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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
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82.教えてランブル先生

今回も戦いなど無い

前話からの続きなので会話回です

 薬草茶で和んでいた空気をランブルの一声が真面目な物に変える。

「君たちは特に依頼で来たわけでもないようですし、どういったご用件だったのでしょう?

 薬のご入用ですか?」

 ランブルさんが商人の顔を出しつつ、シュウ達の来訪の理由を尋ねてきた。

「実は今日来たのはこちらを見て頂きたかったからです」

 ランブルの真面目な雰囲気にシュウも姿勢を正して魔法鞄からナイフを取り出してテーブルに置く。

「今日ティアと一緒に街の外にクエストに出かけていて、その帰り際にとある騒動に巻き込まれて手に入れた物です。

 冒険者ギルドでマルクさんに見せるとランブルさんに見てもらようにと言われて来ました」

 シュウはナイフを持ってきた経緯を簡単に説明し、ナイフを見て欲しいことを伝えた。

「ちょっと見えてもらっても?」

 シュウは黙って首を縦に振る。

 ランブルは真剣な顔になって、慎重な手つきでナイフを手に取り、兎革から刀身を抜き出す。

「……。

 ふむ。

 なるほど。

 これは毒ですね?

 それもかなりの猛毒です」

「見ただけでわかるんですか?」

 ナイフを手に取り、毒を見ただけでそこまで判断するランブルに目を見開く。

「これでもかつて冒険者時代に様々な毒を見てきましたからね。

 よくデストと話し合ったものです。

 と、なるほどマルクからということはこれもデストと成分を調べてくれってことですか」

 そう言って、布を取り出しナイフにから染み出る毒を拭きとる。

「そこまでわかるんですか!?

 たしかに成分を調べて欲しいと言ってましたが、デストさんと一緒にとは言ってませんでしたが」

「私は回復専門の錬金術師ですからね。

 毒の事についてはデストには敵いませんから。

 彼の所へ君たちを直接行かせずに私に行くように言ったのは、デストの私たち以外へのコミュニケーション能力を考慮したからでしょう」

 シュウはデストと会った時の事を思い出してみたが、依頼の内容といった大体決まった話でもやり取りに時間がかかった。

「ふむ。

 布と革を見るに腐食や酸性を含んではいないようですね。

 このナイフを入手した状況をお聞きしても?」

 シュウは頷いて、ギルドでしたロックホーンについての説明をした。


「ふむ。

 あのロックホーンを衰弱させるほどの猛毒。

 依頼がギルドに来た時間も考慮すると強い毒で弱った訳ではなく、ジワジワと長時間毒が消えずに体力が削られた……。

 毒が常にナイフから供給……

 いや、この強力な猛毒を使い捨てにするとは考えられない……」

「はい!

 先生!」

 ナイフと猛毒について考察しているランブルに向かって、手を上げてアピールするシュウ。

「どうしました?」

「猛毒と言ってますが、毒とどう違ってどのくらい強いのですか?」

「毒と猛毒の違いですか。

 こんな機会でないと猛毒なんて見ませんからね。

 この周辺に扱うモンスターもいませんし。

 まず名前の通り非常に似た性質を持っているのはおわかりだと思います。

 簡単な違いと言えば毒は時間の経過によって効果が薄れていつかは自己治癒能力が勝って解毒されます。

 毒の種類によって解毒までの時間は変わりますが。

 猛毒は効果が薄れず体内に残り続けるので常人の自己治癒能力では回復できません。

 偏に毒と猛毒も種類と性質によって様々な悪影響を引き起こしますね。

 毒なんてよく聞く状態異常の代名詞で冒険者の中でも軽視される方もおられますが、状態異常の中で一番死亡例が多いと思います。

 治癒ポーションと解毒ポーションはケチったらだめですよ」

「はい」

「私は治癒魔術使えるのですが……」

「街で見かけた時もそんな話をしてたね。

 治癒術師はパーティの要だからね。

 一番倒れてはいけないポジションだからこそ、もし状態異常になった時の対処も用意しておかないといけないよ。

 中には魔術が使えなくなることもある。

 ポーション類は準備しておきなさい」

「はい。

 わかりました」

 ランブルの忠告に二人は素直に聞く。

 シュウに至っては自作してクランとリンの分も作って持たせようと考えている。

 解毒ポーションを作るコツも掴んだから。

「本当はポーション類をもっと安価にして冒険者達に持たせられるようにギルドに働きかけてるんだが、街や国も必要としていてね。

 中々供給が追い付かないんだ」

 シュウはランブルがポーションを店の分以上に作っているのを知っている。

 ギルドにも納品していて、ギルドに売っているのは大半がランブルのポーションだということも。

 今日店を閉めているのも配達と調合の為だろう。

「また、時間がある時に私たちが経験した状態異常の話と研究した対処法をお教えしましょう。

 今日はこのナイフの猛毒についてですね。

 布に毒素は染み込ませましたので、ナイフはお返しします。

 私はすぐにでもデストの所に持っていき、成分を調べましょう」

「よろしくお願いします。

 お店は大丈夫ですか?」

「今日は定休日ですから。

 お願いされた配達は終わりましたしね。

 シュウ君、この後時間はありますか?」

「え?

 あ、はい。

 まだ陽も出てるので」

「なら、このまま鍛冶屋にこのナイフを持って行って材質の線から調べてもらってみてください。

 シモンさんには面識があるはずですね?」

「はい。

 依頼で何度か行ってますし、ちょっと装備について相談しようと思って行くつもりでした」

「それなら丁度良かったですね。

 あと……」


 シュウとティアリスはランブルと一緒に裏口から出て店の前でランブルと別れた。

 その足で装備の相談とナイフを調べてもらうために鍛冶師シモンの工房に向かった。 

戦いがないとほぼ会話だけで済ませようとする悪い癖に気付きました

でもね、まだまだ続くんですよ!


ここまで読んで頂きましてありがとうございました

皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです

それではまた~


メリクリ!

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