1話 魔王の娘爆誕
あれ?起きられない
金縛りにでもあっている気分だ
それに、苦しい
ヤバイ、
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、
息ができない
あっ
「ウンギャァァアア、オンギャァァア」
死ぬううううう
「おめでとうございます魔王様」
「御息女様の誕生です。」
「ふぅ~魔王の我でもこの仕事はなかなか大変であったな」
無事に産まれ安心した。
安心したら気が抜けてきた。
「忠義ご苦労である」
「ありがたき幸せ」
「下がって良いぞ」
「かしこまりました」
「後我が夫を呼んでこい」
「かしこまりました」
やっと、落ち着いた
なにか喋っていたが、なにも分からん。
何語だ?英語の成績1の俺にやめてくれ。ここは、日本だぞ?日本語を喋ってくれよ。
ん?てかここどこだ?
なにも見えなくはないが、異常に視力が悪いな。
水の中、裸眼で潜ってるぐらいは見えるんだが、
なんか、緑っぽい青のシルエットが、外に出て行ったな。
あっ、なるほどこれは夢か。
今の状態は金縛りか?
手足が短い、これは、赤ん坊か。
それにしてもなぜ、赤ん坊なんだ。
ストレスで赤ちゃんプレイでもしたくなったのだろうか。
まぁ、甘やかされて、ちやほやされたいという、気持ちはあるのだが、それにしても赤ちゃんって、
あぁ、だから、指も先しか動かないし首も動かないんだな。
うんうん、納得だ。ここが、夢の世界で今金縛りにあっているんだ。
違う。
俺浮いてる、
いや抱っこされてる、
「ん~うりうり可愛いなぁ~私の娘は」
黒っぽい紫のシルエットが、近づいてきた。
ロングヘアーってやつだ。
されるがままだ。
なんなんだこれは、夢にしてはリアルすぎやしないか。まぁ、すべてシルエットなのは夢通りなのだが、
てかURIURIってなんだよ。新手のス○ンド使いか?
それはWRYYYか。
しかもあれ本体だったわ。
ガチャ、
ん?なんの音だ?
「可愛い娘じゃないか」
「私に似て凄くかわいいだろ?」
「凄くかわいいな」
「特に目は俺ににそっくりだ。まん丸で瞳は赤くてまつげがながい、髪の色は君にそっくり、紫っぽい黒色」
「ふふ、そうであろうそうであろう」
「抱いてみるか?」
「あぁもちろん」
うおおおお、浮かされるこれが抱っこ。
何を言ってるか分からんし、叩きつけられるかも、夢だったら落とされて、そのまま目が覚める流れだ。たまに見るぞおい、
青っぽいシルエットが、近づいてきた。
「どうだ?」
「軽いな、凄く軽い」
「少しでも抱きしめると潰してしまいそうだ」
「本当に潰しちゃだめだぞ」
「例え話だよ」
「そんなこと俺はしないよ」
「今はそんなに小さいがすぐに大きくなるだろう」
「そうだねぇ凄く楽しみで」
「凄く愛おしい時間だ」
「そうだな」
落とされることも、潰されることもなかった、
時は流れた「あ~」とか「ぷぅ~」とか言えるぐらいに。
多分2カ月ぐらいだ。
ついに声が発せれるようになってしまった。
それに、体の可動域が広くなった。
良かった動けるようになってきた。
それに両親とおもわれる顔も確認できた
紹介しよう。
夢の中の母、名前は分からん。
見た目は凄く綺麗だカワイイとかじゃなくて美しいとか、そんな感じ。
髪色は黒っぽい紫アメジストみたいな色だ。
目は月みたいな黄色。
黒い細いしっぽみたいなのが生えてる。
先端は星形になっている。
人間ではないのだろう。
そして胸がでかい圧倒的でかさ。
多分Gぐらいはあるのではなかろうか?
