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緊急事態 二

朝が来た。俺らは、準備をして、北門を出る。

ゴブリンキングに襲われている村は、ゴブリンの森の中らしいので、そこに向かって歩く。

「今回の依頼は、君たちのレベル上げだから、俺とシャルムはあまり手出ししないから、助言とサポートぐらいだからね」

これはパワーレベリングと言った、強い人が弱い人に魔物を戦わせ、強い人が弱い人をサポートする成長方針である。

実践は大切だと思うし、ルカの回復魔法は、誰かが傷つかないと、発動しても熟練度が上がらないからという理由もある。

今回は、緊急事態も考慮し、ポーション、解毒ポーションなどを持ってきている。

どちらも、下位、中位、高位の中の中位三本、下位五本である。かなり高かった。下位は、小傷を治し、中位は、中傷、高位は大傷。

つまり、腹をえぐられても、高位ポーションなら治るということである。まぁ高位は持ってないが。

ちなみにルカは、既に中位ポーション並みの回復魔法を使う事が出来る。なかなか優秀である。

ゴブリンの森を歩く前、城門でライトが俺に質問してきた。

(パーティーリーダーは誰が?)

「相談して決めて」

ライトが、ルカ、サモンに向かって質問する。

(パーティーリーダーになりたい人は居ますか?)

すると、ルカが元気な声で返す。

(ライト君でいいんじゃないかな?)

それに付随して、ルカもライトに話しかける。(私も賛成、しっかりしてそう)

(じゃパーティーリーダー頑張ります。後、君付けも要らないよ)

少し照れたように頬を手でかき、今後の陣営や、役割を話し始めた。

纏めると、ライトは参謀、指示を出す。そして、片手剣を使い中衛を務める。

ルカは中位レベルの回復魔法を使え、後衛。

サモンは中衛で、Dランクぐらいの魔物を召喚出来る。

ゴブリンはEランクなので、Dランクの魔物でも対処できる考えだろう。

ライトは天才の為、魔力操作による魔力感知が可能だ。俺が教えると、一時間の練習後完璧に使いこなしていた。

確かに俺も覚えるのは苦労してないが、少し悲しい。

先程から危なげない戦いをしている。

サモンの召喚したウルフ系の魔物が、ゴブリンを翻弄し、その隙にライトが剣を振る。これの繰り返しをしている。

やはり、何時もとゴブリンとの遭遇率が違う。二倍、三倍程度になっている。

ゴブリンが、大量発生しても、誰得だよーと考えている。

そう言えば、ライトも、サモンも冒険者登録した際の役職がラッキーだったのだ。

サモンは召喚魔法師で、ランクはA、効果は召喚魔法の効果増大、獲得熟練度量の増加。

ライトの役職は影の支配者、ランクはS、効果は影魔法の習得、獲得熟練度量の増加である。

固有魔法の持ち主は、大抵高ランクの役職に就くことは知っていたが、ライトの影の支配者は、図書館などにも載っていなかった。

現在もライトは、影魔法の練習をしている。影を伸ばし、縮ましている。ライトの将来が楽しみだ。

本来二日程度の時間が到着するのに掛かる筈だが、それは魔物を警戒しながら歩いた場合。

ライトには魔力感知があるため、スムーズに進んで行った為である。

そして、ゴブリン討伐により、レベルが上がり、最初に比べ三倍ほどになっている。

流石、高ランクの役職。しっかりと働いている。

村に着いたはいいが、どうこれまでの経緯を話すかが、問題だ。

元村人のシズを奴隷とする代わりに、ゴブリンキングの討伐を受けましたなどと行った暁には、村人全員に追いかけられそう。

柵の前に来ると、1人の厳つい男性が槍を持ちながら歩いて来る。

(何者だ?)

ゴブリンキングが、来る予定のせいか、少しイラついているらしい。

「シズから依頼を受けてきた。ゴブリンキングの討伐だ」

(何ぃ〜)

心底驚いたような表情をし、再び質問して来る。(ゴブリンキングを倒せるのか)

「そうだが」

確かにAランクの魔物は、遭遇したことはないが、俺にはシャルム様が付いている。

ふ、万事抜かりはない。

(わかった、村に入ってくれ。村長を連れて来る)

慌てた様に、走り去っていく。暫く時間が立つ。(おー、貴方がシズの依頼を受けてくれた人か。シズは元気かね?)

「勿論、元気ですよ」

(それは良かった、あの子は何時も人と関わらない様にしているのに、いざ危険な状況に身内などが陥ると危険な行動も厭わない子でねぇ、今頃借金押し付けられて奴隷になってないか心配だっんだよー)

ごめんなさい。叔母さん。その通りです。シズはもう奴隷です。

「はっはっはー」

苦笑いで誤魔化していく。話を変える。

「状況はどうなっていますか?」

苦虫を噛み潰したように答える。

(この村の北の村がゴブリンキングの拠点となってしまった。数は、百匹以上は確実だよ。本当に出来るのかい)

心配そうな眼差し。普通、自分の村が危機に陥った際、真っ先に自分のことしか考えないのだが、おばさんは相手のことを思いやる。

その良心に対し、俺も良心に従って行動しよう。「勿論です」

(そうかい。そうだ今日は私の家に泊まりなさい)

有り難いお言葉に、甘えて答える。

「ありがとうございます」

村長の家は、二階建て、空き部屋は二個しかないらしい。

最初、ライトで一部屋、他女子三人で一部屋のつもりで、 じゃ俺は外で寝ますと言うと、シャルムとルカが、一緒に寝ようと言ってくる。

だが、その場合ライトはサモンと一緒に寝ることになる。流石に可哀想だろう。どちらも。

だがしかし、ライトを笑えるチャンス。一緒に寝たら変態、寝ないと言ったら臆病者と言えるじゃないか!

するとライトが、思考共有を使ったのか、このように言う。

(悪いんだげど、僕の寝る場所が無くなっちゃうから)

そして、シャルムとルカに、ボソボソと何かを言う。

俺を舐めるなよ。風魔法を全開に使い、何を言っているかを把握する。

(家に帰ったらダークとのサポートをするよ。風呂とかも一緒に入れるよ)

(お兄様と一緒に)

(妾がダークと一緒に)

頬を赤らめ、悶えている。おい、ライト、何て事を約束させているんだ。

お前、俺の左腕だろ。なんか俺の上司みたいになってるじゃないか。

(ライトに免じて、今日は女子三人仲良く寝ます、()()()()()

(我も、ダークのいう事を聞いてやろう)

なんでこうなるのー。何時もと同じ、フラグを立てていく。

明日は遂にゴブリンキングの討伐。俺に倒せるかを自問自答し、結局どうにかなる精神で本番を迎える。

今日は快眠。寝不足なし。もしかしたら、ライトはボス戦の前だから、俺を休ませるためだと思いついた瞬間、ライトが悪魔の言葉を言う。

(違います、笑いです、く、ははっは)

()()()()()

ゴブリンの規模に主人公は少し心配。果たして、ゴブリンキング討伐が出来るのか?

遂に、新しい技の登場?

是非次回をお楽しみに

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