう。たぶん、今そうなったわけではなくて、たぶん僕は今自覚したんだろう。その感情を抱いていることに。友達としての親しみの感情ではない。


 それは紛れもない。彼に対する恋愛感情であった。

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