286.隣国へ5
前話
隣国に向かうシュウとティアリス
その途中の湿地で一夜を過ごす
そして夜が明けて出立する準備を始める
朝食を終えたシュウとティアリスは片付けをした後に着替えなどを済ました。
着替えが終わってから軽くアウトポストの中を掃除しておいた。
次に来た人が困らないようにかまどで使用した薪も手持ちの物から補充しておく。
この湿度だとすぐ湿気てしまうだろうが、シュウ達が行ったようにまず手持ちの薪で火を点けて、その火である程度乾燥させて火にくべる。
シュウ達は魔法鞄を持っているので薪は十分にあるが、貴重な魔法鞄を持っている旅人は少ない。
薪が備蓄されているだけでも整っている方だ。
シュウは使った分よりも多めに薪を置いていくことにした。
ブランジリでクエストを受けている間にこまめに拾っていた木々がまだまだ魔法鞄に入っているからだった。
シュウは何においても後で使うかもしれないと思って溜めこむタイプである。
「片付けも終わったし、そろそろ出る準備もしようか」
掃除などを終えてシュウは壁に掛けたコートを手に取る。
昨日の雨で濡れていたコートは一晩で乾いてくれたようだ。
「わかりました」
ティアリスは返事をしたあとに思い出したように辺りを見回している。
(あ、昨日ここに着いた時はあの状態だったか……)
体調不良でここに辿り着いたティアリスは自分がコートをどこで脱いだのかも覚えていないのかもしれない。
シュウは自分のコートの横にかかっているティアリスのコートを手に取るとティアリスの方へ向かう。
「はい、コート」
ティアリスにコートを差し出しながら
「昨日ここに着いた時のこと覚えてなかったね。
壁にかけて干してたんだ」
「あ、そうだったんですね。
ありがとうございます」
昨日のここに着いた時のティアリスを思い出す。
ボーっとしていて自発的な行動ができないようだった。
アウトポストに着いても濡れたコートを脱がずに立ったまま。
着替えをするように言うとその場で裸……。
そこまで思い返したところで頭を振る。
(危ない危ないこれ以上思い出すのはいけない。
ティアリスをチラッと見ると、コートを着ることに集中していてシュウの様子に気付いていないようだった。
ホッと胸を撫でおろす。
「今日も雨が続きそうだからしっかりコートを止めて雨が入らないようにね」
シュウも自分のコートに袖を通す。
「はい、わかりました」
二人揃ってコートを着込んでボタンの留め忘れがないかを確認する。
このコートは出立前にランブルから買った物だ。
無料で渡されそうになったがいつももらってばかりだったので強引にお金を渡してきた。
それでもこの出来だと安すぎるぐらいだったが。
丈夫で水を通さない何かの動物の革でできているが不思議な程軽い。
普段の冒険着にしてもいいぐらいのコートだった。
ただシュウとティアリスは勿体なく感じてしまいできないのだったが。
「よし、準備できたね。
行きますか」
「はい。
行きましょう」
シュウが確認するといつもより元気な声が返ってきた。
(いつも本当に眠れてなかったんだな……)
シュウが前に立ってアウトポストの扉を開ける。
ずっと警戒していた気配察知には何も反応がなかったが、目視でもアウトポストの周囲を警戒する。
外は雲によって陽が遮られているので昨日同様に薄暗い。
時間的には日の出からまだ少し経った頃だ。
雲によって太陽が見えないのでここで時間を知るには時計が必要だろう。
「今日は幸い昨日よりも雨が弱そう。
急ぎたいところだけど雨の中の戦いも慣れたいから弱そうなモンスターを見つけたら戦っていこう」
「わかりました。
でも、シュウさんは無理したらダメですよ」
「う、わかった。
だけどティアもだよ?」
「はい。
わかりました」
「じゃ、出発だ」
シュウはアウトポストの扉をくぐると雨の中一歩を踏み出した。
なんとか投稿しましたが
リアルタイムで読まれてる方はお盆ですね
こちらも仕事なども合わさってバタバタです
ここまで読んで頂きありがとうございます
皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです
(投稿が飛ぶかもしれません)
それではまた~




