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17話 終わりの始まり

ちゃんと、生きて帰る。と言わせるまで、そこまで母様と父様の喧嘩は激しいのだろうか。


少し気持ちを落ち着かせるために、理想を考えてみた。


あの二人がそんな喧嘩をするわけない5年程だが、この目で見てきた俺が言うのだ。

したとしても、口論で収まるのは目に見える。

なにか予期せぬ事態が起きたのかもしれない。


「アトル、詳しく教えてくれませんか」

「はい、今から時は5日ほど前に龍族の長の娘が神に攫われました」


たしかこの世界では神とやらは、族ではなく魔物に近い存在。何故知恵がない魔物に攫うという選択肢がでたのか。


「アトル、それは魔物が人に襲われるものと違うのでしょうか」

「残念ながら、事がそこまで小さければよっかたのですが、まず殺された龍の娘これが魔物になら話は違っていたと、問題は龍の宿敵である神が攫ったというところです。これは、2000年前の続きなのかもしれません。」


2000年前の続き、


「それと、いまの現状となにが関係しているのでしょう」


「廻る七の会合とは何かを覚えていますか」

「近状報告と交流です」

そうだ7歳になれば行く予定だった会合だ。


「ゼヌニム様から聞いた情報では、神との戦争に参加する族長を集めるためと言っていました」

「龍の長は覚悟を決めたのだとこの戦争に終幕をと」


なんで、今なんだ。やっと、これからだと思ったのに神とやらはいつも勝手に与え奪ってくる。

それなら初めから与えてなんて欲しくなかった。


「母様は、何故行ったのですか」

「龍族が負けたらどうなると思いますか」


そんなのもう神の勝ちで終わりじゃないか


「終わりです」

「そうです。私達も終わりです」

「神が食い止められていたのは龍族がいたからです。それを止めれなくなったらこの世界はおしまいです。」

「アトル私にできることはありますか」

なら俺だって戦う。なにもせずに奪われるなんてごめんだ。

「残念ながら魔王様の命令です。守れと命を変えてもと」


「なんで、」


分かっている。俺だって同じ気持ちだ、


「いえ、分かりました」

本当は今すぐにも駆け出して会いに行きたい。


「ご主人様は強いから大丈夫にゃ」

少しだけだが安心してしまった。

そうだ勇者パーティーは強いのだ。


「そうですね、ニアの言う通りです」


でも、俺はこれでいいのか。

なにもせずにただ待つだけなのだろうか。



廻る七の会合

集まったのは、

龍族の長 スペクトル

天翼族の長 メティス

人族 プトレマイオス

魔族 ゼヌニム

獣族 モノセロス

長耳族の長 アルサーフィー

妖精族の長 アルラキス

の七人


外にも他の種族達が集まっていた。

多くは龍族の者だが。

その中に勇者とコルネも待っていた。


「では定例より早いが廻る七の会合を始める。このような形になって申し訳ないと思う」


1番先に口を開いたのは、この龍族の長、エリニュエス・スペクトル、黒の髪と鋭い目が特徴の男だ。

言葉とは裏腹に生えている尻尾は地面を力強く叩いていた。


「まずはお悔やみ申し上げよう」


一番先に口を開いたのは長耳族の長、アルルバ・アルサーフィー、髪は青色をしており整った顔をしている女だ。


「戦うのは絶対だろ」


獣族の長、ハービック・モノセロス、

茶色の髪と猫目が特徴的で1番筋肉がついている男だ。


「いつかくるという戦が今日来たというだけです。

準備は整ってあります」


天翼族の長、ティエンティー・メティス

白色の羽と金髪で童顔が特徴な女だ。


「まだ死んだとは確定してないだろアルサーフィー」


人族の長、リキュオス・プトレマイオス

歳は30ぐらい、目と髪は茶色の男。


「まぁ、余裕で手伝ってあげる」


妖精族の長、アルラキス・アルラキス、

大きさは30cmぐらい、金髪のロングヘアーの女だ。


「そこだけは同感だなアルラキス」


魔族の長、アスタルト・ゼヌニム

魔王である。


「此度、最後の戦に名乗りをあげてくれて感謝する」

