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朝比奈さんちの双子姉妹はネコを被っている。  作者: ツナ吉
第1章 美人双子姉妹の本性。
4/4

1-4.学園一のギャル朝比奈夏姫。

  「何だったんだよ……瞬のやつ……」

 嵐のように去っていった瞬とクラスの男子に嫌味を言いながら、 

 ようやく昇降口にたどり着いた。他の生徒もチラホラ下校途中のようだ。

 さて、今度こそ帰って寝るぞ!!そう思いながら、靴を履き替え帰ろうとしたのだが・・・


 え?え?何でこんなに校門前に人がたくさんいるんだ??

 しかも、よく目を凝らして見てみると他校の男子校の人達もいる。・・ってなぜ?

 俺は、遠目から、その人だかりの中心にいる人物に目を向ける。そこには・・・・


「え?その話マジ!!?チョーーーー楽しそうじゃん!!!」


「マジだって!!だから夏姫も今から遊びいこーーよ!!!」


「そうだよ!!夏姫ちゃんも俺らと一緒に遊ぼーぜ!!」


「あーーー・・・ごめん・・今日待ち合わせしてるんだよね……」


「え!?もしかして彼氏!?夏姫ってば彼氏できてたの!?」


「え!?マジで!?夏姫ちゃん!?ウソだよね!?」


「いや!?いや!?ちがうって!!そんなんじゃないってば!!」


 ・・・学園の校門前で、たむろするのは、やめていただきたい・・。

 しかも、その中心人物を俺は知っている。我が校の彼女にしたい女子ランキング

 3年連続1位にして、毎年秋に行われるミス聖嶺館で3連覇という偉業を成し遂げた

 学園一の美少女(ギャル)朝比奈夏姫だ。苗字を見てもらえれば分かると思うが、

 俺のもう一人の姉だ。この辺りの学校で姉の事を知らない者はいない。


「他校の男子まで連れてきて何やってんだよ……あのバカ姉は……。」

 あの姉の行動が突拍子もない事は、今に始まったことではない。

 比較的真面目な生徒が多いこの学園では、あの姉は色んな意味で目立っている。

 その勝手で自由な行動には教師陣も、会長の美織姉さんも手を焼いているらしい。

 しかし、学業では学年で毎回上位をとっているらしく、特に学園外で問題も起こしていないので

 その自由な行動にも強く言えないらしい。そして、俺が一番学園で関わりたくない人物である。


「なんとかバレずに校門を抜けなくては・・・」

 バレたら、面倒な事になるのは目に見えている。そう思い、俺は裏門からの脱出を試みる。

 しかし、早く家に帰って寝たいという気持ちが先走ったのか、俺は走ってしまった。

 学園の裏門は、正門とは真逆の位置にある。ほとんどの生徒は、正門しか使わないため、

 下校する進行方向とは逆に裏門に走ってしまった俺は、姉からみればすぐ分かったのだろう。


 「あーーーー!!!!ハル!!見っけ!!!!!!」 

  運悪く見つかってしまった。しかしまだ姉とは距離がある。このままいけば!!


 「くっそ!!!捕まってたまるか!!!!」

 さすがに100mは離れているのでこのまま全力疾走すれば、逃げ切れるだろう。


 「これでも中学の時はサッカー部だったんだ!!なめるなよ!!!」

 そう言いながら後ろを振り向く。さすがにもう追ってこれな・・・・・あれ??

 何故か、俺の真後ろに姉がいた。その顔は、笑顔だ。しかし、

 何でだろう・・俺は、恐怖を感じている・・・。

 そんな事を考えていたら案の定捕まった。


 「おい愚弟?なんで逃げたのかな??」

 そう笑顔で問い詰めてくる。あれ?この感じ今日も味わった気がする・・・。


「・・いや……あの…その…これには訳があr・いたたたたた!!!???」

 問答無用で、コブラツイストをかけられた。相変わらず顔は笑っている・・・。


 「おいおい…またあの弟…夏姫さんとイチャイチャしてんぞ…。」

 

 「そろそろ俺らでぶっ飛ばすか……」

 周りの男子達の声が聞こえてくる。主に俺への悪口のようだ・・・。

  ・・・お前らには、コブラツイストが、いちゃついてるように見えるのか?

