九話 解決
『この世界にない物』とは何か私が考えていたら…
「はぁ…戦闘のない世界ではさすがにこうなるか…」
「え?」
私は、急に後ろからさっきまで目の前にいた人の声が聞こえて…
「〔破腕〕」
「あ…ぁぁ…おえぇ…はぁはぁ…おえぇ」
自分の右腕がなくなって吐いてしまった。
「少しやりすぎちゃった…ごめんね、こいし…どうせ、貴女は…」
「やめろ!」
私の意識が闇に染まる時お姉ちゃんの怒号が聞こえたのであった。
私は美凪に怒号を放った。だって、美凪は私の大切な妹の腕を空へと飛ばしたのだから…
「やるなら…私にしてよ!こいしには何もしないで!」
「へぇ〜…自己犠牲ねぇ…なんだろう、失うのに惜しく感じるな〜…ねぇ、私たちの仲間になるならさとりの大切な人たちに危害を加えないからね?」
(こいし達に危害を加えない…)
「ねぇ…露にも何もしない?」
「まぁ…依頼を破棄することになるけど…まぁそれくらいなら大丈夫かな。うん、何もしない。」
そう言ったので、私はみんなを守るために…仲間になろうとしたら…
「さとり!」
その時、私の最愛の彼が来てくれて…しかも
「思い出してくれたの!?」
「ごめん…」
「嘘…何で戻ってるのよ!あいつの能力で蓋をしたはず…」
「え?あぁ…あいつってこいつのこと?」
そう彼は言いながら、男の人を投げた。
「え…どうしてよ、妖怪よ?」
「そんな事はどうでもいいだろ…」
露の鋭く冷たい声がこの場所に響き渡った。
「さとりをどうするつもりだ…しかもこいしちゃんの腕を切って…」
「は…はは…あんたには関係ないでしょ?」
「どうしてそう思ってるの?俺はさとりの彼氏だぞ?」
「は?さとりに彼氏が?嘘だろ?こんな化け物に?」
その時美凪の後ろに露の姿があって…
「一回三途の川を見たら?」
そう言って露は美凪に何かをしたのであった。そして、数日私たち四人は学校を休んだ。
「はぁ…疲れたー」
「無事でよかった…」
「ありがとうね」
「私の右腕が…」
こいしの右腕は病院で診てもらって義手を作ってもらうつもりだったが…
「私、義手嫌だ!」
そう言って聞かなかったので、作ってもらうのを止めた。ちなみに、嫌な理由を聞いたら、『かっこよくないから』らしい。どうゆうこと?しかも、最近露を惚れさせようとしているように見える。
「ねぇ!露君」
「な、なに?」
「お姉ちゃんの何処が好き?」
「それは…優しいところと美味しいお弁当をく…れる…所」
そう、何故か『くれる所』を言うのを躊躇いながら言っていた。少し疑問に思った。
私は言うのを躊躇った理由がわかっていた。そう…露君はルーミアちゃんのお弁当も食べないといけないから。お姉ちゃんのお弁当の処理を私も手伝っているから分かるのだ。露が私のことを助けてくれた時から少し恋心を抱いてしまった。だけど、仕方がないよね!かっこいい露が悪いんだもん!




