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深夜のコンビニバイト二十四日目 勇者の愉快な仲間達来店(後半)

そういえば、皆さん私が「口裂け女と呼ばれてました」と言ったら私なんか...と何人か感想で教えてくださいまして、どれもちょっと面白すぎてちょっと、また感想お返しするときにお伝えさせていただきますが、皆さんも苦労されてるんですね...。

「夜の散歩よ?アイリス。あんたこそ何でこんな所に来てんのよ?」


「あー?夜の散歩だぁ?いっつもこんな所来ねーだろ。さっさと帰るぞ!こら!」


口の悪い赤い鎧を着た女騎士はサッコさんの手を引いた。

この人は赤い鎧の女騎士アイリスさんだろう。


「あんたのいびきがうるさいから外に出て箒の練習してたらこのコンビニに来ちゃったのよ


「あーん?あたしのいびきがうるさいって...おいおい冗談だろ?お前自分の寝言のうるささ知らねーのか?何て言ってるか教えてやんよ」


女騎士アイリスさんは、鼻をつまんで


「あたしを迎えに来てくれる王子様...ついに会えたわ!素敵!サッコにキスして魔法の馬車で魔法の国へ連れて行って~うふへへふへへ」


最後の笑い方でちょっと不意打ちで笑いそうになったがサッコさんの為に必死に耐える。


「いやなーにが魔法の国だ。おめーは魔法使いじゃねーかっつーの!魔法の馬車を出す方だっつーの。ぷぷ」


やめろ。可哀想だろサッコさんが...ぷぷ。


「そんな気持ち悪い笑い方してないわよ!あんたねぇ...いいわよ!あんたのいびきの真似してあげましょうか?こんなんよ」


顔を真っ赤にして地団駄を踏むサッコさんは、大きく手を広げて、精一杯口を開き、大地を踏ん張った。


「ぐぅおおおおおお!!ぐぉおおお!ぐおぉおおおお!!ぐぅぉおおお!!」


ガタガタガタッ!!休憩室から物凄い物音がして、そうっと店長が扉から俺を覗いた。


「ひっ!今の音はなんだぃ!?獣の鳴き声みたいな音がしたけど!?」


めっちゃ店長びっくりしてんじゃん!やめて!店長の安らかな安眠を妨げないで!


「だ、大丈夫ですよ...くっ...くっくっ店長。何も聞こえませんでしたよ?きっと夢だと思います」


本当...やめて。笑っちゃいけないんだろうけど、本当に面白かった。やめてほしい。


「フゥ、本当かい?夢か...何だ、疲れてるんだな寝るか...」


店長がパタリと扉を閉めた後、女騎士アイリスさんが吹き出した。


「ヒィーッ!!ヒッヒッー!何だよお前さっきの!!やばすぎだろ!!あはっはあはははは!!!」


「むむむむむ!!むうー!!絶対許さないんだから!何よ!!あんたのいびきあんな感じなんだから!」


涙目で顔を真っ赤にして怒るサッコさんに、さらに追い討ちをかけるように爆笑が止まらないアイリスさん。


「流石にあれはねぇだろ!!!ヒッー!あははは!!店員さん...くっぷっくくく起きてきちゃってたじゃん!!あはははは!!」


「な、なっ!何よ何よ!あんた!あんたも何か言ってやりなさいよ!」


突然俺に振られて困惑していると、


「お、お兄ちゃん?サッコの代わりにぃ、このがさつ赤メスブタに反撃してほしいなぁ~?」


「誰が赤メスブタだ。サブカルピンクゴリラ」


二人はつかみ合いの喧嘩を始めた。

喧嘩するなら外でやってほしいが女の喧嘩は怖いので俺は何も言えない。

ただ、サブカルピンクゴリラは本当にネーミングセンスがずば抜けてると思うので笑いそうになる。


「にゃあ!お兄ちゃ~ん?お兄ちゃんはサッコの味方だよね?」


可愛く猫のポーズをとって猫なで声で俺を味方につけようとするサッコさんに、


「いや、俺妹いるんで」


「真顔でマジレスしないでよ!馬鹿ぁあ!」


「へん!そこのお兄ちゃんを味方につけようったってそうはいかねぇぜ!もう化けの皮なんて剥がれてんだろ。ぶりっ子ピンクゴリラめ!」


「誰がぶりっ子ゴリラよ!いびきうるさいがさつ赤鎧メスブタ!」


「そのまんまじゃねぇか!ったく、起きたらいねーから心配して町中探してやったってのによ!そんなひでぇ事言われるとは思わなかったぜ!」


ぽりぽり頭をかいてぶっきらぼうにいうアイリスさんに、顔をぼっと真っ赤にしてサッコさんは、目をそらした。


「...は?何よそれ...ば、バッカじゃないの?あんた?その..サッコだって、あんたが箒で空飛んで見たいっていうから、サッコ...空飛ぶの下手だから。練習してただけなんだから」


