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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第二章 冒険者と仲間
59/303

56.疾る<はしる>

お久しぶりです。

ほぼ1年弱空いてしまいました。

前どんなお話か忘れてしまったですって?

大丈夫。

私もです。

 午前11時18分

 シュウは伸ばしていた体を戻し、街に戻ろうと亜麻を詰めた鞄を持ち上げる。


 ガサッガササツ


 先程、顔を出してきたワイルドラビットと同じ茂みからまたワイルドラビットが飛び出してきた。

 しかも、一匹や二匹ではなかった。

 十匹近くのワイルドラビットが茂みから飛び出してシュウの脇を駆け抜けていく。

「な、なんだ?」

 通り過ぎていくワイルドラビットに困惑しながら目で追いかけるシュウ。

 群れが過ぎ去ったのか出てくるワイルドラビットが止まった。

「なんだったんだ?

 あんなに慌てて移動するものなのか?」

『否。

 ワイルドラビットは群れで縄張りを持ち、一定地域から移動することはありません。

 予測。

 縄張りに異常発生』

「縄張りに異常か……。

 向き的には飛び出てきたあっち……?」

 シュウはワイルドラビットが飛び出してきた茂みのさらに向こうを見つめる。

「!」

 見つめる方向から何か嫌な風を感じた気がする。

 自然とシュウは駆けだした。

(何か向こうで起きてる気がする!)

 シュウは次第に走る速度を上げていく。

 そちらはブランジリから西の方角だった。


 午前11時35分

 この世界にきて暫く過ごし、良かったと思ういくつかのポイントに強くなったことがあげられるとシュウは思う。

 毎日修行していることでそれなりに重い物も持てると思っている。

 漫画やアニメでは簡単に振り回しているように見える剣も、鉄でできているのでそれなりに重い。

 それを今は漫画の様に振り回せる。

 そして、今実感しているのはスタミナだ。

 地球でこんなに走るととっくに音を上げている。

 それが体感だが地球にいたころよりも早く走っているのに、まだ余裕がある。

 しかも全力に近いが、早さにもまだ出せる気がする。

 ただ速度を重視しているので、足音を殺すような技術との併用はできていない。

 そして、地球ではなかったもの。

 魔法。

 前方から微かに魔力の流れを感じる。

 走りながら前方に集中していたのでなんとか感じることができた。

 たまに爆発のような光も見え、粉塵が巻き上がっているのも見えてきた。

(もう少し……)


 午前11時39分

 近づいてきたので走りにながらもなるべく体を低くし、高い茂みに身を隠しながら進む。

 遠目に現場の状況が見えてくる。

 こちらに背を向け座り込んでいる冒険者がいた。

 そして、その冒険者の前に立ち大柄な獣人。

(……くっ!

 間に合わない!)

 絶望的な状況に心臓が締め付けられるような気がした。

『提案。

 射程増強・速度強化による遠距離魔術攻撃』

(そんなことが可能なのか!?)

『是。

 ただし、熟考の時間はないと思われる』

 魔術書の声に現場に意識を戻すと獣人が曲刀を持ち上げていた。

(頼む!間に合ってくれ!)

『ストーンブレットを』

 シュウは走りながら目標に右手を突き出し、

「ストーンブレット!!!」

 魔術名を叫んだ。

 いつものように魔力がホルスターの魔術書に流れるのを感じる。

 が、量がいつもより多い。

 そして、右手の先に()()()よりも大きな岩が現れた。

 それが、目に留まらぬ速さで撃ちだされる。

 シュウはそれに合わせて茂みから飛び出し、冒険者の元へ最短距離を走る。

 ストーンブレットは曲刀を持った獣人に当たり、そのまま吹き飛ばした。

 しかし、獣人はまだいたようで吹き飛ばされた獣人に巻き込まれそうになって、慌てて避けたようだ。

(まだいたのか!?)

『告。

 彼の冒険者を襲撃しているのはオーガとゴブリンと判明』

(悠長に言ってる場合か!

 あそこまでまだ距離が!)

 ここまで休まず駆けてきたシュウと斧を持つオーガまでの距離、およそ三〇メートル。

『提案。

 脚部に剣気を集中し爆発的な加速』

(そんなことできるか!?)

『告。

 熟考の時間は……』

(わかったわかった!

 ええいままよ)

 シュウは半信半疑で脚に剣気を集中させる。

 爆発的な加速のイメージをすると足の裏が爆発しているようなものになり、そうした方がいいような気がして、さらに剣気を足の裏に集める。

 そして、今にも足の裏で剣気が爆発しそうなイメージで止める。

『スキル名を』

 魔術書が淡々と言う。



『縮地』

「縮地」


 魔術書に合わせてスキル名を唱えると、地面を蹴る足の裏で爆発が起こった。


 ドンッ!


 視界が後ろに流れていき、目の前に斧を持ったオーガが現れる。

 咄嗟に地面を蹴って、顔に向かって飛び上がり右足を振り下ろす。

 突然現れたシュウに驚く顔に右足を叩きつける。

 勢いそのままに踵落としと蹴り上げを放つ。

 オーガと冒険者の間に着地し、そこで再度周囲の状況を目だけで確認する。


 午前11時40分

(ふぅ。

 間に合ったか)

 シュウは心の中で安堵する。

 冒険者はまだ無事なようだ。

 

 シュウが顎を蹴り上げたオーガは、なんと宙で体を翻し後方に下がりつつ見事な着地を決めた。

(化け物かよ。

 良いの入った手ごたえがあったのに)

 オーガは突然現れ自分を攻撃してきたシュウに驚きつつも、斧を油断なく構えた。

 そのさらに、後ろにもう一人オーガとゴブリンがいた。

 ストーンブレットが当たったオーガは吹き飛んだ先で伸びているようだった。

 そして、周囲にはゴブリンが倒れている。

 後ろの冒険者が必死に抵抗したのだろう。

 それによってシュウは間に合った。

 

私はまだ生きてました。

ちょくちょく更新できたらいいなー。

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