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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
78/303

75.ナイフの持ち主

また冒険と名乗っておきながら

冒険しないターンが続きます。

(あれでクエスト達成になるのか?。

 元々大人しいモンスターが暴れる原因を解決したからかな。

 最後は全然暴れなかったし、甘えてくる感じだったもんな~

 モンスターに襲われていなければいいけど)

 目の前で受付嬢二人が口を開けて唖然としている中、シュウはティアリスの言葉であのロックホーンの事をのほほんと思い出していた。

 危険な域まで進行していたが毒素を除去してきたし(アルテの鑑定で毒が消えたことを確認した)、念のためにと解毒ポーションも残してきた。

 後は、治癒ポーションと野生の自然治癒能力で回復して森に帰ってくれることを祈るだけだ。

 

 のほほんと考えているシュウと自分が告げた事で固まる受付嬢を見つめるティアリスの前で、まずサーシャが再起動した。

 今日まで目の前のルーキー二人の担当していた差が出た結果だ(ティアリスはサーシャを避けていたが)。

 肘で隣のドレーヌを突つくと、

「ちょっとお預かりして、確認してきます。

 一緒にキリア草も手続きしてきますね」

 受付嬢が互いに目配せをして、サーシャが二人のギルドカードを、ドレーヌがキリア草の入った麻袋を手に取って立ち上がった。

「少し、待っていてください」

 シュウとティアリス、特にティアリスを見つめてからサーシャ達は出て行った。

 ティアリスはその目から顔を逸らしていた。

 言外に「勝手に帰らないでくださいね」と釘を刺していることを悟ったからだ。

 シュウがいなければティアリスは帰っていたかもしれない。

 いや、帰っていただろう。

 隣でそんなことが起きているとは露も知らずにシュウはまだのほほんとロックホーンのことを考えていた。

 そして、

「あ、あのナイフのことを聞いてみようか?」

 ロックホーンが暴走する原因となったであろうナイフを思い出し、ティアリスに相談する。

「そうね。

 私達よりも他の冒険者の事をよく知っている受付なら、持ち主がわかるかもしれないわね」

 ティアリスもナイフの事に関して賛成だった。

 まだまだ冒険者の日が浅い二人には他の冒険者の武器を覚えている訳がなかった。

 少しパーティに参加していたティアリスはそのメンバーの武器は最低限覚えているが、ギルドに所属している冒険者の数パーセントでしかない。

 ティアリスは自分よりもパーティ経験がなく、田舎から出てきて世情に疎いというシュウはさらに自分の事で精一杯で他人の武器を見ている暇はなかっただろうと思っている。


 だが、実際は違う。

 シュウはロックホーンに刺さっていたナイフを抜いて、ロックホーンの血を拭った後改めて観察した。   

 そして、記憶の中で冒険者ギルドで見た冒険者が装備していた武器と照合する。

 結果、同じナイフを持っていた人物は()()()()()

 少なくともシュウがブランジリの冒険者ギルドにいる間にいた冒険者の中には。

 シュウはブランジリの周囲は比較的平和で冒険者のほとんどがランクが上がると王都や他の国に活動拠点を移すと聞いている。

 だが、いない訳ではない。

 シュウが見た中でAランク以上はいなかったが、Bランクは少ないけれどいた。

 そして、シュウはそのBランクまたはその下のCランクの冒険者の装備について二通りに分かれると考えている。

 一つは、他の冒険者が一目でわかる程の性能を持つ武器を見つけている冒険者。

 仕草や言動から圧倒的な自信が伺えた。

 特にパーティのリーダー役等カリスマ性を感じさせる出で立ちだ。

 もう一つが、メイン装備を隠している冒険者。

 前者と後者では数では後者が多いだろう。

 武器などから手の内を明かしたくないと窺い知れる。

 冒険者ギルドでクエストを受けるが、その場で装備をしていなければいけないというルールはない。

 依頼をこなして帰ってきさえすれば、どこで装備を着ようが脱ごうが関係ない。

 特に信頼のおけるパーティ以外の前では本気装備をしないのではないかと、シュウは思っている。

 見た目以上に入る魔法鞄がある世界だ。

 報酬が多くなる高ランクの依頼を受けれるようになると魔法鞄を買えないことは無いだろう。

 冒険者の目印として簡単な武器(店で売っているような小剣や長剣、ワンドやスタッフ)を身に付けてギルドに来てクエストを受けて、街に出た後か目標の手前で装備を変えるのだ。

 街中で重いフルプレートアーマー等を着ていたら、それだけで疲れてしまう。

 まあ、フルプレートアーマーを着ようという者なら十分な筋力を得ているだろうが。

 そんな中でロックホーンの硬い鱗を貫通するようなナイフ(しかも仕込み猛毒の)を普段から身に付けている者はいないだろうと考えている。

 どう考えても街中で装備していていい物ではない。

 普段は鞘に入ってたとしてもだ。

 さらに、メイン武器でもないとも思っている。

 どちらかといえばサブ武器。

 メイン武器の陰からここぞという時に使う武器。

 猛毒が仕込まれていたことから暗器に近い使い道なのかもしれない。

 そんなナイフがどうしてあのロックホーンに刺さっていたのか。

 実際に間近で戦い、ロックホーンの身体を調べたシュウはあることに気付いていたが、ティアリスに話していないことがある。

 あのロックホーンは()()()()()()()()()()()()

 シュウはロックホーンと両手ハンマーで戦ったが、全てロックホーンの攻撃を撃ち落とすために狙いを両前足に絞っていた(戦ったあと両前足がボロボロだったのを謝りながら治癒ポーションを使った)。

 ティアリスの魔術で鱗が焦げた箇所があった。

 鱗の防御力は高かったが、受けた攻撃の痕跡が残らない程ではなかった。

 あのロックホーンは綺麗すぎだったのだ。

 シュウ達と出会う前に他の冒険者と交戦した形跡がない。

 鱗を貫通するようなナイフを持つ冒険者だ。

 もし他の原因で暴走したロックホーンに襲われたのなら、どこかに戦いの痕跡が残っているはずだ。

 傷が塞がったという線も無いと思う。

 ただでさえナイフの毒で死にそうな身体だった、体は自然と毒に抗おうとそちらに全力を注いでいたはずで傷の修復などしている余裕はなかっただろう。

 シュウが出した結論は、


 高ランクの冒険者がロックホーンに忍び寄り猛毒ナイフを刺して去った。


 というものだ。

前話のあとがきで書いたようにちょっと頑張ってみました。

少ない文ですが、読みやすさ的にどうでしょうか。

本当は一週早ければ祝日だったのですが、思いつくのが遅かったですね……。

無理のない範囲で今後も週二回投稿できたらと思ってます。


ここまで読んで頂きありがとうございました。

皆さんの空いた時間を少しでも埋めることができたなら幸いです。

それではまた~

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