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ほのぼの異世界旅  作者: ねむねむしぐれ
一章 魔王討伐の旅
8/15

7 魔王討伐の旅に向けて

10時投稿になってしまい申し訳ございません。9時までに書ききれませんでした。

最近睡眠時間が足りずぼーっとしているので、誤字とかあったら報告お願いします。

「のーぼーせーたぁー」


 浴衣に着替え、部屋に戻ってきた俺たちは、用意されていたお茶菓子と共にお茶を嗜んでいた。

 お茶の匂いと温かさは、心の底を満たしてくれる。日本人だからか、お茶って落ち着くんだよね。

 和洋折衷な部屋で、広めな和室と洋室が一部屋にあった。内装は異世界でも大差ないんだな。

 ぐでーっと膝丈の机に突っ伏した。


「確かに、なんやかんやでリリーずっと温泉に浸ってたよね」

「誰の所為だ、策士めぇ」


 顔のみを上げ、じとぉーっと、とてつもない蔑視を送る。肩こりだの何だのに効くと言われたから入ったのに、副作用で筋肉痛がくるなど、大変だった。

 イレイヴがぴんとしている理由は唯一つ。温泉に浸かっていないからだ。

 浴衣の褄下を気にしながらも、座布団から足を投げ出す。


「変な温泉ばっかりで大変だったんだよ!」

「うん、楽しかった」

「外道g...って、いたた...筋肉痛が残ってる」

「マッサージしてあげよっか?」

「お願いー」


 イレイヴにも人の心はあったらしい。獲物を見る目で俺を見ているが。

 畳にうつ伏せになると、イレイヴは早速マッサージに取り掛かってくれる。

 い草の匂いと手から伝わる体温で、とてもリラックスした状態になる。


「んぐぅ、あ、そこそこ。僧帽筋あたりが固まってて...」

「いや、僧帽筋って何処?」

「首筋から背中の中央にかけて伸びてる筋肉」

「そうなんだー」


 イレイヴ、マッサージ上手いなぁ。いい感じに筋肉もほぐれてきて、眠気が...


「すぴー」

「あ、寝た」


 寝てはいない、頭は起きているのだ。だが、身体が制御できなくなってしまった。身体だけ眠ってしまったのだろうか。


「これは、チャンス...」


 ちょっと待った、チャンスってなんだチャンスって。


「失礼しまーす」


――むにっ


 あーこいつ、俺の胸を揉みやがった!感覚はないけど、多分そう。


「や、柔らかい...私のなんて、全身どこでも変わらないのに」


 ...自滅してる。何やってんだか。

 というか、そろそろ起きてもらわないと困る。俺の身体ー、起きろー!


「んぁ、あ、イレイヴ!私の胸揉んだでしょ!」

「き、気の所為じゃない?」

「気の所為じゃないよっ!」


 とぼけるな。まあ俺も男だし、そんなにケチじゃないぞ。

 俺は、ばっと両手を広げると、胸を曝け出した。


「?」

「...さ、さわるくらいなら良いよ」

「きゃー!ありがとー」


 こら、抱きつくな。これは唯のなさけだからな!


「胸のない私も、成長しますように...」

「イレイヴさん?何処触ってるんですか?」


 イレイヴの上に乗るように座らされた俺は、お腹辺りを探るように押されていた。抱きつかれるような形になっていて、恋人みたいだ。あと、なんか手付きがえっちだ。


「開発しようかなと」

「今 す ぐ 止 め な さ い 」

「ちぇっ」


 とんでもない娘だ。何処で覚えたんだよそんなこと。

 もしかして、そっち系の人...?

 今夜、食べられる!?


「イレイヴ、言っておくけど、夜這いはなしだよ?」

「し、しないから!」


 本当かよ。タンスから布団を取り出すと、シーツを取り付けて床に敷く。


「私はもう寝るから。おやすみぃー」

「うん、おやすみ」


 こっちに来てから、まともに寝れるのは初めてかも知れないな。

 瞼を閉じると、自然に意識が遠のいて...



