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赤い瘴気の世界より  作者: アガクロ
プロローグ
7/10

現れた魔剣

 ラージュはひたすら走る。

 どうしてリベリト村があんなことに?どうしてみんなが?

 勝手過ぎる。

 あんな勝手は許されない。

 俺は絶対に許せない。


 ラージュの中で同じような感情が渦巻いていた。


 こんな町出よう、俺はどうしたらいいのだろうか?リベリト村をあんなにした無責任な人達とは一緒にいれない。


 雨が降ってきた、ラージュはラファンの町の門に向かって走り出した。


 ラージュは町の門まで来た。

 門番も不思議に思ったのだろう。

「君、どうしたんだ?外には危険な魔物だっているんだ、おい待て‼」

 門番に声をかけられたラージュはその言葉を振り切って走り出した。


 その後からネイバーが現れ、門番に問う。

「ここで黒い髪の少年をみなかったか?」

 門番もネイバーに問う。

「さっき飛び出して行った、連れか?」

「ああ」

 ネイバーはそう言ってラージュを追いかけた。


 ラージュは一人道を歩く、目に涙をためて。

 そんな時、木陰から物音がした。

「うぉおおおおん」

 獣の鳴き声、ラージュはハッとして止まる。

 剣はリーシアに投げつけたため今は持っていない。

「俺もここで終わりか」

 ラージュが膝をつく。


 ラージュの周りに5匹ほど赤い目をした魔物化している熊が現れた。

 ラージュの周りをグルグルと周りながら、ゆっくりとラージュに間合いを詰めていく。


「ラージュしっかりするんだ‼」

 そこへネイバーがかけつけて言った。

 だが、ラージュは全く動こうとしない。

「ラージュ、ラージュ‼」


 熊の魔物2頭がネイバーに注意を向けた。

 ネイバーに向かっていく。


 ネイバーはそんな魔物の攻撃を受け流し、まずは一頭、だが3頭の熊の魔物はラージュの目前に迫っていた。


 ラージュは熊の魔物の吐息を目の前で感じた。

 もう俺は終わるんだろうか?

 もう仕方ないんだ……終わる。

 だが次の瞬間、ラージュは言い知れぬ憎悪と赤い光に包まれた。


 ネイバーはここへ着いた瞬間から嫌な予感はしていた。だがラージュが赤い光を発した瞬間にもう決定的な物となった。

 やはりラージュには魔剣が宿っている。そして今、もう一度暴走しかけている。


 目の前の熊の魔物は、ラージュの放った瘴気の波動に砕け散った。


 ネイバーは回避のため、風のエレメントを使い後ろに驚異的な距離を跳躍した。


「ラージュ、しっかりするんだ‼」

 ネイバーがラージュに向かって叫ぶ。

 ネイバーがラージュをもう一度目視した時、彼の片手には真っ黒な剣が握られ、その周囲からは、赤い禍々しい瘴気の光が発せられていた。


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