「は、はぁ?そ、そんなの昼にやりゃいいだろ?」


「こ、こっそり練習してあんたを驚かせたかったの!上手く行かなかったけど...」


「あ、あぶねえだろうが!深夜に一人で練習したりして!こんな時間に!馬鹿じゃねぇのか!まだ上手く乗れねえくせに!」


「上手く乗れるようになるもん!上手く乗れたら...アイリスをびっくりさせようって、思ってたんだから...」


「ったく、お前って奴は...」


へへと笑い合う2人。何この2人...何この気持ち。何この雰囲気。俺いたらダメ?空気になるよ今から。空気かなもう。二人の世界だもんもう既に。


ピロリロピロリロ


「あらあら~深夜にこんな所で何してるの貴方達~?」


「ヒッ!」


「ヒッ!」


二人はビクッと体を震わせズザッと二人同時に声のした方に正座した。


来店してきたのは、白髪三つ編みの薄緑色のネグリジェ姿の緑と黄色のオッドアイの女性。恐らく、いや確実にこの人シスター服着てないだけで緑と黄色のオッドアイシスタークレアさんだ。

物騒な鞭を持ってにっこり暗黒微笑を浮かべ、正座した二人にあくまで優しく語りかけていた。


「あら?私は、こんな時間に、部屋を抜け出して、何をしていたのかと、聞いていたのよ?」


「ごめんなさい!もういびきうるさくしません!」


「ごめんなさい!もう夜に寝言言いません!変な笑い方しません!」


二人で震えながら必死に謝っている。どういう状況なんだこれ...。


「人様にご迷惑をおかけしてないでしょうねぇ?」


俺をカエルを視界に捕らえた蛇のような目でちらりと見るクレアさんに、捨てられた子犬のような目で俺を見るアイリスさんとサッコさん。


「迷惑なんてかけられてませんよ。大丈夫ですよ」


にっこり笑うと、アイリスさんとサッコさんは、祈るように安らかな瞳で俺を見ていた。

まるで神にお祈りをお祈りをしているシスターのようだった。


「そうですか...よかったですわ。わたくしはクレアと申します。二人が失礼いたしました。それでは」


にっこり笑って二人の首根っこを掴むと、引きずるようにサラッと店外に連れて行こうとするクレアさんに、


「あの...!」


俺は勇気を出して声をかけた。


「どうされました?」


綺麗な声で振り返り微笑むクレアさんに、


「勇者が、勇者さんが、皆さんに会いたがってましたよ!」


一瞬の沈黙。

そりゃ嬉しいよな。仲間に会えるんだもん。仲間が、会いたがってるんだもんな。


クレアさんは、ゆっくりと振り返り微笑んだ。


「そうですか。わたくし達は会いたくありませんとお伝えくださいまし。それでは御機嫌よう」


二人をずるずる引きずって外に出たクレアさん。


...仲間にあんな風にあっさり会いたくないと言われるって、勇者お仲間さん達に何したんだよ。あのポンコツ勇者じゃあ、なんとなく色々やらかしてそうだとは思うけど....。


クレアさんを怖がってる二人の様子じゃあ、勇者に会いたいなんて言えないだろうし、勇者とあの人達が会うことはこの先あるんだろうか?

一応勇者の動画のコメント欄にお仲間来たよ。とだけ伝えておこうかな。

そうだ、一応もしエルフメイドさんが来店して来たら、クロノアさんが来たという事だけは伝えておきたい。


──そういや最近魔王達来ないな。

何してるんだろ。

本日も読んでくださりありがとうございます。


高校でいちごみるくを飲んでいたら、コーヒーを飲んでいた友達に「ガイアは本当可愛いなぁ」と褒めてもらったので毎日その子の前でいちごみるくを飲んでいたら、いちごみるく飲みすぎて嫌いになりました。本当はそもそもいちごみるくはそこまで好きじゃなかったんですよ。何であんなに飲んでたんでしょう。今は体がコーヒーと共に拒否反応を示す飲み物です。

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