********************



 気がつくと、朝になっていた。


「おはよー」

「おはよ」


 平和な夜だった。開けた浴衣を直し、前髪を払う。


「...寝癖、大丈夫?」

「っくふ...リリー、結構立ってるよ」

「ええ、本当!?」


 パタパタと洗面室の鏡へ駆け寄り、覗き込むと。


「バケモノだ」


 髪がすごいことになっていて、ぱっと見はもじゃもじゃしたバケモノだ。

 あまり髪が長くなかったことが吉と出て、櫛で何とか元通りまで梳かすことができた。

 ...ちゃんと髪の手入れしなきゃな。


「準備できたら出発するよ。魔王を倒さなきゃ」

「えー、めんどくさい。もうちょっと観光していこうよ」

「ダメ。被害者だってだんだん増えてきていて...」

「大丈夫だって、裏側にいかなきゃ魔物もいないし、街は防御壁で囲われてるし」

「もう...」


 否定以外は肯定とみなします。荷物は殆ど無いので、何処か面白いところへレッツゴー。

 階段を駆け下りると、カウンターへ飛びついた。

 受付のお姉さんを呼ぶと、


「この街の観光スポットを教えてください」

「そうね、拮抗遺跡なんてどうかしら。数千年前、勇者と魔王が戦った地とされていて、魔王の攻撃によって朽ち果てたそうよ」

「そうなんですか。面白そうですね」


 もしかしたら、退治しろと言われている魔王の情報が得られる知れないし、単純に神殿とか、戦地とかは厨二心がくすぐられるんだよな。

 よし、今日は其処に行こう!

 荷造りが終わったのか、イレイヴが息せき切って走ってくると、とても肯定的な意見を述べた。


「はぁ、はぁ、良いんじゃない、其処。行って、みよう、か」

「やったー、決定!それじゃ早速行こう。場所は何処ですか?」

「少々お待ちください」


 受付のお姉さんは一度カウンターの奥の方へ消えると、一枚の地図を持って戻ってきた。

 その地図は20インチ程の面積を有していて、地形情報が細かく書き込まれていた。縮尺は5万分の1程度だろうか。道筋が的確に記されたその地図は、年季が入っているのだろうか、薄く黄ばんでいる。


「その地図を伝えば着きます。そして、こちらも持っていってください」


 そう言って手渡されたのは、水晶版のようなものだった。清い水のように碧く透き通っていて、濁りの一つすらもない。


「それは、表示石と言って、地図などのGISデータの表示や、魔物の換金履歴の管理、売値や買値の情報など、様々な用途で使用することができます」

「便利ですね」


 現代でいうところの、タブレット端末だろうか。唯一の違いは、重いこと。推定は1キロ程度だ。


「勇者様、魔王討伐の旅にお役立て下さい。私たちの命運は、貴女にかかっています」


 バレてたのか。マズイ、魔王そっちのけで観光しまくろうと思ってた。

 こうなったら、さっさと魔王倒しちゃって、のんびりとスローライフを送ろう...!


「お気遣いありがとうございます。機会があったら、また来ますね。あと...」

「どうしましたか?」

「お願いなんですけど、もうちょいまともな効能の温泉も用意していただけませんか」

「...善処します。ちぇっ、面白かったのに...」


 あんたもかい。この世界には変人しかいないのか。

 地図と端末を受け取ると、ショルダーバッグを肩にかけ、歩みを始めた。


「お世話になりました」

「ご利用ありがとうございました。またのご利用をお待ちしています」


 ドアに手を掛け、来客を知らせる鐘の音と共に、俺たちは旅に出る。

 この世界に混沌をもたらした(らしい)魔王を討伐する為に。

tx!:)

ありがとうございます(╹◡╹)

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