表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほのぼの異世界旅  作者: ねむねむしぐれ
一章 魔王討伐の旅
1/15

1 ダメニートな俺、女の子に転生する

TSっ娘にしかない可愛いさってものがあるじゃないですか。堕ちていく感じが好きです。

下手なので、挿絵は読み飛ばして下さい。

「ふあぁ...そろそろ寝るか」


 時計の針が丁度「2」を指したところで、俺、月代 藍はネトゲのグループから抜ける。

 俺は、二十歳を過ぎてもロクに外出せず、自室に引き籠もっている。その所為か、昼夜感覚は完全にバグり、いつしか一日が40時間程度のサイクルになってしまった。

 ふらふらと立ち上がると、足が痺れていたのか、思いっきりタンスの角に小指をぶつける。


「痛ってぇ!」


 制御の利かなくなった俺の体は、膝丈の机の縁に吸い込まれるように倒れる。そのまま、頭蓋を強打した。

 段々と視界が暗転し、最終的には何も見えなくなった。



********************



「此処は、何処だ?」


 俺が次に目を開けたのは、晴天が広がる、雲の上だった。

 よっこいせと腰を上げると、


「おお、目覚めたか」


 後ろからしゃがれた老人の声がした。何故こんなところに老人が居るんだ。と言ってしまえばブーメランが円軌道を描いて戻ってくるので、飲み込んでおく。


「あんた誰だよ、爺さん」

「お主もよく知る存在じゃ。神様といえば伝わるかの」


 いや、信じるわけないじゃないか。そもそも、何故俺がこんなところに居るんだ?


「お主は、頭蓋の強打によって死んだ」

「え、俺死んだん?」

「そう、お前、死んだ」


 は?え、マジで?

 下を見ると、足元が透けていた。てことは今の俺は幽霊...


「はぁ!?じゃあ俺、これからどうなるんだよ!買い溜めておいたギャルゲは!?」

「はじめに気にするのはそこか。まあ少年、よく聞け」


 先程まで優しそうだった老人(神様)は瞳をかっぴらくとものすごい形相で説教を始めた。例えるなら鬼だ、この顔面は。


「お前が前の人生でどれだけ人様に迷惑かけたのか分かってんのか?親の脛かじって元友人には返す気もないのに金を借りるわ、挙句の果てには酒に溺れて暴力を振るうわ。本当に人間の屑じゃねえか」

「...はい、ご尤もです」

「そんなお前に一度だけチャンスをやろう。異世界転生だ」


 異世界転生...絶対めんどくさいことに巻き込まれるじゃんヤダ。どうせ残酷な死に方でもするんだろ、そしてやり直すんだろ。そんなんアニメで何回も見てきたわ。


「そこで一つ、お主の願いを一つだけ聞き入れてやろう。なんでも言うが良い」

「この身体のまま、元世界とほぼほぼ同じ世界で養ってもらえるようにしてください」


 何か変なモンスターとかにされると嫌だし、働きたくもない!


「わし、お前のこときらいだから全部真逆の条件で送り届けてやろう」

「サイテーだこの爺」

「最高に優しいじゃろ」

「お前友達いないな?」


 華麗にスルーされたうえ、雲の上から突き落とされた。

 アニメとかでよく見る落ちてくるOP、実はめっちゃ風圧が強い。風で頭が吹き飛ぶかと思うほどには。

 しかも地面が近づいてくる恐怖。あの爺覚えていやがれ。

 極度の恐怖で、俺の意識は遠のいていった。



********************



 フカフカのベッドの上で目を覚ました。俺を看病(?)しているのは会ったこともないイケメンだ。

 病院のようには見えないし、このイケメンの私室なのだろう。

 外はまだ明るいはずだが、俺が心地よく眠れるようにカーテンを閉め、ランプの僅かな灯りだけを灯していた。

 こんなの、見知らぬ男にする待遇じゃないだろ。もしや、こいつそっち系の...なわけ無いか。


「んん...」


 あれ、声がおかしい。元から低いわけではなかったが、今は高すぎる。


「お嬢さん、お目覚めかな?」


 イケメンはふんわりと優しい笑みを浮かべると、お茶を渡してくれる。


「...え、お嬢さん?」


 一体、誰のことを言っているんだ?

 改めて自分の身体を確認する。布越しではわかりにくいが、触ってみると...ある。

 信じられないので、今度は股に触れる。こっちはない!俺の相棒がない!?

 これじゃあただの女の子じゃん!


