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何もかも捨てたなら  作者: 晴間あめ
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想像してみる

他の人がこれを見てどう感じるかは計り知れませんが、ここに綴った全て、今のありのままのわたしです。

時々、何もかもが嫌になってしまうことがある。


あぁ、時々っていうのは語弊があったかもしれない。


最近は"毎晩"だ。


日中は目まぐるしく業務に追われ、考える時間はない。仕事は疲れるし大変だが、それは幸せなことなのかもしれない。


時に、自分の能力の低さ、処理速度の遅さ、無能さを感じることもあり、それを思い知らされる出来事があると、ダイレクトに自分の心に刺さる。これでも頑張っているのに。絶対自分と同じくらいの歳の同じくらいの経験を重ねた人が同じ業務をしても、同じような結果になるはずだ、と最初は思うが、何回も何回も頭の中で、心に刺さった場面を想像しては、やはり自分がだめだ、あの時ああしていればよかった、などと後悔する。そして頑張らねば、と思う。


このように、辛いこともあれば、少なからずストレスだって感じている。


それでも、仕事という"やらなければならないこと"の存在に、救われているのだ。


それは裏を返せば"やるべきと決まっているもの"


即ち、日中においての指針なのだから。



話は冒頭に戻るが、最近は毎晩、何もかもが嫌になってしまう。


全てを投げ出して消えてしまいたくなる、死にたいとはちょっと違う、消えたい、に近い感覚。


死ぬのは痛い、苦しい、怖い。周りの人を悲しませる。私を愛してくれた人達に、確実に"呪い"が植えつけられる。


そんなのはまっぴらごめんだ。恩を仇で返すようなものじゃないか。それに、たとえ自分のことを誰かの記憶に深く刻みつけたいが故に死を選んだとしても、私が死んだことによって本当に記憶に刻みつけられたどうかは確認のしようがない。そんなことも分からないほど、私は馬鹿ではないのだ。


馬鹿ではないが、都合の良い妄想はする。


朝起きたら自分は空気になっていて、家族も友達も自分のことを知る人も、みんなみんな、頭の中から"わたし"という存在だけがすっぽりと消えていて、忘れたことすら忘れてしまう。私がいないこと以外は、何一つ変わらない日常なのだ。もはや、何一つ変わらない日常が私がいないということなのである。


それを、この世にはもう存在しない、透明になった"わたし"は、ただじっと眺めている。


寂しくも悲しくも虚しくもない、穏やかな世界。


なんて素敵な世界なんだろう。



そんなことを、天井の灯りを限りなく暗くした夜部屋で、頻繁に想像する。ベッドの上で、布団に潜り、暖房をごうごうとした音で働かせながら。


永遠に叶うことはないそれを何回も想像しては、何のために自分は生きているのか、なぜ生きなければならないのか、何を糧にこれから生きようかを心で、頭の中で、反芻している。


命を擦り減らすように、これからの指針を模索するように。


自分の心の中をそのまま、文字として表現することができました。決して口には出さず生活してきましたが、特定の誰かに伝えるわけではない、いつか放っておいたら消えてしまうのではないかというくらい微かな自分の心の声を遺せる場所、誰かに聴いてもらえる場所があってよかった。読んでくれてありがとう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 想像してみる。 不思議です。わたしも毎晩同じことを思ってます。決して不幸な人生を過ごしているわけではないのにふと自分がこの場所にいることがこわくなります。歳を重ねると得るものより失うものの…
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