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深夜のコンビニバイト番外編 四人でお祭り

ここ三日お休みしてしまいごめんなさい。

昨日はあげたんですが、読み返したらやっぱり二日目に起きた対人トラブルの精神状態がお話に色濃くでていて、ラストとかちょっと最初のテンションと真逆でなんかすごく暗い話になっちゃって。それでもありかなって思ったけど、うん、でもこれはもう一回読みたいってならない話だなと思って改稿しました。明日から普通に投稿始めますよろしくお願いします。

「こんにちはー」


「くっくっく来たな小雨ちゃん。おぉ!可愛い!小雨ちゃん可愛い!我の城へようこそ!小雨ちゃん!」


ぴょんぴょん飛び跳ねるかぐや姫ちゃんはとっても嬉しそうに微笑んだ。

車で送ってくれたお母さんが、渡してくれた手荷物を渡してかぐや姫ちゃん宅にあがらせてもらう。


夏休み、宿題が全く終わる気配のないかぐや姫ちゃんの家で、私村松小雨はお泊まり会兼、お勉強会をする事になった。

その時に、かぐや姫ちゃんのお友達の天使ちゃんと悪魔ちゃんも呼んでくれるそうだ。

初めて会う二人に正直ドキドキしている。

女の子だけの女子会という事で、そら君はだめってなったけど、代わりに一緒に夏祭りに行くんだ。

浴衣を着せてもらわないといけないので、お祭りの時間に合わせて浴衣を着てかぐや姫ちゃんの家に遊びに来た。


「くっくっく心が躍るわ...お友達とお泊り、夜は夏祭り、花火!夏って最高ね」


うっとりと微笑むかぐや姫ちゃんに、私はにっこり笑って釘をさした。


「夏祭りに行った後は、勉強会だからね」


「あぅ...」


「それにしてもかぐや姫ちゃんの家って大きいんだね」


家の前に大きな門があって、大きな池に鯉がいる木造の使用人が暮らしているといっても驚かない立派な和風な家だった。


「くっくっまぁね!我に素晴らしい城をって事で下僕達が用意してくれたの!」


「下僕?」


「紹介するわ。我の下僕達よ」


連なるふすまを開けて真顔でスススッと突如現れた着物の大人達。

前に出て来た緑の着物を着た格好いい男の人が、カクカクとロボットのような動きをしながら私の前に出てきた。


「は、はじめましてで、でで電柱の陰からあ、あぁあ貴方のことは常々見て挨拶させていただきたいと思っておりましたかぐや姫をいつもありがとうございます。村松小雨さん、わわわわた、私は」


「リハーサルと違うじゃないのよ!!いいわ!戻ってなさい!」


リハーサルとかあったんだ。


「行こう!小雨ちゃん」


かぐや姫ちゃんに手を引かれかぐや姫ちゃんのお家に足を踏み入れた。

襖の部屋が沢山あって、まるでちょっとした旅館のようなお家だな。


「天使ちゃんと悪魔ちゃんは?」


「お祭りで合流してから泊まりに来るそうよ!楽しみだな!」


るんるんとスキップするかぐや姫ちゃんはとても楽しそうだった。

私も彼女に手を引かれ、彼女の部屋の扉の前へ、


「どうぞ!」


にっこり笑ったかぐや姫ちゃんの部屋で、私は言葉を失った。

黒いカーペットには蛍光色で黒魔術の召喚の術式のような何かが描かれ、何故か理科室で見るような骸骨の人形が置いてあり積み上げられた分厚い本には、黒魔術や、悪魔召喚などが書かれていた。

中学生の部屋ではないよねこれ。

あぁ、そうか。これはあの大人たちの部屋か。そうだよね。

かぐや姫ちゃん、そうだよね。

かぐや姫ちゃんの部屋とかぐや姫ちゃんを交互に見ると、


「さぁ!我の部屋だよ!普通の友達でこの部屋にあがったのは実は、小雨ちゃんが初めてなんだ!誇っていいんだよ」


「普通の友達?」


「そう、ほら」


衝撃的だった骸骨を指差して微笑むかぐや姫ちゃんに首をかしげると、


「友達のガイコツ。悪魔が乗り移ってるのよ。笑った顔がとっても可愛いんだ」


笑うの?

