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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第四章 他国へ
298/303

288.隣国へ7

前話

隣国に向かうシュウとティアリス

二人は雨に降り続けられた湿地を抜けて次のエリアへ

 湿地から抜けたと言っても急に景色が岩山になるということはなかった。

 あんなに振り続いた雨が止み、そのまま少し歩くと地面からも水気が無くなって乾いた土になった。

 シュウ達が入った湿地の隣のエリアは台地だった。

 湿地と台地の間は山や谷で仕切られている訳はないので関所のように明確に分かれている訳ではない。

 地図を見ていても正確にエリアが変わったことに気付く者は少ないだろう。

 アルテのような地図を丸々取り込んで現在地と照らし合わせることができる者を除いて。

 湿地を抜けたとわかるシュウは台地を見渡してみる。

 湿地と植生は大きく変わっているようには見えない。

 細かく調べると湿地は水気に強い植物が多いのだろうが、台地の見える範囲の植物は膝ぐらいまでの草や花が広がっている。

 湿地と違って空気が乾いていて風が気持ちいい。

 台地は平らな地が広がっていて、所々に山のような崖が隆起した場所がある。

 湿地のような属性の偏りもないので比較的旅のしやすい土地となっている。

 ルーツから聞いたことや冒険者ギルドで調べた範囲ではこの平地に生息するモンスターは湿地と比べても弱いとのことだった。

 付近の冒険者は見習いを抜けた頃に訪れるレベルの場所となるようだ。

 ただこの台地にある崖の上。

 そこも広い平地になっているらしいがそこに生息するモンスターは格が違う強さがあるようだ。

 切り立った断崖を登る手段が限られる中、この急いでいないようで寄り道は控えないといけない旅の間は行くことはないだろうが……。

 

 シュウはティアリスに湿地を抜けたことを知らせると雨除けに着ていたコートを脱いだ。

 久しぶりの晴れた空の下なので街道から少し離れた場所で少し休憩を取ることにした。

 急いでいるがまだ許される範囲の時間の消費である。

 それにまだ後続の者達に追いつかれる距離まで来ていないと昨夜の連絡があった。

 あの崖を登る余裕はないが小一時間の休憩はできる。

「雨を気にせず休めるだけでも大分助かりますね」

 シュウから休憩する旨を聞いたティアリスがコートを脱ぎながら話す。

「うん。

 場所を気にしないで座れるのもいいよね」

 シュウは街道から少し離れた小さな石の傍まで歩くと、そこで休むとティアリスに伝えた。

 石の上に湿地の雨で濡れたコートを乾かすために置くと石の傍に荷物を置いた。

 ティアリスもシュウにならって脱いだコートを石の上に置いて荷物を降ろす。

 コートは防水性が高いので濡れているのは表面のみで、石の上に置いておくだけで十分乾きそうだった。

 街に着いた暁には宿屋で再度点検する必要はあるだろうが。

 火をおこすほどの休憩はしないので水筒の水で喉を潤し、簡単に食べれるクッキーのような物も接種しておく。

「あー、身体全体で風を感じると気持ちいいな~」

 シュウは伸びをしながら全身で穏やかな風を感じていた。

 それを見ながらティアリスはクスッと笑いながら、

「そうですね。

 コートで雨は防いでくれましたけど、その分窮屈に感じました」

 ティアリスも伸びはしていないが、目を閉じて深く息を吸い込んだ。

「湿地を抜けたからあとはこの台地と向かう街を囲っているという森だけだね」

 シュウは荷物から地図を取り出すと地面に広げる。

 風で飛ばされないように周りの石を重しに置いた。

 指で湿地から続く台地の街道を辿って街の名前のある場所を指す。

「湿地よりも歩くペースは上げられるけど、台地を抜けるのにだいたい三日はかかるかな」

「知らない土地で知らないモンスターもいますしね」

 シュウの横から地図を覗き込んだティアリスもシュウの指し示した経路から日数を目算する。

「事前に調べているけど、この低い平地にはそんな強いモンスターはいないはず。

 この辺りの高い崖には近づかないようにして強いモンスターは避けていこう。

 時間があれば弱いモンスターも実際に見て戦ってみて、情報と照らし合わせたいけど……」

「たしか虫のモンスターが多いのでしたか」

「うん、そう。

 戦っても実入りが少ないみたい」

「では、あまり戦わずに街を目指しますか?」

「そうしようか。

 この台地は戦いは少なめにして剣気と魔力の自己鍛錬中心で進もうか」

「台地の先の森も早く抜けて、街に入ってしまいたいですね」

「そうなんだよね。

 この街の冒険者と違って僕達は土地勘がないから迷うかもしれない」

「森が深くてしかも霧がよく出ると言われましたね」

「うん。

 まるでこの街を護っているように霧が出るらしい」

「実際にありえない話でもないですからね。

 街と言ってますけどこの国の王都ですから」


 これから向かう街は自然と共存を謳う種族、そう、エルフが治める国の王都だ。

長かった湿地を勢いで終わらせ、来ました次のエリア

ここはダラダラとせずにササっと終わらせたい(願望)


ここまで読んで頂きありがとうございます

皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです


それではまた~

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