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深夜のコンビニバイト四十四日目 勇者パーティ再会前編

昨日は書いた途中で意識を失うように寝てしまい投稿できずごめんなさい。

わたしの体必ず寝なくちゃいけない時間が決まっていて、それがキャパを超えると自然と意識を失い、睡眠を養うようにできてるんですよ。だからそう言う時はたまに投稿できなくなります。今日も意識を失って幼馴染と電話する約束を自分でしたのに寝てしまい、幼馴染に「お前なんてうんこや」と言われました。

私は寝起きの頭で「別にそれでも構わないよ」と答えました。全然構わなくないから!!!違うから!!!

深夜のコンビニバイト四十四日目。


ピロリロピロリロ。


「きゃー!ぶつかるー!」


デジャヴ。

コンビニ店内に箒に乗った全身ピンクの魔法使いが飛び込んで来た。

箒は来店時にピタリと止まり、魔法使いのサッコさんだけが箒から放り出されごろんごろんと転がった。


「っで!あひゃああいでで...」


なにこの人箒に乗ってこないとコンビニに来店できないの?普通に徒歩で来店できないの?

頭を押さえながらふらふらするサッコさんは、店内をキョロキョロと見回し、


「あれ...無事に着いたみたいね」


すくっと立ち上がると、サッコさんは


「勇者はいないの?」


「え?」


「あ、いや、えーっと、あれよ。あいつ、が働いてるって聞いてさ。SNSでイケメンすぎるコンビニ店員が働いてるって今すっごい噂になっててぇ...それで...そのぉ、あれよ、私は別にどっちでもいいし、会いたくもないんだけど、あの、元彼の様子を見に来た、的な?」


顔を赤らめてもじもじしながら話すサッコさんに、女性のお客さんだけ接客したがって、女子高生に声をかけてましたよ、なんて本当のことを言えないのでとりあえず、


「えっと、もうやめましたよ」


真実を伝えた。


「えぇ!?何よそれ!?何でよ!?あいつ動画で接客業は俺には簡単すぎた、だが、一般ピーポーの生態を観察するのにはまあまあ役に立ったこれからも勉強していきたいみたいな事言ってたのに!」


動画見てないけどそんな事言ってたのか。お客さんに怒られてちびりそうになってた癖に動画だと本当にイキってるんだな...サッコさん、マックが気になったから来たって素直に言えばいいのに。


ピロリロピロリロ。


こそこそキョロキョロと入って来たのは、女騎士のアイリスさんだった。

何だか前の赤い鎧姿ではなく、ショートパンツに赤いパーカーという前より普通に女の子らしい恰好をしていた。

レジを確認して、店内を見回した後、サッコを見てぎょっとする。


「うわっ!何で来てるんだよサッコ!」


「それはこっちのセリフよ、な、何しに来てんのよアイリスこそ」


女二人の腹の探り合いが始まった。

いやいや、男の俺でもわかるから。わかりやすすぎだから。


「あ、あたしはあれだよ、普通にサッコが心配で、今日もいなかったからさ、探しに来たらなんかここにいたっていうか?決してマックらしき奴がここで働いてるって街中で聞いたから来たわけじゃなくてだな」


「ちょっと~無理があるわよあんた、サッコに出会った時びっくりしてたじゃない?あれは探しに来た時の反応じゃなかったんだけど~?もしかしてあんた、マックがここにいると思って来たんじゃないのー?それに、その服ちょっと可愛いし」


腕を組んでばちばち火花を散らすサッコに、


「な、なに、何言ってんだよ!し、心配してやったって言ってんだろうが!この服だって、別に普通だし!素直にあたしの優しさを受け取れよサブカルは捻くれた考え方しかできねぇのか?」


「サブカル関係ないでしょ!?脳筋は筋肉が脳でできてるからちょっと発言がおかしいんじゃないのー?」


「ぷふー、筋肉が脳でできてるって何だよ脳が筋肉でできてるだろ間違えてんじゃねえかよ」


「ちょ、やめなさいよ!人の揚げ足とるの!やめなさいよ!」


顔を真っ赤にして手をジタバタさせるサッコさんに、


「揚げ足を取ってるわけじゃなくてただ単にサッコがアホなだけだろ」


「ぬわぁんですってぇ!!」


ピロリロピロリロ。


「ほら、帰りますよお二人共」


にっこり笑って来店して来たクレアさんの前に二人はズザーッと滑るように前に

正座する。

薄緑色のネゲリジェを着たクレアさんは、


「また二人が迷惑をかけましたごめんなさいね」


眉を八の字に下げて謝るクレアさん。

二人を連れ戻しに来たんだな。


「いえいえ、大丈夫ですよ」


「あの三股むかで虫けらは今日はお休みですか?」


クレアさんはこの三人の中でもっとも勇者を嫌ってそうだな。

三股むかで虫けらって...。


「あ、いや...勇者はやめ」


「あなたもあんなイキリ野郎に友達認定されて大変だと思いますが...」


クレアさんは、俺に哀れむような視線を向けた。

そこで俺は違和感を感じた。


「あれ、俺マックに友達認定された事ってクレアさんに言いましたっけ?」


「.....」


クレアさんは、俺を見つめてじっと黙る。

あれ?何で黙るの?俺なんかまずい事でも言った?


