弐拾参話 リアルかフェイクか
現実で成功する可能性がない擬似的な羽根でギリギリ飛ぶ瞬間…この世界が『リアル』か『フェイク』か分からなくなった。いや、この世界は『リアル』だ…
「レミリア先生…」
「なに?」
「どうして、生徒指導室に連れてこられるんですか?」
「それは勿論、貴女が屋上のフェンスをまたいだ事についてよ」
「いいじゃないですか…」
「ダメからここに連れてこられるんでしょ!」
「…はーい」
「まぁ、それはともかく…押した人が誰かって見当はついてる?」
「まぁ、はい」
「誰?」
「え?」
いきなりそんな事を言われた。いや、まぁレミリア先生になら言ってもいいけど。流石にテンポが早い…
「どうしてですか?」
「え?いや…荒凪なら私も協力しようかと」
「…なら、荒凪以外だったら協力しないと」
「へ?いや!するよ!ただ、私も荒凪には恨みがあるから…」
「それは知ってます」
「前、話たからね。露が失踪する前…」
「…はい」
「…」
「じゃあ、話しますよ。まず、僕を押した人は荒凪紀伊です」
「荒凪…」
レミリア先生は、小さくそう言った。そして、少し間を開けて思い出した。
「…このままだと、雪に迷惑がかかる…」
「なんで?雪は、荒凪でしょ?」
「その前に、僕の弟…だから。あとは、僕達の家で匿ってますし…」
「え?頭が追いつかないんだけど?」
「取り敢えず…夏休みまでには学校には行かなくなるかも知れません」
「え?あ、あの…もうちょっと、詳しく…」
「急がないと…この学校が狙われる可能性だって…」
「…」
「あいつの目的は、僕…そして、雪でしょうから」
「…なら、その学校に行かなくなるとき、私もついて行ってもいい?」
突然、レミリア先生はそんな事を言い出した。
「いや、だけど教員じゃないですか!」
「な〜に…前の学校だって無断欠席でここに転勤したんだから!だーじょぶ!」
(やれやれ…)
「あはは…(なんでこいしは、いきなり出てくるの!びっくりしたじゃん!)」
(ごめんって〜!)
そして、少し雑談をした。その時に少しレミリア先生の過去を聞かされた…その過去はまだ、聞くべきではないとそう思った。
「分かった…協力する…」
「はぁ、やっとか。女を傷つける趣味は無いもんでな…」
「なのに、躊躇なく殴れたわね…」
「その言葉遣いをどうにかしねぇとか?」
「そんな事ができると思う??」
「あぁ?」
「私は協力するとは言ったけど、誰にとは言ってない…」
「ふ〜ん…そうか、屁理屈を聞くだけ聴いてやる…言え。ただ、その後はどうなるか分かってるよな?」
「勿論…分かってるよ。私が協力するのは貴方にじゃない…魔理沙達に…いくら殴られてもいい…殺されたっていいわ!ただ、私を殺した瞬間…私の親、信者が敵になりお前を殺しにかかるわよ!」
こんな事をして、私がただで済むのは無いて事ぐらい馬鹿でも分かる…ただ、初めての友達を…初めてほ信頼できる人を傷つけられるくらいなら…私が犠牲になる…魔理沙は、もう、私のことを忘れているかも知れない…けど…だけど!
「守りたいから!友達を守るために私が犠牲になるわ!」
「はぁ、うるせぇ…こいつを拉致って金にできねぇかな…」
「そんなのに負けるつもりは無いわ!」
「…マジで苛つく…あの、悪い子と似たようなこと言いやがって…くそが!」
そして、私はーー
今、僕は授業を聞いている。
(はぁ、露って普段は屋上にいるんだっけか?)
僕は、ペンを回しながら…
(霊って元気にしてるかな?…今度チャットを送ってみよう…もう、忘れてるかもしれないけど…私の初めての友達だからな)
「こら!魔理沙!ペンを回さない!」
「すみません」
「もう…じゃあこの問を…」




