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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
72/303

69.クマさんに出会った クマじゃねえええ

今回はやっと戦闘がっ


余った時間が少しでも有意義な時間になりますように

 場所はキリア草の群生地を囲む岩の前。

 二人で採集し終わったキリア草をまとめている所だった。

 森の奥の方からすさまじいプレッシャーを感じる。

 気配察知のない(と思う)ティアリスですら感じ取ったのか、シュウと同じ方向を凝視する。

 

 ……ゥゥウン ……メキメキッ ……ズズウウゥゥン


 凝視している方の遠くから木が何かにぶつかり倒れる音が聞こえてきた。

 それがだんだん大きくなってくる。

「……何か思い当たることは?」

 シュウは音のする方向から目を離せず横のティアリスに恐る恐る尋ねる。

「……わからない……わ」

 ティアリスも同じ方向から目が離せないまま答える。

 シュウよりも討伐クエストを受けて様々なモンスターと戦ってきたティアリスだがここまでのプレッシャーを感じたことは無かった。

「……とりあえず。

 逃げよう!」

 強張った体を全力で動かし落としていた鞄を担いで動けないままのティアリスの手を取って森の出口に向かって走り出す。

 駆けだした二人の背後から木々が倒れる音が近づいてくる。

 森の中なので注意して走らないと木の根や草に足を取られてしまう。

 思ったよりも速度が出ない。

 特に女性で魔術師のティアリスには森の中で全力疾走はきついだろう。

 一般人よりは体力はあるだろうが。

「ティア!

 草原まで頑張ろう!」

「……ハァハァ。

 う、うん」

 シュウはティアリスが転ばないように気を付けながら手を引く。

 その間にドンドン音が大きくなってくる。

 地図を確認する暇はないが勘でもう少しで森から抜けれると思う。


 ……ドドッドドッ


 木々が倒れる音の中に何かの押し音が混ざって聞こえるようになった。

 重量のある足音だ……。


 森の中を懸命に走る。

 気持ちが焦っているので正確な時間がわからない。

 けれどやっと前方に森の切れ目が見えてきた。

「ティア!

 もう少しだ!」

「……ハァッハァッ」

 ティアリスは返事がすることもできない程息が切れてしまっている。

 彼女には申し訳ないけど、ここで速度を緩めることはできない。

「行けえええーーー!」

 二人で勢いよく森から飛び出す。

 そのまま止まることなく草原を掛ける。


 ドゴーーーン


 森の端にあった木が半ばから折れ、草原の宙を舞い地面に叩きつけられる。

 横目で叩きつけられた大木が粉微塵になるのが見えた。

 走りながら後ろを振り返ると森から追いかけてきたものの正体が見えた。

「なんだアレ!?」

 こちらの世界の生き物に疎いシュウは現れたモノの正体がわからない。

 地球の生き物で例えるならばサイだろうか。

 ただサイの様に哺乳類とした肌には見えない。

 木々の影から陽の光の中に飛び出してきたそいつはこげ茶色の鱗を身にまとった四足獣。

 サイとトカゲを足したような姿をしている。

 ただ特徴的なのは頭部から突き出た二本の角。

 あれで引っかけて木を吹き飛ばしたのか。

「……あ、あれは、ハァッハァ。

 ロックホーン……」

「ロックホーン?」

 息を切らしながらもティアリスも後ろを確認し、正体の名を教えてくれた。

「……昨日、私たちの……ハァッハァッ。

 パーティが……ハァッハァッ。

 あの森を目指して……ハッハッ。

 暴れるロックホーン……ハッハッ。

 討伐って言ってました……ハッハッ」

「普段から人を襲うの?」

「普段は、大人しい……。

 気性の……。

 ようです……」

(普段大人しい動物があんなに真っすぐ僕達を追ってくるのか?)


 シュウ達は足元を気にせず走れるようになって速度を上げていた。

 だが、ロックホーンも同じで木々をなぎ倒さなくても進める分早くなったようだ。

(このまま走っていても街までティアがもたないか……。

 どうする……?)

 手を引くティアリスの様子を伺うと今にも倒れそうだ。

「ティア」

「?」

「僕が時間を稼ぐから、街まで……」

「嫌」

 シュウの提案にティアは即答だった。

「な、なんで?」

「ハッハッ。

 ……もし、それであなたに何かあったら……。

 ハッハッ。

 宿の人やギルドの人になんて言えばいいの?

 それに、一緒だった私が無事だったら……。

 私を死神って呼ばせたいの?」

「そ、それは……」

 そうだった。

 ここまで他のパーティで何かあっただけで悪評を立てられるティアリスだ。

 シュウに何かあれば、さらに噂が広まるだろう、

 いや、それはもう噂ではなく事実として。

 下手をすればブランジリにティアリスはいられなくなってしまうかもしれない。

(うーむ。

 足止めして、ティアを先に帰すのはダメか。

 そして、この状況で僕が大怪我を負う事も出来なくなったぞ……)

 シュウが生きてても大怪我を負うだけでティアリスが災いを呼んだと言われてしまうだろう。

(本当は僕が受けたクエストで僕が決めた場所にティアが付き合ってくれただけなんだけどな~)

 シュウとティアリスの事情なんて周りはお構いなしで事実だけを受け取り、その後は尾ひれがついて拡散していく。

(けど、このまま走って逃げきることもできそうにないしな)

 後ろを振り返るごとに距離が縮まってきている。

(仕方ない。

 どこまでできるかわからないけどやるしかないか)


「ティア。

 戦おう」

戦いませんでしたーーー

次回です。

某ウィルスも少なくなってきましたが

油断せず

お身体大事にしてください

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