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姫と海賊  作者: ベイリー
6/10

海戦をはじめる

「船長。作戦の開始時刻でございやす」

「うむ」

キロックの言葉に船長はうなづく。船長は一歩前に出て大きな声をあげた。

「作戦開始!」

「オオー!」

船長の言葉に二隻の船は雄叫びをあげた。鐘を鳴り響かせ、少しずつ速度を上げていく。

「大砲 装填開始」

船長の声を受けキロックが声を張る。

「大砲 装填開始ーーー!」

乗組員はまた声をあげ、大砲の持ち場へとつき始める。

もう一隻の船でも同様の事が行われていた。

二隻は縦一列に並びはじめた。航路を敵アジトに対して右斜めへ持っていく。

ある程度近づき、アジトの前景が見えてきたところで船長は進路を左斜めへとるよう指示した。

「さあ、本番の始まりだ」

船長は右手を高く上げる。船が回頭し、左斜めへ進路を取り始めた時、その手が振り下ろされた。

「撃てーーー!」

キロックがそれに合わせて声を張る。

その言葉のすぐ後、二隻の船から大砲の弾が放たれた。

砲弾は凄まじい音をたてながら発射され、次々と敵のアジトに命中した。

要塞のようなアジトの入り口は、がれきとして散り、破壊された。

「甲板の大砲は、敵アジトの大砲を狙え」

船長は要塞の上に備え付けられた大砲を指差した。

キロックはそれを確認できなかったが、船長が言うのだからそうなのだろう。

「了解しやした」

キロックはまた声をあげる。

「甲板の大砲は目標を敵アジト上方へ変更!」

「了解ーーー!」

甲板の上の乗組員はそれに呼応して声をあげる。それと同時に甲板の大砲は射角を高く設定した。

「第二射撃て」

「第二射撃てーーー!」

続けざまに数十の弾が放たれる。アジトは再び崩れ始めた。

しかし、ここでアジトに変化が現れ始める。今まで沈黙していた敵の大砲が砲撃を始めたのだ。

同時にアジトの港からは一隻、また一隻と船が出航し始めた。敵の反攻が始まったのである。

「両隻とも甲板の大砲は敵アジトの大砲を狙え。それ以外は敵の船を沈める」

キロックが復唱すると、部下の一人は旗を振ってもう一隻へ命令を伝えた。


敵の船はさらに現れたが迎え撃つ船長たちの大砲を前に、何隻も海のもくずと消えていった。

通常、船の大砲は進路と垂直に放たれる設計になっている。そのため、迎え撃つ側の方が圧倒的に有利なのだ。


二つの船は近づいてきた船を挟撃した。

挟まれた敵船はなすすべなく、集中砲火の前に消えていった。


ある程度敵を撃滅し、反攻の勢いが弱まったところで船長は次の行動に移る。

「上陸する」

「へい。それでは敵の港へ向かうので?」

キロックの質問に船長は答える。

「いや、おそらく敵は待ち伏せしているだろう。」

船長はアジトの一角を指差した。

「最初の攻撃で、外壁が一番壊れている。あそこを集中的に攻撃し、そこから侵入しよう」

「了解しやした」

キロックは再び声をあげる。

「トムの船に、この船の進路の先にある壁を攻撃するよう伝えるのだ!」

部下の一人が旗で命令を伝える。

「全員突入の準備だ。あらかた敵の大砲はつぶしてあるが、注意せよ」

船長の言葉を合図に再び船上はあわただしくなる。進路はアジトの一角、トムの船が援護射撃を開始する。

甲板には銃の箱が運び出され、大砲に従事していた乗組員たちは次々にそれを手に取る。

各々は銃に弾をつめ、剣を腰に帯びた。


ドゥゥゥン という大きな音が聞こえる。

どうやらトムの船が突入口を切り開いたようだ。

それと同時に船長の船が突入口へと接岸する。

「予定通り、突入隊と防衛隊に分かれて行動する。キロック、船を頼む」

「了解しやした!」

船長は乗組員の半分を引き連れ、敵のアジトへと侵入していった。


いつも見ていただき、ありがとうございます。

少しずつ更新していくので、毎日少しだけ楽しみにしていてくれたら、

嬉しいです。

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