クラン
暗殺者ギルドに入り何をしたか?何もしてません。
特に暗殺の依頼をこなす必要性も無く、冒険者ギルドでやりたい事があったからだ。
クラン設立である。
まぁ分かる、また唐突に言い始めたな我儘を。しかし、これから全世界を制覇する俺にとって、クランを設立し、全てを牛耳ろうという思惑で有る。
まぁ、大半は嘘だが。真の目論見は、これから作って行く予定だ。
つまり、未来を全く見てません。笑。
冒険者ギルドの受付嬢からクラン設立の注意点、必要な物などの確認事項を聞き、了承すると、ギルマスの審査を経て、クラン設立を認められた。
掛かった時間は何と三時間。受付嬢の確認事項に二時間四十分ぐらい掛かった。長かった。
連れのライトは、真剣に話を聞き、質問していて、まるでリーダーみたいだった。
(ダーク様、クランのメンバーどうしますか?)「盗賊で賄う」
(マジですか)
「あぁ、まぁ義賊的な盗賊だけどな」
(分かりました。では、冒険者ギルドで盗賊殲滅の依頼を受けましょう)
「それはナイスアイディア」
ということで、やって参りました。
東門を抜け、盗賊が闊歩している場所です。
ここは、様々な品物が通る流通場所で、奇襲がかけやすいため盗賊に人気な場所となってます。
周りを見渡すと、何ということでしょう。三十人規模の盗賊が、馬車を襲っています。
まるで砂糖に群がる蟻のよう。冗談はそこまでにしといて、観察すると、馬車の中には女がいるのに、暴力は振るわず、品物の半分くらいのみを奪い、去っていった。
これは当たりだと思い、ストーカーすると、洞窟に入っていった。
よーし俺の吸魂剣のスキルを使用しよう。
王の配下……斬りつけた相手が、魔法抵抗力が自身と比較し、百倍低かった場合、奴隷とする。
これにより相手のMPが1500より低かった場合、奴隷となる。素晴らしいスキルである。
あたかもこの時のための様だ。
ライトに突撃から、王の配下による奴隷化をするて言うと、分かりましたと返ってきた。
そして、万が一洞窟から逃げ出してきたら捕縛しといてと補足する。
又してもわかりましたと返ってくる。出来る男は違う。
後、普通の人は主人の力を恐れたりしない?まぁ良い、突撃!
隠蔽スキルを使い、見えなくなった自分が見張りに対し、擦り傷を作る。
すると、特に変化はない為、命令する。
「跪け」
(ダン)
急に見張り二人が地面に手をつく。
「うわぁ」
少しビックリした。最後の言葉が無ければ、王様気分が出来たのに。
まぁいい、進行しよう。盗賊達をすれ違い様に切る。
大抵の奴は、MP1500より低いが、四十三人いた中で、六人の人は超えていた。
その為、俺は六人以外を奴隷化させてから、避難勧告ならぬ降伏勧告をする。
「盗賊達へ。命を奪われたく無ければ、速やかに武器を捨て降伏しなさい。さもなくば、貴方方以外の盗賊を殺しますよ」
どちらが盗賊か分からない言葉遣いである。盗賊達は、仲間意識が強いのか、こう言う。
(わかった。武器を捨てるから、仲間達の命は救ってくれ)
(がらん、ガラン)
重たい武器を、外し、地面に落ちた音が響き渡る。本当にどちらが悪党か分からない。
「よーし、抵抗するなよ」
(分かった)
こうして、奴隷化した三十七人と捕縛した六人を東門まで連れて行く。
すると当たり前だが、身元確認やら、理由がどうやらを話し合い、結果全員を奴隷化する事に成功した。
因みに、奴隷化した人も捕縛した。理由として、スキルで人を強制的に隷属出来ると知られると、自分の身が危険だと思うからだ。
こうして平和的に、労働者を手に入れた。俺は自宅にライトを走らせ、家政婦のコルムに飯を沢山作って欲しい旨を伝えて貰い、一度に沢山の奴隷を動かすと、騒がしくなりそうなため、チマチマ移動させた。
奴隷達の顔には、希望を失う者、達観した者、やる気のない者様々だが、全てに於いて、マイナスのイメージしかない。
そりゃ、奴隷になったら、死ぬまで働かされる運命だからな。
俺は長く使うため、週2日休みで、八時間以上の労働禁止にするつもりだ。
俺らのクラン名はホワイト企業にしようかな。
実はクラン名を決めずにクランを設立したのだ。クラン設立から一週間以内に名前を付ける猶予が与えられるため、それに甘んじた。
現在の悩みの主な原因がそれだ。後、奴隷達にいかに俺が、優しく、偉大な主人かを知ってもらわないと。
まぁ舐められない様にするが。
家に帰り、晩飯の準備を進めていく。コルムには最近働かせ過ぎているので、休みを与えないといけないなぁーと思っている。
「コルム、今回は助かったよ」
(でしたら、もっと早めに連絡ください)
「悪かったよ」
(分かれば良いんです、ふ、ふ)
最近は、俺の母の様に叱ったりしてくる。随分親密になったなぁと思う。
そんなやり取りに喜びつつ、俺も配膳する。
そして、配膳も終わり、奴隷達を座らせる。椅子が足りないかと思ったが、ライトが用意していた為、そんな事も無く、食事を始めようとする。
しかし、又しても奴隷達は何も口にしようとしない。その為、俺が命令する。
「コルムがわざわざ作ってくれた料理なので、感謝して、食べなさい」
そして、食事が始まる。今日は、スープにパンという簡素だが、味わい深い料理だった。
多分、いきなり人数が増えたため、楽に作れ、量の多い物にしたのだろう。味わって食べる。
こんなにも沢山の人と食べるのは、初めてかも知れないなぁと思いつつ、口を開く。
「今日から俺の奴隷となった訳だが、約束事を言う。皆んな仲良く。以上」
こう言うと、皆が驚きの表情である。
「朝、昼、夜の三食を保証し、週に二回休日を設ける。だから、しっかり働け」
すると、感銘したのか、リーダーかくの男が感謝の言葉を言う。
(は、温情感謝します)
それに続き、皆が言う。
((ありがとうございます))
これが日本だったら近所迷惑だ。
その後、ライトに部屋の数などを聞き、部屋割りをする前に、風呂に入ってもらい、部屋割りをする。
何と俺の屋敷の風呂はかなり大きく、五十人以上でも軽く入れる。
その為、一気に入らせ、部屋を使うペアを決め、今日の一日を終える。
労働力のゲット。
話の展開を早くしているのですが、読者の皆様の反応は如何でしょうか。主人公がクランを作った当日に、盗賊を確保する行動力。あたかも、運命かの様に。
そんな主人公は、勇者ですが、風の勇者以外の勇者の話しを聞いたことはありましたでしょうか?いや無い。ということで、そろそろ別の勇者の物語を一話にまとめた物を書こうと思います。
様々な思考の元書かせて貰います。是非、次話をお楽しみに!