「違いますよ。昨日二人が一緒にいたからそう思っただけで」


「クレア?それどういう事?」

「マックにあったのか?」


びくりと体を震わせるクレアさん。


「昨日はたまたま買い物に来たら会ってしまっただけです、最悪の気分でした」


「昨日?サッコがSNSでマックに似てるコンビニ店員が近くのコンビ二で働いてるって言ったらクレアが突然カモミールティーがきれたから買いに出かけるって言い出して、お気に入りのスカートを引っ張り出して買い物に行ったあの日!?なんか違和感あると思ったのよね。いつもカモミールティー好きだから切らさないように買いだめしてるって前に言ってたくせに!」


「違いますよ。何ですかその言い方は私がまるで彼に会いに行ったかのような言い方じゃないですか」


「そうだったんでしょぉ!」

「まさしくそうだったんだろぉ!?」


三人で喧嘩を始めた。

なんでこのコンビニに来るお客さんって何人かで来ると必ず喧嘩を始めるの?


「つまり皆さんまだマックに未練があるんですか?」


ついに口から出てしまった言葉。


「違うわよ!!」

「違うに決まってんだろ!」

「違います」


三人同時に必死に叫ぶ。

こういう時仲良いんだな。


「あいつを全裸にして木に吊るし、マイムマイムを踊ったあの日から、あいつは私の中では虫けら以下の存在ですからね」


クレアさんが、硬く目を閉じて拳を握りしめるクレアさん。


「あいつ、どうせこっちの世界で新しい彼女でも作ってるんでしょう?」


サッコさんが、拗ねたように腕を組んだ。二人は食い入るように俺を見る。

あ、気になるんだ。


「あの感じはいないと思いますよ」


「そ、そうなんだ!へ、へぇ、まぁどうでもいいけど、あんなの彼女なんてできるわけないわよね。帰るわよ二人共!」


サッコさんは、ニヤニヤ嬉しそうに早口にいってそれを隠すように俺にくるりと背を向けた。


「な、何仕切ってんだよ。全く早く帰るぞ」


アイリスさんも少し嬉しそうにサッコさんに続いた。

クレアさんも無言でそれに続いて、俺の前をピタリと立ち止まり、


「私達は別にあいつに会いたいわけでも、また仲良く旅をしたいわけでもありません、ただ今奴がどうしているのか気になる、それだけです。勘違いしないよう」


冷たい視線で俺は釘を刺され、三人はコンビニの入り口に向かった。

マック、なんだかんだ言って本当に三人に愛されていたんだな...。


ピロリロピロリロ。


「おー!ムラオ!あれから心配で会いに来たぞ!」


ばったり。

まさしくばったりだった。

コンビニに陽気に飛び込んで来たマックと、出口に向かう三人の美女。

目の前に三人のかつての仲間たちと、マックは大きく目を見開いて顔を見合わせた。


「やぁ!皆!元気だったか!会いたかったよ!」


サッコさんは拳を振り上げ、アイリスさんは赤い魔剣を召喚し、クレアさんは魔法陣を展開した。


「いやいやいやいやいや!!待って!俺挨拶しただけなんだけど!?殺されるの!?」


次回──勇者死す。



本日も読んでくださりありがとうございます。


前に告白を断ったらリスカしたカッターをくれた彼女の話をしたじゃないですか。

彼女は高校時代、なんというか私の事を好きというより崇拝していた感じで、友達はいたけど全て偽物で、私だけが本物だったようでした。

貴方は私の唯一の友達なの。一緒に死んで欲しい。ほぼそれでしたね。

私は自己評価が低いのでそんな大層な人じゃない。まだ生きたいと否定し続けて告白も断ったんですが、卒業式の後一ヶ月後くらいに「会いたい」と連絡が来て、私は「またいつか会えたらね」と返したんですよ。彼女は察したみたいでそっか、とだけ。大学に行った彼女はパリピになってて、友達に囲まれて今の私より明るい感じでした。なんか、それをみてもやっとしてしまったこの感情に名前をつけるとしたらなんというんでしょうね。

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