283.隣国へ2
前話
湿地のアウトポストで一夜を過ごすことにしたシュウとティアリス
先に寝ることになったティアリスから呻き声が聞こえはじめる
朝になって目を覚ましたティアリスは自分がいつの間にか眠っていたことに気付く
そして横にシュウがいることにも気づいて……
再度ベッドに倒れこんだティアリスに声をかけるとよろよろと起き上がった。
「おはよう。
ティア」
「お、おはようございます」
ティアリスは顔を真っ赤にしてシュウの顔を見ることができない。
「体調はどう?」
「え、ええと……。
調子は良さそうです。
それに久しぶりになんだかとても気分がいい気がします」
「そっか、それは良かった」
シュウはティアリスの返答を聞いて優しく微笑んだ。
「ティアが眠ってからすぐにうなされだして、昨日の夢の話を聞いてたから、その夢を見ていたんじゃないかと思って心配になって見に来たんだ」
シュウはなぜティアのベッドの横にいたかの説明をした。
しておかないと女性が寝ている横にずっといたという女性には聞こえが悪い事実が残ってしまう。
「うなされてるけどどうしたらいいかわからなくて、一度声をかけたりして起こそうと思ったんだけど起きなかったんだ」
「え、そうだったの?」
「ティアは夢を見ていた覚えはある?
昨日は夢の中ではわからないけど、起きたら見ていたことは覚えてるって言ってたけど」
「私は……」
ティアリスはシュウの言葉に少し考えているようだった。
「うーん。
いつの間にか眠ってしまったみたいで……、
それから……、
あ、たしかにいつものような夢を見た気がするわ」
「やっぱり例の夢を見ていたのか。
でも、途中からうなされるのが止まって、普通に寝始めたんだ」
「そうなの?
でも、確かに私もいつもは夢を見てから起きた時はハッキリと見ていたことがわかるぐらいに覚えてるのだけど、今日は見たことが遠い昔のように感じる……」
「夢の中でいつもと変わったこととかあった?」
「そうね……。
えっと……」
ティアリスはいつもはすぐ思い出せるのに、と思いながらどんな夢だったかを思い出そうとする。
「いつものように私のいた村にいて……、
お遣いを頼まれて……、
でも、途中で雰囲気が変わって……」
ティアリスは小さな声で見た夢を口にしながら思いだしていく。
「家に帰ろうとしたけど足が重くて……、
なんとか家に着いたら家の中が……」
そこで見た光景を思い出したのか手を口元に当てる。
「ああ、辛かったら思い出すの止めていいから!」
シュウはティアリスの様子を見て慌てて近寄り背中を優しくさする。
その背に当たるシュウの手のぬくもりを感じ、夢の続きが思い出された。
「シュウさん、私がうなされてる時に起こそうとしてくれた以外に何かしてくれましたか?」
ティアリスは思い出した夢の続きを口にするよりも前にシュウに尋ねた。
その目はティアリスの左手を見ている。
その視線に気づいたのか、シュウはティアリスの背をさする手をビクッと離した。
「え、っと……、何をやったかなぁ……」
シュウは背中をさすっていた手で頭をかく。
「声かけても揺すって起こしても起きないから、
どうしようもなくて……、
でも心配だったので手を握ってました……」
自分でも何やってるんだと思うことを口にすることで更に恥ずかしくなってしまった。
「そうですか……。
私が思い出せる今日の夢の終わりなんですが」
シュウが恥ずかしくなってる横でティアリスが口を開く。
「夢の終わり方はいつも突然ハッと気が付くように目が覚めて終わっていたんですが、今日は違ったのです。
私の家の中を覗いて動けなくなったところまではよくあったのですが、そこで地面がひび割れるように割れて私はその中に落ちていきました」
自分が恥ずかしがっている間にティアリスが話を進めだしたので、シュウも話を真剣に聞き始める。
「何かよくわからない空間を落ちていく中で光が見えたので手を伸ばしたら、その手を掴まれて、そこで夢が終わったんだと思います。
そこからは思い出せません」
「手を掴まれた?」
「はい」
「それって僕が手を握ったから?」
「それが直接の原因かどうかわかりません。
ですがいつもはそんなこと起こらなかったのに、今日初めての出来事でした」
「そうか、何もできなかったと思ったけど、それで悪い夢が終わったのだったらよかったね」
「はい、で、それからずっと手を握っててくれたのですか?」
ティアリスが茶化すようにシュウを下から覗き込んできた。
それをし返すようにニヤリと笑うと、
「始めは僕が手を握ったんだけど、それからはティアが手を握り返してきて放してくれなかったんだよ」
「えっ?」
互いに顔を赤くしながら顔を背けるという変な空気が漂ったのだった。
サブタイを新しくしましたが
話はまだ夢の話でしたね……
サクッと次に行こうと思ったんですが……
まあ次回ですね次回(遠い目
ここまで読んで頂きありがとうございます
皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです
それではまた~




