シャルムの心
現在は昼である。何故か?シャルムが寝かしてくれなかったからである。
これだと誤解が生まれる。シャルムと寝た為、緊張して、朝まで起きて、やっと眠気が緊張に打ち勝ったのである。
「ハァ」
何でこんなことになったのだろうか?シャルムは今起きて、先程から俺の顔を凝視している。
マジでなんなんだ?俺にはこの状況が全くわからない。
まぁ今日の予定を立てるか?いつもは寝る前に計画を立てるが、昨日はあんな事があり立てる余裕がなかった。
今日の予定は家と奴隷を買う。これに決めたー。前から家は欲しいと思っていたし、奴隷を買うのは俺の一つの夢である。
人類史上初ではないでしょうか?日本人で奴隷が欲しいと思う人。
面接で、そんな夢を言ったら、即お断りになるだろう。
まぁ、郷に入れば郷に従えという言葉があるように、異世界では奴隷は当たり前である。じゃ奴隷を手に入れて何をするのか?
実は冒険者ランクBになると、クランと呼ばれる組織を作ることが出来るようになる。
そのクランの掃除係や食事係などで使おうと考えている。まぁ才能ある人の場合は、俺のパーティーに入れるが。
クランは冒険者ギルド、鍛治ギルド、治癒ギルドなどの下位互換の組織の為、冒険者ギルドや、鍛治ギルド、治癒ギルドがある一定の基準を設けて作る事を許可した組織である。
何故クランが作られるようになったかは、冒険者ギルドが魔物討伐により生計を立てているのに対し、違う方法で生計を立てたい。
例えば、魔物討伐で手に入れたドロップ品を加工してから売りたいなど、方針の違い。
又は、大きな組織を作る事で、先輩、後輩ができ、初心者を育てる。
ダンジョン攻略の際では、深い層に行くために何日、何十日と時間を使うためサポーターと言った荷物を運ぶ人が必要だったりする。
じゃ俺は何故クランを作るのか?決めてません。
ハィ、全く決めてません。
でも作りたい。子供が、あれ欲しいと言って、親が何故というと、子供は欲しいから欲しいという理屈である。俺は高二である。
でも、社会人は偶に、初心に戻れという、そう初心に戻ったのである。
まぁいい、家を借りるか。
「シャルム、家を買いに行くぞー」
(わかった)
「テクテクテク」
家を貸し出している店に行くと、目立つように青色な看板が置いてある、二階建ての家があった。「すみません、家を借りに来ました」
目に見えたのは、黒いスーツを身にまとい、営業スマイルを完璧にした男の人が現れた。
因みに、俺らが来る前は、無表情だったのに、声を出すと、直ぐにスマイルを作った。
営業マンに戦慄の眼差しをむける。
(いらっしゃいませ。では簡単に家についてお話しさせて頂きます。家を買うにはですね、かくかくしかじか)
簡単にまとめると、家は沢山あります。種類も沢山で、庭付き、風呂付き、前の家の人の置いていった物などなど。家を買う際は、一ヶ月に規定の金額を払って下さい。買う最初の時は、前金を貰います。
こんな感じだった。
「シャルムはどの家が良い?」
(風呂が付いていればどこでも良い。風呂!)
目を輝かせて良いものだから、微笑ましい気持ちになる。
だが、昨日の、夜一緒のベッドで寝た事を思い出し、直視できなかった。顔が赤くなるのが分かった。
そんな俺を見て、シャルムは不思議そうな目で見てくる。
可愛らしく、首を傾げている。
「分かった。じゃここをお願いします」
(では、前金の金貨一枚、賃貸の規定の金額である銀貨五十枚をお払いください)
「冒険者カードで」
冒険者カードは、こういった大きな買い物に便利である。
(毎月冒険者カードからの引き下ろしでよろしいでしょうか?)
「それでお願いします」
家の値段は前金の金貨一枚と一ヶ月銀貨五十枚✖︎五十回の為、総合金貨二十六枚。
日本円で二千六百万。普通の家庭で育った俺には途方も無い金額だが、冒険者である俺ならかなり稼げる。
更に、この家は、3階建てで、風呂は有ります、庭は有ります。3階建てで二千六百万でも、安いのに、風呂もあり、庭もある。
最高だ。異世界は何故か家が安い事が分かった。
次に向かうところは、奴隷商人である。
今からどんな奴隷がいるかワクワクしている。
そういえば、シャルムに奴隷商人に行くといった時、顔を蒼白となり、現在も何故か顔が俯いている。
奴隷商人の店に着く前でシャルムが突然言い出した。
(ダーク様、私を売らないでください。何でも出来る事ならするので、どうか売らないでください)
捨てられる子犬の様に泣きながら言うのである。
この事を聞き、何故顔を蒼白としたかが分かった。
確かに、これまで奴隷商人に売ると脅したり、注意した事が多々あるから、シャルムは自分が嫌われていると思ったのだろう。
だが、シャルムがここまで俺の事を想ってくれるとは思わなかった。
「俺はシャルムを捨てない。奴隷商人に来たのは、奴隷を買う為だ」
(私を一人にしませんか?)
「お前は一生俺の物だ」
これが日本だったら人間の屑である。
(ありがとうございます、捨てられるんじゃ、また一人になるんじゃないかって)
「大丈夫、俺がいる」
実の所、吸血鬼の始祖だ、魔王に次ぐ実力者など大きな事を言っていたが、内心寂しかったらしい。
更に、封印から解いてくれな俺に御礼を言いたかったが、恥ずかしかったらしい。
これがTheツンデレ。 一層シャルムの事が好きになった。
「今日は奴隷商人に行くのは辞めておく」
(いや、行こ。気分も晴れたから。でも、私にも構ってね?)
何という可愛さ。更に上目遣いをしてくる。あざとい。
そんな彼女に俺は人生初の試みをする。
「シャルム、俺とその付き合ってくれモニョモニョ」
(何だって)
「何でもなーい」
やはり男としての漢気がないらしい。折角のシチュエーションが台無しになった。
まぁ、次こそは絶対に言おう。
「これからも宜しく」
(末永く宜しく)
そこには夫婦の空気が漂っていた。
オット、ここで、臆病、チキンな主人公は、告白が出来ない。これが、彼女いない歴イコール年齢の実力かー。いつ告白するのか、ぜひ楽しみにしていてください。そして、遂に新しい奴隷を買います。主人公の魔の手に引っかかるのは誰か?
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