16話 最悪な道筋
5日程がたった。
母様達との楽しい時間も終わり。
先程、別れもすませた。
ただ3ヶ月すれば、家に帰るのだが、
それと族秘技について少し分かったことがある。
ニアのように詠唱を挟んで撃つタイプの族秘技、
勇者のように常時発動タイプの族秘技、
母様や俺のような名を言うだけで発動する族秘技があるようだ。
新しい、能力も手に入れられたのだ。
そろそろ打倒勇者といこうではないか。
七の全権の魔力付与を使い、土の爆弾を作ろうと思う。
岩の魔法で出した丸い岩に、火の魔法を付与するとこの岩、熱を持つ。
この岩が割れるとどうなると思う。
割れたところから付与した火の魔法が溢れ出してくるのだ。
これを使い火あぶりにしていく。
ただ、常時発動の族秘技によって馬鹿ほど魔法の耐性が高いのであまり効き目はないかもしれない。
多分物理も高い。
それと地面には踏めば岩魔法の槍がでてくるような
土の爆弾をフィールドにしかけておいた。
これで勇者の勇者もひとたまりがないだろう。
ニアが踏まないようにニアにだけ作戦を少し伝えた。
念入りに勇者には言うなと言っておいたので、勇者は知らないはずだ。
それと岩魔法で手にはまるような鉤爪をつくり、魔法を付与していく、ただ左手だけだが。
鉤爪には雷魔法を付与している。
上手く勇者の肉に刺さってライトエレクトリックをかませれたら嬉しい。
片手は剣を、持つためでもあるが付与する物体が小さいと魔法の威力も落ちるのだ。
木刀には氷の魔法を付与している。
今のところ勇者に1番効いていそうな魔法をメインにつけたつもりだ。
それと移動面
靴には風魔法を付与した。
移動というよりも初動で間合いを詰めるための一発だけのつもりだ。
簡単な作戦はこうだ。
まず、頑張って勇者を岩魔法を踏ませ、槍を出し勇者の勇者を潰す。
これで上手く行けば詠唱でフロストノヴァで足を固定
岩の爆弾を投げ、燃やす。
後は爪を刺し、ライトエレクトリックを撃つか。
この氷の魔剣で、切り裂くかの2択だ。
いつも通り、剣術の練習をして、
模擬戦がスタートした。
「勇者、今日こそ倒します」
「うん、頑張ってね」
いつも通り余裕そうだ。
そんな清まし顔も今の間だけだがな。
内心笑みを浮かべていた。
相手が、動かない時必ず勇者は動く。
それを分かっていたので、
足元にたくさんしかけさせてもらったのだ。
そこだけ少し土が盛り上がっていて分かりやすくしてるが。
絶対に自分が埋めたところ分からなくなるかね。
「こないのかい、では僕から行くよ」
勇者は踏んだ、岩魔法を
槍が、でてくるが。
華麗に避けていく。
「なんで避けれてるの」
「踏んだら出てきたから蹴ってるんだよ」
身体能力が違いすぎて嫌になってくる。
もう作戦の意味はほとんどなくなったので、
「フロストノヴァ」
とりあえずあたり一面を氷の世界にして、
勇者の足元を固定、
そこから火の魔法を付与した岩を投げつける。
「それもなにかあるね」
感が鋭い嫌な男だ。
だが望み通り木刀で斬ってくれた。
勇者は、余裕そうに立っていた。
服は燃えて上裸になっていたが。
「僕の、服が燃えてしまったではないか」
「ごめんなさい」
「まぁ、いいよ」
少し残念そうだ。お気に入りだったのか。
悪い気がしてきた。
後でちゃんと謝ろう。
そこから靴の風魔法で一気に近づく。
勇者は即座に防御にでた。
氷の魔剣で斬りつける。
魔力の半分を注いで、勇者が氷漬けになった。
「やったか」
瞬間氷が砕けた。
フィジカルで砕いたのだこの勇者。
化け物である。
「おしいね」
最後の頼みづな。
少し出血が見られる場所を見つけた。
剣で斬りつけた場所だろう。
そこに鉤爪を刺し、
魔力を流す。
ライトエレクトリックが勇者に流れる、前は皮膚の上今回は、中だ。
「ふぅ、僕が族秘技持ちじゃなかったら今ので三回は死んでたよ」
木刀でまた吹き飛ばされる。
最近は飛ばされすぎて受け身が上手くなってきた。
また魔剣を使い攻撃しようとすると、
「合格だ」
「模擬戦はだけどね」
「後で翼転一刀流の秘技を教えよう二人とも」
やっと勝てたらしい、勝ち星を上げれた気がしない。
ニアはもともと合格はしているっぽい。
いつ合格したんだ。
秘技 二刀一太刀
2本の武器を使い攻撃する。
1本は防御を1本は攻撃をする。
そんな感じらしい。
さらに3ヶ月がたち勇者との修行も終わりを迎えようとしていた。
「寂しくなるにゃ」
「私も」
その尻尾やら耳やら凄く恋しくなりそうだ。
ほぼ毎日のように堪能していた俺からしたらもう欠かせない物になっていた。
「今度門出を祝って街でご飯でも食べに行こう」
「ありがとうございます」
「肉にゃ」
こいつここでも肉か。
お祝いもして、楽しい時間が過ぎて2日が経とうとしていた、
「あれ、そろそろお迎えの時期だよねリリス」
「はい、そうです」
なかなか迎えが来なかった。
「父様も母様も今、忙しいのかもしれません」
「それはあるかもね、まぁ後2週間もしてこなかったら様子を見に行ってみようか」
「はい」
最近、人族との会合とかもありいろいろ忙しいのかもと思っていた。
「なかなか来ませんね」
「来ないにゃ」
本当に2週間が経とうとしていた。
「馬車が見えてきたにゃ」
「アトルとお姉さん」
二人とも蒼白な顔をして迎えにきた。
父様と母様は何をしたのだろうか。
家で.痴話喧嘩でもして城を破壊したのではと思っていた。最悪なことに半分あたりだった。
「勇者も来てくれ、助けてくれ」
「えっ、どういうことだいコルネ」
勇者もただごと、ではないことは理解できた。
「時間が、おしいの」
「二人は、アトルっていう人に見てもらう予定だから速くいくよ」
いつも以上にお姉さんは焦っていた。
「ごめんね、リリスちゃん、ニアちゃん」
「詳しくはアトルに聞いてね」
「少し勇者借りていくよ」
「ちゃんと生きて帰るから」
不穏なことを行って出て行った。
これが事の始まりである。
この世界も変わらなかった、