292.隣国へ11
前話
隣国に向かうシュウとティアリス
バスティオン王国と敵対する獣人オークを見かけたシュウ達は
その姿から大柄な相手の対処の仕方を検討する
シュウとティアリスが台地に入って一日が経過した。
あれからも数回遠巻きにオークを見かけただけで幸い戦いにはなっていなかった。
というのも、王都のある森に近づいてきたのか見かける冒険者の数も多くなってきたからだ。
冒険者のパーティは台地で行える依頼のために採集や少し大きい昆虫(いや、ほんとに)と戦っていた。
ティアリスに大きい昆虫を見て、
「大きいね」
と、言うと
「そうですか?
あれぐらいよく見かけませんか?」
と返されてしまった。
ブランジリの周辺でもいたらしい。
そういえば大型の蟻と蜂は見たことがあったと言うと、
「ブランジリの周辺ではあのサイズが普通ですが、私のいた村の周りや森に入るともっと大型の蜂もいますよ。
冒険者ギルドの討伐ランクが高いものになるとヒトよりも大きい蜂もいるとか」
シュウはそれを聞いてゲームによく出てくる大型の蜂型モンスターのボスを脳裏に思い描いていた。
よくある名前がクイーンビーでヒトよりも大きい身体で飛び回り、少し小さい兵隊蜂をけしかけてくるボスだった。
まさかそんなモンスターがいるわけ……とシュウは思っているが……。
しかし、ブランジリの周辺でシュウが主に戦っていたのは兎や狼といった動物型がメインだったが、この台地では昆虫型のモンスターが多そうだった。
(バッタやカブトムシは小さかったから地球では平気だったんだな……)
シュウはつくづく思った。
台地で冒険者と戦っている昆虫、カブトムシやバッタはどれも地球の大型犬と同じぐらいの大きさだった。
姿かたちは見慣れた物だったのに、それがそのまま大きくなると一気に恐怖だ。
最近はシュウが剣気をティアリスに教えることが多くなってきていたので、シュウに教えることが嬉しいのかティアリスは昆虫型のモンスターについて色々と教えてくれた。
そして、近づいてきたカブトムシ型モンスターを練習にと戦うように言ってきた。
本当にいつもと逆である。
カブトムシは背中の甲殻が硬く、剣気を込めていない片手剣で斬りつけても傷もつかなかった。
手応え的に前に戦った蟻よりも硬い。
あの蟻も硬いと思ったがこのカブトムシはそれ以上だ。
だが、今のシュウは蟻と戦った時よりも経験を積み、剣気を使えるようになっていた。
剣気を片手剣に込めて切れ味を上昇させる。
再度斬りつけた片手剣は甲殻を容易く斬り割いてそのままカブトムシに致命傷を与える。
その後ティアリスにドヤ顔を見せると、カブトムシの甲殻は硬く、素材として人気なので冒険者は採取するのだと言う。
その甲殻をシュウは真っ二つにしてしまっていた。
「普通は甲殻が硬すぎてこのように切れないんですけどね……」
真っ二つになった甲殻を持ち上げながらティアリスは呟く。
「ごめんなさい」
シュウは知らなかったとは言え、素材をダメにしてしまったことを謝る。
「一度試しに切った時に弾かれたから、剣気を込めたらどうかなって……。
調子に乗りました」
シュウが頭を下げながら謝っていると、クスッと笑う音がした。
「シュウさんでも失敗するんですね。
昆虫型のモンスターで甲殻を持つモンスターはだいたいその内側が柔らかいようなので、冒険者は普通ひっくり返したりして、お腹側を攻撃するみたいですよ。
それは普通の冒険者だと甲殻を傷つけることができないからですが」
ティアリスがカブトムシの対処の仕方を教えてくれる。
「ですが、これも私が剣気について知らなかったからです。
もっとランクの高い冒険者になるとシュウさんのように剣気や魔術でこのぐらいの甲殻だと物ともしないようになるんでしょうね」
ルーツも言っていた。
冒険者は何もしないでもCランクにはなれる。
だが、それ以上になろうと思えば剣気か魔力が必要になると。
そして、そうなった時に剣気や魔力の扱いを会得しようとしても遅いのだとも。
だから、早くからシュウやクランに剣気の扱いを教えるのだと。
「この甲殻も切り口は綺麗なので一応持っていきましょうか。
大きさもありますし何かに使えるかもしれません。
あともう一つの人気部位は無事なのでこちらも持っていきましょう」
ティアリスはカブトムシの角の部分を指差してシュウに剥ぎ取るように指示をする。
その後数回カブトムシやバッタと戦った。
そうして、二人の視界に森が見え始めた。
お休みしてすみませんでした
おかげで禁足地に現れたオメガを狩猟?することができました
リフレッシュして頑張ります
ささっと台地を終わらせて王都へ向かいます
ここまで読んで頂きありがとうございます
皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです
それではまたー