「敵の数は5のみだが、非常に強力だ」

「こころして戦うように」

今日のところは、解散となった。



「本当に戦うの、魔王ちゃん」

「分からぬ」

ただ何故殺さずに龍の娘を攫ったのか。

何故、今なのか。

「そもそも本当に戦うのかは怪しい」

「今回の事件は色々変だ」



そんな変な事件さらに、おかしなことが起きようとしていた。

7人集まったことを見越してたのか、はたまた自分の目で確認したのか。


後日、二度目の集まりの時、


水の神が現れた、龍の娘を連れて。


水の神は太陽の光を反射した海のような髪色をしていた。


たまにきらきら光っている長い髪が揺れながら言った、


「毎度火の神、風の神がお騒が」


魔族の長は2本の剣を抜き、獣族の長は四足の構えに入り戦闘態勢を整えた。

龍の長は娘を見て安心と同時に強い怒りがでてきた。

「なにが、したいんだ」

「さっさと目的のみ簡潔に」



「この世界の神が1人亡くなられました」

「慣習に基づき、廻る七の会合から新たな神を選定させて頂きます」


「慣習など聞かされておらん」


水の神は残りの四人を恨んだ、めんどくさいことになったではないかと。

もうあの火と風の二人分の席もここで選び交換したいぐらいだと、


「めんどうになってきました、これで確認してください」


初代龍の長の鱗を見せた。


「なんで、初代の鱗をもっている」

「え、あのじじい言ってないのですか」


なにが鱗をみせればわかるじゃ、だ

何も伝わっていないでないですか。


「それと選定については長のみ他言無用、長以外が知れば死にます」


もちろんそんなの嘘だ、死にはしない。

誰かに知れ渡らないように対策をしただけだ。


七人は信じてしまった。

圧倒的異物の前ではそう思うしかなかった、


「何か皆さん勘違いしてらっしゃるので話す時間をください」


殺気を消し、

六人は龍族の長の顔を見た。


「分かった。先ほどの無礼を詫びようすまなかった」

娘が無事戻ってきて、安心したのだろう

少し聞く気になったようだ


「いえ、馬鹿な三神のせいなので」

「では簡単に」


「今回の事件は火の神のせいです。他、神の総意ではないことをここに伝えます」


本当にめんどくさいことをしましたね


「あいつが、攫ったら1人来てそいつを神にすればいいとか腑抜けたことを現実にしたせいです」

「誠に申し訳ございません」


後で海に沈めましょうかね火の神。


「事の発展は分かった」

まだなぜ初代の鱗を持っているのか。なぜ初代をじじい呼びしたのか。疑問は沢山あるが。


「廻る七の会合はもともと私達が死んだ時の代理を選ぶための会合だったのですが」

「長い月日のせいで変わってしまったようですね」


何千年も経てば変わってしまいますよね。


「毎回、風の神が話に自分が行ってくると言って喧嘩だけして帰ってくるので話が進まなかったのでしょう」


「あいつか、」

「毎回毎回、私の話を聞けと言いながら飛んでる頭のおかしなやつか」


なんですか、それきしょくわる。

水の神はあきれてしまった。


「そんなことしてたのですか」

「あぁ、」

聞かなかったら風魔法を撃ってくる面倒なやつだ。

家を建て直すのがどれだけ面倒か。


「初めからお前達が来ればこんなことにはならなかったのでは」

「はい、そこは反省しております」

「事情はありますが言えません」

「新しい神のみ伝えます」


「新しい神として魔族の長を選定させて頂きます」

「理由は控えさせてください」


ふざけるな。

「待て、我はやりたくない。まだ子供とやることがある」

「子供が死んでもよろしいのですか」


何を急に言いだす。いっそ今殺してしまうか。


「そんなに殺気をだだ漏れにしないでください。波が揺らつくでしょう」


波?なんのことを言っている。

本当に斬りつけてやろうか。


「なぜ我なんだ」

「今この場で言えるのは1番魔力が高いですからね」


「少し考える時間をくれ」



「では1週間後」




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