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10話 師匠は勇者。


産まれてから5年が過ぎた、短かくも長いものだ。

特に産まれたから5年程経ったからといい、なにかをするわけではない。

魔族では誕生日を祝うのは毎年ではなく10年に一度なので、もう半分生きるまでお祝いはお預けだ。


ただ、5年がたったということは、父様の知り合いに会いにいくということでもある。


「リリス、少し話がある」

「何でしょうか」

「お前に会わせたい人がいる」

「勇者ですね」

「よく覚えていたな」

そりゃもう、あんな話を聞いて忘れるわけ、ないじゃないですか。やだぁ、

「はい、印象深かったので」

「なら話は早い」

「勇者の元で剣を学べ」

「母様やアトルの元ではダメなのですか」

「剣1本で2人が勇者に勝てるビジョンが見えないからな、後人族がどんななのか知って欲しい」


リリスには人族を知ってもらいたい。ここで魔族だからと、人族を嫌うようにはならないでほしかった。


「行きは着いていくし、帰りは迎えにいく」

「少し長い暮らしになるだろう」

「半年ほど頑張ってみないか」


ちょうど良い機会だと思った、剣術に限界が見えてきていた。

勇者直々に教えてもらうのはこちらこそ叶ったり願ったりだ。


「分かりました。頑張ってみます」


「最近忙しくてな、ゼヌニムもそろそろ現場に戻らないといけない」

「軍のですか」

一応この国王なのだ。

あの母様は。

「そうだな、まぁ、でもすぐに終わらせると言ってたから、すぐに終わると思うけど」


圧倒的信頼がそこには見えた、

同感ではあるが、龍族にも引けを取らない母様が村のクーデターごときに負けるわけがないのだ。

まぁ、聞いた話だけではあるが、


「なんだ我の話か」

「母様、勇者のところに行って来ます」

「そうかそんな時期か」


早いな大きくなるのが、まだあんな小さい時を今でも思いだせるよ。私は。


「我もあいつと話をしなければ、いけないらしいからな」

「仕事が片付きしだい3人で向かう」

「はい、楽しみに待っています」

それから準備をし、馬車に乗った

門近くで母様とアトルが、お見送りをしてくれた

「ではすぐにまた会おう」

「御息女様お気をつけて」


「はい、またすぐに母様、アトル」

大きく手を振った


「行ってしまいましたね」

「あぁ、」

「よし、久々にアトルよ、やろう」

「しょうがないですねゼヌニム様は」

今日も二人は、いつも通りであった。


道中はコルネが護衛に入っていた。

「絶対に魔王ちゃんは、連れて行きますからね」

「今忙しから、また今度なゼヌニム連れて行くの」

コルネはほっぺを凄く膨らまさせていた。

「はぁ、仕方ないです、また次の機会に」


特に魔物やら盗賊やらが襲いにくることなく道中安全に行くことができた、

時間にしてみれば8時間ぐらいだろうか、お昼ぐらいには勇者宅に着いていた。 


「護衛に私入りましたかね、」

「念の為だ」


「やぁ、久しぶり二人ともまったく変わらないね」

薄い茶髪の外国の美男子みたいなやつがでてきた。


それと後ろには小さな…


うおおおお、獣人だ、


俺と同い年か少し上ぐらいだろうか。

茶トラの獣耳がピコピコ耳を動かしている。

もう可愛いくて語彙力がなくなってきた。

そもそも俺は人外大好きな人間だ。

あんなモフモフした生き物最高だなおい。


「お前それ、獣人の子供、お前の娘か、」

「馬鹿をいうな、お前はよく知っているだろう僕のことを」

「いや、そうだな」


前に会ったとき少なくとも半年ほど前だ。

しかも勇者はかたくなに伴侶をもとうとしない。

いや、人族にあまり興味がないとか言ってたな。

むしろ他種族のほうが見た目的には好きとも。


「お前まさか、その娘を伴侶に」

「しねぇよ、馬鹿か、」

「いや、可愛いけど違うベクトルというかそれをすると犯罪者になるからな、」


「家族じゃないの」

耳が垂れている


「いや、ちが、そうじゃなくてね」

「大事な家族だとも当たり前だ」

堂々と言い切った、うん、これでいいんだ。


「おぉ、」

二人揃って間抜けな声を上げていた


「そっちのお嬢様はきっと魔王のやつとお前の娘だろう」

「もちろんそうだ。かなりかわいいからな。手を出したら殺すからな」

「しないよ。本当にさぁ、心外だね」


「父様と勇者さん凄く仲よさそうだね」

「昔からの馴染みらしいよ、本人達は腐れ縁とか言ってるけど照れ隠しだね」

「違うよ」

「ちげぇよ」


「まぁ、初めましてお嬢様、僕の名前はリュキオス・アルナイルだ。お名前を教えてくれるかな」

「初めまして、アスタルト・リリスです」

「良かったらこの子とも、仲良くしてやってくれ」

「もちろんです」


当たり前だ。この子に害なす存在がいればそれが例え神でも龍でもどんと来いだ。


「後は頼んだ」

「もう行くのかい、」

「今度ゼヌニムも連れてくるその時にゆっくり話そうぜ」

「そうだな。そうしようか」

「コルネはどうするんだい」

「私も魔王ちゃんの領土のとこに宿予約してるから戻らないと」

「あと無理にでも連れてくるからね」

「はは、ほどほどにしなよ」

「楽しみに待っておく」


「リリス、ここでの生活頑張るんだぞ、」

「また、すぐ会おうね、リリスちゃん」

「父様、お姉ちゃんまたすぐに会いましょう」


大きく手を振って見送りをした。


「ではなにから、していこうかな」

「今日は自己紹介だけして明日から剣を、教えようと思うけどいいかい」

 「はい」

もちろんだ。もう8時間も座っていて疲れたよ

「リュキオス・アルナイルだ。僕としては師としてではなく普通に接してくれたらうれしいよ」

「できる限りそう、接するように努力します」

目と髪は茶色。勇者は美青年という感じのやつだった。

腰には一本の剣を収めていた。


こういう奴こそ信じられないのだが、父様とお姉ちゃんそれに母様が信じた仲間だから、俺も信じないといけないと思ってしまった。


「この娘はそうだな」

「お名前言ってみてごらん」

勇者が、爽やかな顔て言った。

「にゃ、ニア、よろしく」


「お前、1番下」

前言撤回、俺が害なすものになるかも。

あ、やばい水かけたくなってきた。

こりゃ戦が起きますわ。


勇者もこれには爽やかフェイスも崩れてしまった。


「ニア、ここでは皆同じだ」

「僕はその行為許せないよ」

「うっ、ごめんにゃ」

「大丈夫です。気にしないでください」


けどいつか水ぶっかけて上下わからせてやる。


「ごめんなリリスちゃん」

「主が謝る必要にゃい」

勇者は困った顔を、していた。


こんな感じで初日は終わった。


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