 そう。毎回こうなってしまうから関わりたくないのだ。学園では・・・・。



  「それで、何の用だよナツ姉」

 ようやくコブラツイストから解放された俺は、姉にそう尋ねていた。

 学園では色んな意味で目立ってしまうので、俺たち姉弟がよく行く喫茶店「ふくろう」に移動した。

 ここは、小さい頃から通っている店なので、すごく気に入っている。

 お店のおじさん(マスター)もすごく落ち着く良い人で、中学の頃はよく思春期特有の

 悩みを聞いてもらったものだ。

 基本的には、落ち着く良いお店なのだが、この店の娘がまた面倒くさいやつで・・・

 まあ、そのうち紹介すると思うので割愛させてもらう。


 「ん?何がーー?っていうか暑い……無理…死んじゃう……」

 そう言いながら、スカートを両手でパタパタし始めるナツ姉。

 ただでさえ膝上までスカートを上げているので、非常に、

 目のやり場に困るからやめていただきたい・・・。


 「だから、何の用で俺の事追いかけまわしたんだよ・・」

 

 「ん?あぁー今日帰りに買い物付き合ってもらおうと思ってさ」


 「何で俺が行かなきゃいけないんだよ……友達と行けよ……」


 「どうせ帰っても寝るだけじゃんハルそんなんで人生楽しいの?」


 「寝ることが俺の幸せなんだよほっとけ・・」


 「そんなんじゃ彼女出来ないぞー?せっかくの高校生活そんなのでいいのか?」

  ひどい言われ様だ。さすがにちょっと腹が立ってきた。

 何か言い返せないかと思っていた時、携帯が鳴った。

 ・・俺ではないようだ、って事はナツ姉か。しかし当の本人は、

 携帯にでようとしない。ん?何故かナツ姉の顔が急に真っ青になっている。


 「着信でないの?」


 「え!?あぁ…その…し、知らない番号だったし!?無視しただけだから・・・」

 怪しいな。昔からウソが苦手だったナツ姉は、ものすごく分かりやすい。

 そう思っていると今度は、俺の携帯が鳴った。・・美織姉さんからか・・・。

 何だろうと思いつつ着信にでようとすると・・・


 「ダメ!!!!出たらダメ!!!!!」


 「え?何で?」

 何故かナツ姉に止められた。

 こんなに焦っているナツ姉は、久しぶりに見る。

 ・・・まさか!!そう思い俺は、電話に出る。


 「もしもしハル君?夏姫ちゃんどこにいるか知ってる?」

 それは、ものすごく優しい声音だった。

 しかし何故だろうか。震えが止まらない。それは、ナツ姉も同じようだ。

 ナツ姉が、泣きそうな顔でこちらを見てくる。

 しかし、先ほど俺の昼寝人生を否定されたのでここは、罰を受けてもらおうかフフフ。

 

 「ナツ姉なら今一緒にいるけど?どうかした?」


 「あ!!?ハル!!裏切ったな!!」

 俺は、美織姉さん側についた。フフフ。学園一自由なナツ姉でも美織姉さんは、怖いらしい・・・。


 「あらそうなの?じゃあハル君携帯をスピーカーモードにしてもらえる?」


 「はい。承りました。お姉さま。」

 そう言いながら携帯をスピーカーにする。すると美織姉さんは、こう言った。


 「フフフ。夏姫ちゃん?お話しがあるから20秒以内に生徒会長室に来てね♡♡」

 それだけ言い残すと電話が切れた。・・・あの優しい声は、相当怒っている・・・・。


 「あ……あ…ああ…あ…」

 昼休みの時の俺のように、どこぞのジブリの顔がない黒いやつみたいな

 声しか出せないナツ姉。ご愁傷さま・・・・・。


 「ハ、ハ、ハルのバカあああああああ!!!!!!」

 そう言って半泣きで喫茶店を後にしたナツ姉であった。


 「自業自得だろ……あれは……」

 そして、俺はマスターと少しばかり雑談をして、夕食の材料を買って、

 帰路に着くのだった。




 


 


 



 

今回で、主人公の姉二人が登場しました!!

学園では生徒に慕われている彼女たちも家に帰ると・・・・

美織さんは、怒らせてはいけないという事がわかりましたね(震

では、次回もお楽しみに!!

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