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赤い瘴気の世界より  作者: アガクロ
プロローグ
5/10

ラファンの町

 ラージュは宿のベットから起き上がった。

 3日間、野宿で過ごし、ラファンの町に着いた直後3人はベットに倒れこんだのだ。

 こらから俺はどうしたらいいのだろう?

 ラージュはそんなことを考えていた。


「起きたか」

 ネイバーが窓の外を眺めながらラージュに話しかけてきた。

「おはようネイバーさん」

 グゥゥっとラージュの腹が鳴った。

「腹が減ってるのか?なら腹ごしらえが先決だな」

 恥ずかしがるラージュに対してネイバーは少し笑いながらそう言った。


 宿の食堂でラージュとネイバーはリーシアに合流した。

「おはよう、リーシアさん」

「おはようございますリーシア様」

 ラージュとネイバーがリーシアに挨拶する。

「ラージュ、ネイバーおはようございます」

 リーシアがそう二人に挨拶した。


「ラージュ、何が食べたいんだ?」

 ネイバーがラージュにそう聞き、メニューをラージュに見せてきた、が。

「これは何なんですか?」

 ラージュはキョトンとした顔で言った。

「どうしたんですか?」

 リーシアが不思議そうにラージュに問う。

「文字か……」ネイバーが悟ったようにそう言った。

「文字、村長から聞いたことはあったんですが、俺読めないんですよ」

 ラージュは二人に打ち明ける。

「まぁそうか、確かに文字を読めない村民は多いからな」ネイバーはそう言ってうなずき。

「ラージュこれがいい、これを頼むぞ」

 勝手にネイバーが注文してしまった。

「ラージュ、文字を後で教えてあげますよ」リーシアがニコニコしながらそう言った。


 ラージュは宿の食事は初めて食べるものばかりで、おっかなびっくりだったが、とても満足した。


 次にラージュ達が向かった先は冒険者ギルドだった。

 もちろん仕事はしなければ飯は食っていけない。

「ネイバーは冒険者だったので詳しいのでしたね」リーシアそう言う。

「そうですね、冒険者をしていましたからね」ネイバーはそうつぶやくように言った。

 リーシアが少し複雑そうな顔をする。


 ラージュ達は冒険者ギルドの門をくぐった。

 受付の女性にネイバーは声をかける何やら話している。


 ラージュはソワソワと辺りを見回す。

 こざっぱりした感じの内装、ラージュにはよくわからないが、今で農業をしていたラージュには仕事をする場所にしてはあまりにキレイな場所だと感じた。

 そのためリーシアにこの場所について質問してみた。


「この場所ってどういう仕事をする場所なんだ?」

 冒険者ギルドはですね、とリーシアが言う。

「私も簡単にしか知らないのですが、採取の依頼や魔物討伐などそんな感じの仕事を請け負う場所ですね」

 とリーシアが説明してくれた。


 ネイバーの話が通り、受付の人からラージュにプレートが渡される。

「こちらが冒険者ギルドの会員プレートなので無くさないでくださいね」

 ラージュはよくわからないが大切な物だということは理解した。


 宿への帰り道。

「しばらく俺が稼ぐ、その間リーシア様はラージュに文字を教えてやってほしい」ネイバーがそう言った。

「ええわかりました」リーシアもそう答えた。

「俺に文字を?確かに読めないと不便だから助かるよ」

 ラージュは少し嬉しそうにそう言った。


「後、冒険者なら魔物とも戦わないといけない。剣術の稽古も始めるか」

 ネイバーがそういう。

「剣術の稽古か……」

 畑番のラドックに全く勝てなかったラージュは、少し自信なさそうにそう言った。

 そんなラージュの考えをよそに次の日からラージュの訓練が始まった。


 そして夜になった。

 リーシアは宿の部屋で一人、手紙を書いていた。

 封印の地の襲撃、魔剣の暴走と封印石の消失、自分の役目を果たせなかったことを悔やみながら……

 そしてラージュという一人生き残った少年から、不思議な違和感があるということも。

 リーシアは思う、ラージュという少年、彼は私が背負うべき役目をどういういきさつかわからないが背負ってしまったのだと。そんな胸騒ぎがした。

 その手紙は人と唯一暮らす神であり公国の女王として君臨している水の女神ウォーティアに向けての手紙だった。


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