漆話 男の娘
これは、男の娘が、ある女学生と出会い学校に登校するまでのお話。
「ふぁ〜…ねむ」
僕は、一人暮らしをしていた。僕の名前は霧雨魔理沙。って、誰に言ってるんだろ。
「…はぁ、寂しいなぁ。こんなことなら一人暮らししなければよかった。」
そして、部屋にある本棚からある本を取り出した。それは、男の娘が一人の女学生に片想いをするお話。
「…こんな恋ってできるのかな。」
僕は、女装をする男いわゆる男の娘だ。昔から周りの男とは、違い声が女性だし…変声期でも、声がさらに女性の声に近づいたそのせいで、学校ではいじめられた。そして、高校入学まででは、不登校になってしまった。
「…これは、物語だし、僕には無縁か。一方通行の恋でもいいから。僕は、好きな人が欲しい。『リア充』とかそんなものどうでもいい。ただ、一方通行の恋・片想いでもいいからしたい…」
『リア充爆発しろ』とか言う人の気持ちは僕には分からない。逆に僕は、その『リア充』ていう人達からの惚気話を聞くのは、大好きだ。SNS上でも匿名で不定期の恋愛相談に乗っている。そんなある日、『310』さんの恋愛相談に乗っていた。メール上で…
『私好きな人がいるんですけど…昔助けてもらってから。その人と高校2年まぁ、今年再開ができたんですけど…周りからは『陰キャ代表』と言われてて。私も皆から嫌われてて、そしたら罰ゲームで告ることになったんです。どうすればいいでしょうか。』
と、そんな長文を見て。まず思ったのは。
「物語の世界見たい…」
と思った。その長文にこう返した。
『本心で告れば良いと思いますよ。上手くいきますよ!!』
『ありがとうございます!元気が出ました!』
『ファイト!!』
こんな、相談で僕は今まで一定数の人たちを助けてきた。そして、数日後。『310』さんから追記が来た。
『おかげで、上手く出来ました!ありがとうございます!!こんど、連絡先を交換しませんか?』
と言われた。
「あわわわ」
相手は、女子高生…まて、高2ってことは…僕と同じ学年……いや、ここは、拒否しよう。
『よかったです!だけど、連絡先は流石に交換しません。ごめんなさい。』
とそう言って、祝うのと同時に交換を拒否した。流石に別の男の連絡先があったら彼氏さん可哀想だし。そして、僕の恋のチャンスを逃したのだった。って言っても、できている彼女さんを取るって、最低な行為だし、しないよ。