かぐや姫ちゃん、友達がいなくて大分こじらせてしまったんだな。

そんな事口が裂けても言えないけど、私は今日勉強なんてどうでもいいからかぐや姫ちゃんといっぱい遊ぼうって思った。


「かぐや姫ちゃん、今日は楽しい一日にしようね」


「勿論だ!」


***


荷物を置いたら早速お祭りへ。

歩いていける場所で待ち合わせしていたので、かぐや姫ちゃんのお友達の天使ちゃんと悪魔ちゃんのいる待ち合わせ場所の祭り会場の間に建つコンビニの前へ。

待ち合わせ場所にいくまでも色んな屋台が見えて楽しい。


かぐや姫ちゃんはキラキラした顔でキョロキョロしていた。


「すごいな!騒がしいな!夜なのに明るいな!夏祭りなんて初めてなんだ!アニメで見たとおり!花火も楽しみだな!」


かぐや姫ちゃんは夏祭り初めてなんだ。


コンビニ前で天使ちゃんと悪魔ちゃん、それから私が誘ってたそら君と合流した。

天使ちゃんと悪魔ちゃん、やっぱり天使と悪魔らしい格好してるな。

翼生えてるし、マント着てるし。

あの羽、触ったら嫌かな。ふわふわしてていいな。


「こんにちは!かぐや姫ちゃんのお友達だね!ボクはハニエル。よろしくね」


「フン!べ、別にわたくしはよろしくしてもしなくてもハニエルがいればいいんですけどね」


「ちょっと!マニーシャちゃん!あ、この子はマニーシャちゃん。よろしくしてあげてね」


いいなぁ、個性があって。

この二人。可愛いな。いいな。私にも翼が生えたりしないかな。


「かなり普通だねこの二人」


眉をひそめるそら君に、


「羨ましいね」


口元が緩んだ。本当に変わってる。


「行こう!はやくいこう!」


「うん!」

「あぁ!そんなにせかさないでよ!」


かぐや姫ちゃんが、天使ちゃんと悪魔ちゃんの手を掴んで走り出した。


「危なっかしいからついて行かないようにしよう」


そら君が、ポケットに手を入れて私の隣に並んだ。


「うん、早く行こうかそら君」


「小雨ちゃん。浴衣、全然似合ってないね」


「こっちを向いて言ってよ」


「全然いいよ」


私達は危なかっしい三人を追いかけ、お祭りの光の中にまた足を踏み入れた。


「見て!あれは何!?」

「食べてみましょう!」

「あれは何!?」

「食べてみましょう!」


かぐや姫ちゃんと悪魔のマニーシャちゃんはかぐや姫ちゃんがお祭りの食べ物を聞いてマニーシャちゃんとハニエルちゃんがそれを食べていた。

面白い。

私はそんな二人を見守ったり、そら君とお祭りを楽しんだり、三人のあの無邪気な中に入りたいけど、ちょっと恥ずかしくて入れない。


でもやっぱり三人は目立つな。

基本私服か浴衣なのに、周りには天使のコスプレと悪魔のコスプレをしてる子供達と、ゴスロリ浴衣の女の子が無邪気にはしゃいでるように見えているんだろうな。本物のかぐや姫と、天使と悪魔だとは思わないんだろうな。