我童貞故胸大気差正確差不明。
すまぬ我が同士たちよ。
正確な大きさを伝えたられず。
そしてさすが、我が母、抱っこが上手い。
安心感が違うね。
多分俺と同じ20歳ぐらいだろう。
夢の中の父、名前は分からん。
少し筋肉がついてて抱っこするのが下手。
中性的な見た目で、女装が似合いそうだ。
髪色は、青っぽいサファイアみたいな色。
目は、ガーネットみたいな赤色。
少し子供っぽい感じがする。
どう顔なのだろう。
故に年齢は、15ぐらいに見えてしまう。
なんか耳がよこに長い気がする。
それにしても不思議だ夢だというのに、現実感が強い。
匂いも感じ取れる。
俺は、この夢の中どこまで成長できるのだろうか。
もう母親の授乳プレイは、飽きたのだが。
まぁ、焦ることはない。
どうせ時間ならたくさんある。
現実に戻ってもなにもないのだ。
いられるだけこの世界にいよう。
夢のなかぐらい幸せになろう。
そして6ヶ月ぐらいがたった。
ハイハイができ。
少し言葉も理解してきた。
離乳食も始まった。
まぁここまでは普通だな。
ただ一つ違うのは俺にもしっぽが生えていた、
いや母親がはえてるなら、俺にもはえるのは当たり前か。
なんだったら動かせる。
ただこいつが凄い便利というわけでもない。
ただゆらゆらと動く、くねくねしたり
撫でることしかできない。
しかもドアに挟まって、痛い目をみそうとか嫌なことなほうが、頭に浮かぶ。
しっぽ、ちょんぱとかしゃれにならん。
種族は、なんなんだこれ。
だが、案の定ことは起きてしまった
そしてこれは夢ではないという事実にもなった。
季節は真冬。
8ヶ月ぐらいだろうか
暖房のおかげでかなり温かく過ごせていた。
暖房は薪をいれ燃やすタイプだ。
いつも通りハイハイしながら歩いていた。
今日は書斎にきた。ここが、空いてるのは凄く珍しい、この部屋は常に鍵がかかっており、開いていることなんてなかった。
物珍しさに、つい行ってしまった。
これのおかげだ。これのおかげでしっぽの不便さと弱点、夢ではないことが同時にわかった。
いつも通り壁に手を当て歩いていた。
しっぽを器用につかい三本足みたいに壁をつたっていた。
頭上真上の壁には剣らしきものが二本クロスして飾られている。
見上げているとしっぽがふにゃっとなり体制がくずれ書斎に、頭をぶつけた。
ぶつけたまではいい。
少し痛いだけだったのだから。
問題はここからだ。
ぶつけた拍子にたくさんの紙をストッパーしていた。文鎮みたいな錘がずれ。
紙と一緒に、崩れてきた。そのまま文鎮は紙を滑って、壁にぶち当たり。
頭上にあった剣が、軋みをあげた。
剣が降ってきた。一本その剣は書斎の椅子を切り地面に刺さる。
一本その剣は俺のしっぽを真っ二つにした。
瞬間血の気が引いた。
「あああぁぁぁンンううわぁぁぁあああンン」
しっぽから黒い血が止まらない。
今まで感じたことのない痛みと人生で出したことのない声がでた。
涙が止まらない嗚咽も今までで1番怖くて痛かった。こんなのは、小学生のころ前歯を机にぶつけて、折ったときぐらいだろう。それよりも圧倒的に痛かったと思う
母親が急いで飛んできたもう飛んできたというよりありとあらゆるものを破壊してワープしてきた感じだ。
扉の原型はなく固定していたとおもわれる金具だけが壁についていた。
その1秒後出産のときにいた緑髪の人が母親と同じぐらいの早さで、駆けつけてきた。
駆けつけてきたというよりもワープしてきたのほうが、ただしいのかもしれない。
緑髪の人がしっぽとしっぽをつなぎ合わせなにやら言った
「リプロダクション」
こぼれていた血が元にもどり、離れていたしっぽも無事繋がった。
ただ俺の泣き顔までは戻せなかったらしい。顔中鼻水と涙でなにもみえない。よだれもとまらない。
こんなのが夢のはずがない、あんな痛み夢で再現されたら寝ながら死んじゃうじゃないか。
あの詠唱といい再生といいパワーと言い。
ついに俺は気づいてしまった。
ここは異世界である。
しかし幸いか最悪か夢ではないここは、現実だ。