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魔物大量発生 4

 戦場という、殺伐とした空気感の筈が、一部だけ柔らかな空気感となっている。

 元中学の同級生に会ったかの様に嬉しそうに話す様は、何処か懐かしむ要素が全くない。そう全く無い。中学の友達など、存在する由も無いダークは少し、ボーとしていた。目は虚で、魂が肉体から離れたみたいになっている。

「ん?あぁ」

 やっと戻ってきた。

 「俺はレベルアップのため、魔物狩るつもりだけど大丈夫?」

(んー、シャルム様はどう思われます?)

(別に良いじゃろう。それと我はダークの奴隷だからなのじゃ)

(は、え、どうしてですか?)

 多少殺気のある目で、俺を睨んで来る。

「あーそれはだな、かくかくしかじか」

 俺が勇者である事以外を掻い摘んで話す。

 すると、納得はしずとも、理解はしたのか口を開く。

(わかった。シャルムは何かご不満などございますか?)

(無い)

(でしたら私は、何も申しません。後、ダークは、シャルム様の封印を解いて頂きありがとうございます)

「で、魔物狩っていい?」

(えぇ、勿論です。しかし、本来の目標である勇者討伐は頭の片隅に入れといてください)

「分かった。因みに、勇者は魔王様の脅威じゃなきゃ良いんだよな?」

(その通りです)

「よし、ありがとう」

(妾も付いて行くのじゃ)

 そう言い、二人で魔物を滅殺していった。


 時は同じ頃。漸く敵がライト達の所に来る。一番前にはゴブリン、次にボブゴブリンと弱い順から並んでいる様子。

 しかし、量が多く乱戦になり、質が量に負けるかもしれない事を考え、ライトは気合を入れる。

 そうして、目の前の魔物の大群に向かい立ち向かうのだった。

(フン)

 そんな気合の言葉を言いながら、魔物を影魔法で切る。私の横では、サモンのウルフがボブゴブリンの右手に噛み付いている。

 それを横目で見て後ろに回り、意識外から影魔法を発動させ首を切る。

 ライトは、サモンとルカを守る様な立ち回りをしている。

 一方ルカやサモンはなるべく邪魔にならない様にライトと一定の距離を開けているため、どこか地球と月の様な関係性である。

 一時間ほど経過すると、周りには初見の魔物ばかりで一体一体警戒しつつ戦う。

(ルカは私を三十秒後回復、サモンは周りのボブゴブリンのタゲを取って)

 切羽詰まったようにライトが指示を出す。

 なんと、オーク三体がボブゴブリンを十体率いて、やって来たのである。オーク一体でも、Cランク冒険者が1人必要なぐらいの脅威度の為、今は結構厳しい。

(ち、)

 無意識に舌打ちするほど厳しい。

 私は、オークの持つ大剣に注視する。オークは身体がデカいため、動きはトロいので、注視すれば三体だろうが避けられる。

 一体目が、大剣を振り、それを避けると、二体目が、三体目がの繰り返し。

 二十五秒ほどノーダメージで避け続け、リスクを犯し一体目を仕留めようとする。

 そのせいで、3体目の大剣が右腕を掠ったが一体目を仕留められた。

 すると、すぐさま回復魔法が飛んで来るため、全回復する。

(あと二体)

 そう呟き、大剣を避け続け隙を見つけようとする。

(二体目撃破)

 そう呟いた頃には、ウルフが十体のボブゴブリンを倒しており、ウルフも加わり直ぐに倒せた。(一回休憩しよう)

 そう言い、前線から少しの間離れていった。焦りは禁物である。

 そうして前線から離れ休もうとしたのに、一体の魔物が私達の前にやって来る。

 それは、オーガである。但し、覚醒はしてない。そんな討伐ランクAが、周りの冒険者達をなぎ倒している。

(ぐぁー)

(ひ、やめー)

 そんな悲鳴をお構いなく暴れている。そして、私達に視線を向ける。

 ギロリ。そんな効果音が聞こえたかの様な感じがした。気づくと、目の前にオーガが立っていた。

(な、)

 そんな唖然とした感情を押し殺し、瞬時に跳ぶ。

 以前いた場所には拳で殴ったとは思えないほど、大きな跡が残っている。危険度を再構築し直し、上げる。

(十五秒後回復魔法!)

 そんな声を叫び、十五秒間逃げる。一応牽制程度に影魔法の斬撃を放っているが、どうゆう理屈か跳ね返されている。

(どうゆう原理だぁー)

 そう叫び、必殺の魔法を構築し始める。これは自身を傷つけ、相手も傷つける諸刃の剣みたいなものだが、いつか使うと思い、考えた技である。(シャドウワールド)

 それは、短時間の間、影を無限に使うことができ、敵は逃げる事が出来ない空間を作るという、高位魔法士のみができると呼ばれる程の難しい技である。

 唯一の違いは、高位魔法士は代償が無いが、ダークには有る。

 十二時間の間、魔法が使えなくなり、身体能力も一割程度落ちてしまうのだ。

 展開できる時間は五分のみ。私はオーガに影魔法による斬撃を数百、数千を与え続ける。

 塵も積もれば山となる。こんな状況で使われると全く予想していなかっただろう。

 次第に、オーガの無敵と思われた体には擦り傷、傷と変わっていく。

(ふ、)

 そう言い、斬撃を放ちまくるのだが、オーガは仁王立ちしている。

 シャドウワールドには相手を拘束し続ける影が無限に生み出されるため、対象は身動きできない。だが、三分程経過すると、何故かその拘束が破壊された。

(中々やるな小童。だが、弱い。シネ)

 そう言い、拳を突き出してくるため、避けようとするのだが、余りにも速い拳は私の横腹を擦り、血を流す。

(ぐ、)

 そんな苦悶の表情を浮かべながらも、叫ばない。

(いい、精神力だ)

 相手はあたかも自分には負ける要素が無いかのように振る舞う。今のままでは負ける。そう今のままでは。


 私はシャドウワールドを止める。何故か?HPが危機的状況にあるからだ。

(ルカ頼む)

(ハイ)

 そんな声を聞いた瞬間、横腹の傷が無くなる。ナイスタイミング。

ライトのパーティの危機。これをどう乗り切るのか?

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