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プロローグ
生きるのめんどくさいよね。知らんけど。
貴君と会うのは初めてだろうか。はじめまして、と言っておこう。挨拶は大事だからね。
ぼくはただのしがない黒猫だ。名乗るべき名は無いが、ここでは便宜上「クロ」とでも名乗っておこうか。
…? なんだね、ありきたりな名前だと言いたげな顔だな。
ばか言うんじゃあないよ。ありきたりな名前というのは皆に使われているから価値があるんだ。それともあれかね、君は他人と同じであることを酷く嫌うのかね。浪漫がないぞ。変わったヤツだな、君は。
まぁ不満があるならいいさ。僕の仮名などどうでもいい。好きに呼びたまえ。
ともあれ、僕に会ったということは君も何かもってるんだろう?
ふむ。そうか。
なら存分に話していきたまえよ。 もっとも、僕は明け方に消えてしまう身だがね。
君の願いはなんだい?