「あの人だかりが全く気にならないからちょっと行ってくる」


「うん。私ベンチで休んでるね」


そら君は射的にめちゃくちゃ集まっている人だかりに走っていった。

それにしても、このお祭り自体変わった人多いな。

あそこでガスマスクしてる人と狼男みたいな人が警備員してるし。

赤い頭巾を被った変わった格好の女の子が、射的の腕がすごいって話が聞こえたな。

さっきそら君が使った射的屋さんの輪の中にいた子のことだろう。

人面犬のおじちゃんや最近仲良くなったまさるもいそう。


「あーん!」

「え?」


目の前に突然アツアツのたこ焼きが差し出された。

天使のハニエルちゃんが目の前であーんと微笑んでいる。


「あ、ありがとう」


口に入れるとアツくてよく味がわからなかったが、


「美味しいよ。ありがとう」


そういって微笑むと、ハニエルちゃんも安心したように微笑んだ。


「なんか考え事してたっぽかったからさ。何考えてたのかなって」


「あぁ、変わった人が多いなって。このお祭り」


「そうかな?普通の人ばかりだと思ってたけど」


「ふふ、そうか。ハニエルちゃんはそう思うんだ」


そういうところも変わってて、羨ましい。

私は、普通の人間だ。ハニエルちゃんや、マニーシャちゃん、かぐや姫ちゃん、そら君みたいに変わった人になりたかった。

皆といると自分がこの沢山いる只の人間の中の一人なんだとわかってしまう。


「でも、小雨ちゃんって変わってるね」


ハニエルちゃんはにっこり笑って私を見た。


「....そんな事ないよ。私は只の一般人。沢山いる人間の中の一人だよ」


「ううん。そんな事ないよ」


ハニエルちゃんは、にっこり笑って私の手を取った。


「ボクみたいに、他の人間の人達と違う格好をしていたり、この世界だと他と違う人は、変な目で見られたりするんだよ。でも、小雨ちゃんはそんな風にボク達を見る事がないよね。ボクの大好きなお兄さんと一緒だよ。普通の人と違う。普通に接してくれる。そういうのすごく嬉しいんだ」


「.....そ、そうなの」


目を見開いて、ハニエルちゃんを見つめた。

どうして、女の子に手を握られてるのに、こんなにドキドキしているの私。

私は、変わってるだなんてそんな事言われたことがなかったからきっとそれでドキドキしてるんだ。そうだきっとそうだ。

でも、そんなの、当たり前の事だと思ってた。

この世界には河童も、犬のおじちゃんもいるんだから天使も悪魔もいるものだと思っていた。だから普通に接していた。


「うん。きっとそら君が小雨ちゃんの事大好きなのもかぐや姫ちゃんが小雨ちゃんの事沢山褒めるのも小雨ちゃんが普通の人と違って、ボク達を差別しない普通の人として接してくれる人だからだと思う。だから」


「もっと話していいよ」


後ろで怒りに震えたそら君ががしっとハニエルちゃんの頭を鷲掴みにしていた。


「うん、わかったよそれでね」


「もっと話していいって言ってんだろ!小雨ちゃんと何仲良く話してんだよ」


「どうして怒ってるの?そら君」


可愛く小首を傾げるハニエルちゃんに、


「小雨ちゃん多分だけどさ.....いや、やっぱり、いい」


不機嫌にそっぽを向いてしまったそら君に、ハニエルちゃんはにっこり笑った。


「そら君は可愛いね」


「お前ほんとは悪魔だろ」


「何でそんな事言うの〜そら君。仲良くしようよ」


困っているそら君にベタベタするハニエルちゃんを見て、私は笑った。


楽しかったお祭りからかぐや姫ちゃんの家に帰宅した後、四人で花火をしてから客間で皆で布団を並べて寝た。

結局宿題はしなかった。夏休みギリギリで、私がまたかぐや姫ちゃんの家に泊まり込んで宿題だけの、かぐや姫ちゃん曰く「地獄のお泊まり会」をしたのは言うまでもない。


本日も読んでくださりありがとうございます。


あとがき読んでると分かる通り私友達が少ないんですよ。わかりますよね多分文章から友達が少ない事が滲み出てると思うんですが、その数少ない友達を私はめちゃくちゃ大事にしているので喧嘩とかすると精神的にも身体的にも吐き気とか頭痛とか腹痛とか影響が出ちゃうくらいに。

そんな友達と喧嘩して「もうあなたの事なんとも思ってないから」と言われてしまった二日目で、やはり喧嘩してると頭がカーッとしてて「別にいいわよ!それでも」っていうんですけど心の中では「全然よくないよなんでそんなこというの泣くよ」状態なんですよね。今日何故か二人とも言いたいこと言い合ったあとシャドウバースして終わったんですが、私はなんとも思ってないからと言われても自らの数少ない大切な友人の事をね嫌いになったりしなかったんですよ。何でそんな事言われたのに嫌いになれないのか、嫌いになれよ自分!とか思いましたがなれなかったんですよ。

多分いつか悪い男にそう、感想でもよく言われてましたが騙されるんじゃないかってね。

彼は浮気なんてする男じゃないわ!私はまだ好きよ!的なねありそうですね。

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