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11話 初めての喧嘩

お昼ぐらいだろうか。

俺は初めてこの世界で本気で切れた。


「ダート、ニャ」

俺はニアの魔術でドロをかけられた。


「ニアちゃん、なにしてくれてるのかなぁ」


前世ではお世辞でもいいみてくれではなかったのだが、この世界にきて、母様の良い顔と父様の良い顔を持った俺はかなり服装に気を使うようになっていた。

しかも、この服は母様が、出かける前にくれたお気に入りの一着、赤が特徴のワンピース。

今は無残にも茶色1色だがな、

絶対にただでは許さない、この猫畜生が、


「ウォーターボール」

魔力をこめ、顔にかかるように、

「ウインド」

寒さに震えて泣け、

泣きたいのは俺だが、


これが始まりの合図となった。

「許さない、どっちが上かはっきりさせるニャ」

「はぁ。私が、もちろん上だが、猫畜生」

思わず心の声を漏らしてしまった。


あれ、勇者止めにこないの、

何でニコニコして見てるの止めてよ。


ごめんね。リリスちゃん、こうじゃないとニアは本気の仲間とは思えないんだ。一方的になったら止めに入るから。


仲裁者が消えた今、ニアは本気を出すことにした。


爪をたて首を狙う。まん丸な瞳は細くなり、耳の可愛い毛が、今は逆立っていた。

「シャァ」

走ってきた。ただ、母様よりは遅い、

まだ見える。

「アイスクル」

すかさず、氷で短剣を作り、受け止める、

冷たい、手が痛い、岩魔法にしておけば良かった、

攻撃自体は軽い、致命傷にはならないだろう、少し安心した。

それと同時にどう対処するか悩んだ。

殴る、負ける気がする。

魔法、一方的になる。

剣を作る、怪我をさせる。


小さい氷魔法でチクチクダメージを与えていく作戦にした。

細く丸く目指すは楕円形

「アイスクル」

風魔法を使い加速度を上げる、ニアの肩にぶつかり怯んだ。

「クシャア」

可愛さが消えていた、目にはお前を絶対に狩るという意思さえ感じる。


「我ら常に一匹、むれる者を蹂躙し」

「力の保持を見せつける」


これはまずいと思い。

アイスクルを喉元を狙いうつ。

さっとニアは避けた。

本気を出してきた。


「この牙は折れることを知らない」

「この爪は止まることを知らない」


「アイスクル」

だめだ。

アイスクルを顔に当てたが止まる気がしない。

ニアは四足に体勢を変えた。

やばいと思い急いで右手に魔力を込める。

水をどんどんためていく。


どこの誰とも知らない魔族のメスが、私のオスは渡さない。


「獣秘技、四足幻獣」

瞬間、電気を体にまとい四足で突っ込んできた。


だが、もう遅い、俺は準備万端だ、


「フロストノヴァ」


瞬間足元全域に氷が張られ、目の前には大きな氷の固まりができていた。

だと言うのに、それでもニアは突っ込んできた。

ニアは四足幻獣で氷魔法を潰し、目の前まできた。

だがその体には雷はまとわれておらず、素のままだった、


「うぉおおお」

雄叫びとともに右手がでる。

ニアも叫んだ。

右手は氷をつぶして使えず、後は左手のみ。

ニアは、爪をたて渾身の一撃で顔を、狙った

「キシャァァァ」


だが俺の方が先に、

ニアの頬に拳を入れた。

そのまま、ぶっ飛んだ。

と同時に俺はやってしまったと思った。


ニアは、泣いていた。

「負けたのニャ、主はお前の物ニャァァァ」

「ウニャァァ、ニャァァァ」


泣き叫んでいた。

そうか勇者が親みたいな関係だったのだろう。

それを、そうか守ろうと。


「ニア、私はそんなことしない」

「勇者はいらない」


僕はいらないって、なんか少し傷つく。


「そうなの」