「ふふ、面白い子ね」

「え?」


 表情がコロコロ変わる俺を見ていて楽しいのか、ニコッと笑顔をみせている。

 いやいやそれよりも、女口調?


「...君、もしかして、女の子?」

「そうだけど、逆に何に見えたわけ?」


 イケメン女子はツンとした表情で訪ね返す。


「イケメンだなぁと」

「それ、コンプレックスなんだけど!」


 あちゃあ、地雷踏んだかも。言われてみれば、可愛いかも...

 なんてことを考えていると、その少女は俺の鼻先にぴしっと指を突きつける。


「それより、貴女は誰なの?森の中ですやすや眠っているから小屋まで連れてきたけど」


 おお、気絶してたんだろうけど、眠っていたと思われている...

 そう言えばあの爺(神様)、俺の望みと真逆の条件で転生させるって言ってたな。

 「この身体のまま」は女の子になったわけだし、「元世界とほぼほぼ同じ世界で養ってもらえるように」の部分は明らかに違う世界で働けってことだな。最悪だ。


「因みにこの世界、怪物バケモノとか出る?」

「?出るよ、たくさん」


 終わったー!死ぬじゃんこれ。


「もしかして異世界人?」

「ナンノコトカナ」


 情緒不安定すぎてもはや心配されてるよ。


「まあいいわ。ちょっと討伐依頼があってね。さっと行ってくるから待ってて」


 あら、頼もしい。イケメンにも見えるから惚れそうだ。

 ま、あの爺が元の世界に戻してくれるとは思わないから...


「いってらっしゃいませ」


 年齢も15,6まで若返っているので、年相応の笑顔で送り出す。

 どうせならこの世界、楽しんでやろうじゃないか!



********************



「きゃ!」


 突然悲鳴が聞こえた。この声はあの少女のものだろう。


「大丈夫!?」


 閉まっていた扉を勢いよく開放する。

 微風がふわりと吹き付け、髪を靡かせる。

 その髪を、爽やかな日光が照らし、その白緑は美しく輝く。

 あれ、俺結構美少女?なんて言っている場合ではなく。

 俺の目には、刃物を持った見知らぬ男が、それを突きつけて彼女を脅している光景が映った。


「止めて下さい。私は貴方と金輪際関わる気がありませんので」

「そう言わずにさ、一度でいいから」


 いや、ナンパならちゃんと口解け?いい年して何やってんだよ。社会のお荷物の俺だってそんなことしなかったぞ(勇気がないだけ)。


「すみません、お取り込み中でしょうか?」

「ん?何だ小娘...おお、これは上玉だな」


 はい?なんだか獲物を見るような目で見られているような。って俺は同性愛者じゃねえんだよ!

 少しずつ近づいてくる男に怯え、


「お、俺、いや私!そういうのは、えっちなのはダメなので!」


 身を引き、胸の前でバツを作る。ひぇ、ナンパされる女の子って内心めっちゃ怖いんだろうな。


「優しくしてやるから...」

「無理ですお断りです結構です」


 絶対嫌だかんな!


「そう言わずに...」

「貴方、いい加減にしてもらえない?私たちは、貴方に興味すらないの!それが分かったらさっさと帰って」


 女の子なのにかっこいい。アリだな、この属性。

 ナンパ野郎はなかなかやばい目をしている。


「ふ、お前はもうどうでもいい」


 そう言って、あの少女に斬りかかる。

 まずい!

 異世界だろ、此処!何か使えないのか、俺?ああもう、どうにでもなれ!

 願ってみると、身体は自然と動く。

 周りの動きがコマ送りのように見える。そんな中で手を胸の前で組むと...


――ぴちゅーん


 な ん か で た 。

 レーザーみたいなのが出たのだ。SFチックな技だけど、世界観大丈夫か?


「うがっ」


 倒しちゃった。

 服の焦げる匂いが漂う。効果音の割に強いらしい。これって無双系の小説だっけ?

 これが「正反対」って、元の俺がどんなふうに見えていたのか問いただしたいところだな。格ゲーは世界レベルだったぞ俺。


「貴女、強いのね」

「わかんない」


 でも、この娘冒険者でしょ?俺より弱いわけなくね。


「――ギルドに行こう。稼げるわよ」

「うわぁお」


 あの爺のせいで本当に働くことになりそうなんだが。

 最悪だ...



拙い絵ですが、一応イメージとして描いてみたので

挿絵(By みてみん) 

主人公:月代藍(つきしろあい)

もう絵は載せません。描きません。


tx!:)

ありがとうございます(╹◡╹)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