284.隣国へ3
前話
湿地のアウトポストで一夜を過ごすことにしたシュウとティアリス
交代で見張りをすることにして先に寝たティアリスが夢にうなされる
なんとか普通に寝だしたティアリスをシュウは見守りつつ周囲の警戒を続けた
そして、時間が経ちティアリスが目を覚ました
互いに照れて赤くなっている所から先に立ち直ったのはシュウだった。
「ふぁ~……」
悪い夢にうなされていたティアリスを心配しつつも見張りの役目をこなすために周囲に気を配っていた。
見張りの交代の時間を過ぎてもティアリスを起こさなかったので通常よりも長い時間見張りをしていたことになる。
そこにティアリスが無事起きたことによる安堵感が押し寄せ、シュウに眠気が襲ってきた。
「ごめん……。
ちょっと見張り交代してもらっていい?
眠気が来た」
シュウは欠伸が連続して出そうになるのを我慢してティアリスに頼み込む。
「え……。
今って……?
私どのくらい寝ていたの?」
起きたばかりのティアリスは今の時間がわからない。
キョロキョロとアウトポストの中を見回すが時間がわかる物は置いていない。
窓も雨が入らないように木戸で閉まっている。
開いていたとしても雨が降り続く厚い雲に覆われていて陽の光は見えなかっただろう。
懐中時計を取り出したシュウは、
「陽が昇り始めたぐらいかな」
今回の旅で決めていたことは街の外では今ぐらいの時間に起きて旅立つ準備を始めるということ。
今は二人なので深夜に一度交代してお互いに仮眠が取れるように事前に決めていた。
「え、えええ!?」
ティアリスは時間を聞いて驚く。
「どうして……あ」
ティアリスはどうして交代の時間に起こさなかったのかと言いそうになったが、シュウが一度起こそうとしても起きなかったの自分だったことを思い出した。
「ごめん。
私が寝すぎてしまったせいで……」
「いいよいいよ。
ティアを起こそうとしたのは寝入ってすぐの夢にうなされてる時だったし、交代の時間の頃はうなされてなかったから起こしたら起きたかもしれなかったからね。
昨日ティアからここのところよく眠れてないって聞いてたし、戦った後の体調不良もあったから、実はゆっくり寝かせてあげようと思ってたんだ」
シュウはティアリスを起こさなかった理由を明かし、椅子から立ち上がる。
「ちょっと二時間ぐらい仮眠させてもらうよ」
ふぁ~と欠伸をしながら歩き出す。
「あ、シ、シュウさん」
「ん?」
ベッドから離れつつあったシュウをティアリスは呼び止める。
「あ、いえ、その……。
ありがとう、ございます……」
「ん。
いいっていいって。
おやすみ」
「おやすみなさい」
ティアリスに小さく手を振って自分のベッドに向かうシュウ。
ベッドに倒れ込むようにダイブすると靴を乱暴に脱ぎ捨てて目を瞑った。
(あー本当に良かった……)
眠ることに抵抗のあったティアリスと対照的にシュウはベッドに入って数秒で寝息を立て始めた。
ベッドに戻ったシュウを見送ったティアリスは少しボーっとしていたが、ハッと思い出す。
(しっかり見張りをしなきゃ!)
いつもよりしっかり寝たことで眠気は無く、体調もここ最近の中では一番良かった。
先に着替えておこうと鞄から着替えを取り出すと服に手をかける、そこで少し気になって服の内側の匂いを嗅ぐ。
(先に軽く拭いておこう……)
壁の下に寄せておいた桶をベッドの下まで静かに持ってくると水の魔術で桶に水を溜める。
タオルを濡らすと身体を拭いていく。
自分ではわからないが夢を見ていた間に相当うなされたのか汗をかいていたようだ。
さっぱりしたところで着替えを済ます。
(さて、シュウさんが起きるまで少し時間がありますね)
二時間程シュウは仮眠すると言っていた。
起きる頃合いを見計らって朝食の準備をしようと決め、それまでにも一時間は時間がある。
(今日も外は雨のようですね)
耳を澄ますとアウトポストの屋根を叩く雨音が聞こえる。
(よし、昨日寝てしまってできなかった魔力を練る訓練をしておきましょう)
昨夜見張りのシュウとすぐ交代できるように寝ずに魔力を練る訓練をしようと思っていたティアリスだが、いつの間にか寝てしまっていたのでできていなかった。
(少しでもシュウさんの足を引っ張らないように努力しないと。
でも、周囲の警戒もするのよ、私)
ティアリスは自分でやることを整理すると目を瞑って魔力を練ることと周囲の音を聞くことに集中した。
いつものことながらサブタイ変わっても先に進みませんね……
まだ寝て起きて寝てる
このアウトポストから出るのもいつになることやら
ここまで読んで頂きありがとうございます
皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです
それではまた~
仕事とお盆で投稿乱れるかもしれません