この時の私は、このメスは私の、オスを奪うと何故か思っていた。

今はそんなこと思わにゃいが、


「ニア、リリスのことを仲間と認めてくれるかい」

「主、私は負けただから、認めるしかにゃい」

私は負けてしまった、すっごく辛い、主に良いとこを見せたかったのに、そう思うとまた涙が。


「ニャァァァ、負けたニャァァァ」

「ニア、これから2人で強くなっていこう」

「ニャァァァ」


勇者は少したったあと傷を回復魔法で治してくれた。


夕飯時、

ご飯を食べながら聞いてみた。

「なんで止めなかったの」

本当に止めてほしかった。なにニコニコしながら見てんだよ。

「獣族は強い者に服従する。だからあそこで立場を決めないといけなかった。リリスちゃんが勝ったとしても負けたとしても」

ニアもこの歳では相当強いはずなんだが、魔王の娘恐るべき、魔力で圧倒していた。ただ殴って終わらせたのは母親譲りだなとも思った。


「負けてたらどうしてたの」

「僕がこの群れの中で1番上だ。だからどうにして認めさせようと思っていた」


結局は、もしかしたらじゃねぇか、

どうする予定だったんだ本当に、


「まぁ、良かった、君が本気にならなくて」

「えっ、」


「ニアが、まるまる氷漬けとかになったら冗談にならないからな」


そんなことしねぇよ、どんな野郎だ。そんなことするやつ


「するわけないじゃないですか、」

「君の母さんはしていたよ」


わ〜お、母様すっごぉい


「はは、」


思わず笑ってしまった。

苦笑だが、


「ニア野菜も食べなさい」

「嫌、肉、魚、」

「口を開けて、ほら、あ〜ん」

食べさせたら嫌々食べていた

一口食べるたびにグニャとか言っていた。

癖になる、


それから一時間ほどたち


「ニアとお風呂に浸かってきなさい」

この勇者邸お風呂があるのか、いつも、魔法でお湯を出してシャワーみたいにしていたのに。

ここ一生住める。

「お風呂は嫌ニャ」

「行きますよニア」


ニアと風呂場に行った。

素材は石で出来ていたみたいだった。

岩魔法で作られているのだろうか。


「むっ、ニアは胸が大きいね」

「リリスはそんなに大きくない」

「ウォーターボール」

あっ、避けた

「なにするにゃ」

「本当のことにゃ現実は残酷にゃ」

母様は大きいから俺にも未来はある、

「私にも未来はある」


その後ニアの頭を洗ってあげた。

「うにゃ、うにゃ」

擦るたび、眠たそうな声を上げていた。


そういえば昔こんな風に妹の頭を洗ったっけ。

ふとそんなことを思い出した。

あっちで元気にしてるかな。

俺が消えて困っていないかな。

とか思ったが、ニートの俺が消えても困るやつはいない。

一人友人がいたが、いつか俺のことを忘れてくれるだろう。


「では流していくね。目をつぶって上をむいて」

「ニヤァァァァァ」

「なに言ってるの」 

「音が反響するのを楽しんでる」


まぁ、洞窟とか山とかで確かにしたくはなるが。


お風呂からでて、

風魔法で髪を乾かしていた。

ニアが乾かさずに出ようとしたので止めた


「ニア、乾かしましょう」

「ニャ、」

風魔法とともにニャァァァと言っていた。

なんだろう凄く騒がしい。


そして就寝

「ニアは勇者の奥さんになりたいの」

「わかんにゃい、でも強い人がいいにゃ」

「リリスでもいいにゃよ」

「ふざけたこと言わない」

俺がこの世界でも男なら全然よかった、

あれ、でも母様、アトルとやってたよな。

これ全然いけるくないか。

もう少し大きくなってから考えることにした。


本気なのにと、ニアは思っていた。

そのまま何事もなく夜はすぎていった。

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