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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
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73.冒険者ギルドに戻ってきたよ

ロックホーン戦から一段落……

そして次の日……

にはならず長い一日はまだまだ続く

 後ろ髪を引かれつつロックホーンと別れて二人は街に帰ってきた。

 二人並んで冒険者ギルドに向かって歩きながら、シュウは今日何のクエストを受けてたっけと本気で考えてしまった。

 ああ、キリア草の採取だと思い出す。

 それほどロックホーンとの戦いは濃厚だった。

 二人のランクではまだまだ敵わない相手であり、実際にこちらからの攻撃はほぼ通っていない。

 猛毒によってすでに追い詰められた状態のロックホーンを落とし穴に落として動けないようにしただけという、結果を見ればなかなか情けないものだ。

 これがルーツだとあの鱗の上からでも剣なら斬ってしまっただろうし、ハンマーなら叩き割ってしまっていただろう。

 あのロックホーンにしてみればシュウでよかったのかもしれない。

 原因となったであろう猛毒のナイフさえなければ、ロックホーンは苦しむことも戦うこともなかったと思える。

 そう言えるほどシュウはあのナイフが原因でロックホーンは被害者だろうと考えている。


「ギルドに報告したら、真っすぐ帰るの?」

 シュウが今日の出来事を思い返していると、隣を歩いている灰色魔術師さんから声をかけられた。

 ティアリスは街に入る前にローブのフードを目深に被っている。

「そうだな~。

 ロックホーンにもクレヴァにも武器が通じなかったからな~。

 まだまだ力量不足もあるけど、装備を見直すのもいいかもしれない。

 そういえば、短剣も折れちゃったままだからね」

「クレヴァ……。

 あのオーガね。

 私の魔術も効かなかったな」

「僕達もまだまだだってことだね」

「……私も装備見に行くの付いて行ってもいいかしら?」

「え?うん、いいよ。

 でも、つまらないよ?」

「?

 自分の身を護る装備を見直すのにつまらないなんて言っていられないわ」

「あ、うん。

 そうだね。大事なことだ」  

 つい、地球にいた頃の感覚で言葉が出てしまった。

 シュウの買い物に幼馴染が付いて来ようとした時だったか。

「じゃギルドに報告が終わったら、いつも行ってる店の人に相談してみようか。

 その人も元冒険者って言ってたから何かアドバイスしてくれるかも」

「そうね。

 そこに行ってみましょう」

「じゃとりあえず冒険者ギルドだ」

 キリア草採取のクエストを受けた時はもっと早く帰って来れると思っていたが、ロックホーンとの戦いとロックホーンの治癒に時間がかかってしまった。

 でもまだ、陽が落ちるには時間があるのでギルドに行ってからでも、ゆっくり装備の相談もできるだろう。

 シュウはそうのんびり考えながらギルドへ向かった。


 二人が戻ったギルドはまだ他の冒険者が帰ってくるには早い時間なので閑散としていた。

 時刻にすると午後4時ぐらい。

 まだ依頼を受けた冒険者が帰ってくるには早く、簡単な依頼を受けた人はすでに報告が終わって街に繰り出している時間だ。

 二人は人が少ないギルドの窓口に向かった。

 座っていた受付がシュウに気付いてサーショを呼び出してくれる。

(思うけど、サーシャさんいつもいるな……。

 ギルドってちゃんと休みあるんだろうか?)

「おかえりなさい。

 今日はゆっくりされたんですね?」

「サーシャ、まだ帰らないってそわそわしてたんですよ?」

 受付に出てきたサーシャが迎えの言葉をかけてくれた後に続けて、サーシャを呼んだ受付嬢が座りながら教えてくれる。

「ちょ、ちょっと余計な事言わないでくれる!」

「むーむー」

 サーシャは慌てて横の受付嬢の口を塞ぐ。 

「い、今のはこの子の冗談ですから!と言っても心配してなかったわけではなくてええとティアリスさんのこともあって宿は無事とれたのかも気になってましたしけれどそれはシュウさんにお任せしたのでそこは大丈夫と思ってましたがそれとは別に少し心配な話もあったので出られる前に受けられた依頼にしては時間がかかってるなと思って巻き込まれていないか心配してましたがお二人が一緒に戻って来られて安心したのですがそれはそれでずっと一緒だったのかなとか……」

 何言ってるか聞き取れない程の早口でサーシャが話を続けているが、口を塞がれた受付嬢が苦しそうにサーシャの腕をピシピシ叩いている。

 あ、これ口と一緒に鼻も塞いでる奴だ。

「あ、あのそろそろ手を放してあげないと息が……」

 シュウは弾幕のように話し続けるサーシャを窘めるように両手を振る。

「え?

 あ、あら?」

 サーシャが横の受付嬢に目を向けると、受付嬢はちょっと女性として人に見られて危ないラインで白目を剝きかけていた。

「あああ、ごめんなさい!」

 気付いたサーシャが勢いよく受付嬢から手を放すと受付嬢は気を失う寸前だったようで体が後ろに倒れていく。

 寸でのところでカウンターから身を乗り出したシュウが腕を掴んで落ちるのを防いだ。

「だ、大丈夫ですか!?」

「……ぁ、ぅん。

 だいひょうぶひぇす」

 受付嬢は焦点の定まっていない目をしながら返事をした。

「ちょっと休ませてあげた方がいいかもしれませんね。

 個室は空いてますか?」

 シュウが横に立つサーシャに声をかける。

「……ええ。

 じゃあ、こちらへ」

 サーシャが済まさなそうにしながら、シュウから受付嬢を受け取り個室の方へ連れていく。

 シュウとティアリスも顔を見合わせてから個室の方へ向かう。

「人を窒息させかける程ってあの人どんだけ力あるのよ……?」

 後ろから見ていたティアリスが小さく呟いていた。

(僕もそう思います)

 心の中で小さくため息をついた。

一日はまだまだ続くよ


皆さまが健やかにお過ごし頂けますように

空いた時間の埋め合わせ読んで頂ければ幸いです


それではまた~

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