274.湿地の夜20
前話
湿地で雨宿りするためにアウトポストに向かったシュウ達
ティアリスの不調の原因を探るため
ティアリスの夢の話からティアリスの出身の村の話となった
「その後は私の家からアロンさんが使えそうな物だけ持ち出してくれてたの。
それからは生活する術を得るために冒険者になることをアロンさんが提案してくれてブランジリの街に向かって、その途中であなたと出会ったのよ」
ティアリスが自分の村の壊滅からシュウとの出会いまでを語る。
「僕と会う少し前にそんなことが……。
割とティアも大変だったんじゃないか」
「今思うとそうね。
その頃は村を襲った魔物を探すために強くなることで頭がいっぱいだったから」
「無茶してたよね。
そっか、でもここ最近のことだったんだ。
何も気付かずにいて、ごめん」
シュウはティアリスの胸の内で苦しんでいただろうと思って謝る。
「えっ!
そんな大丈夫よ。
私が話してなかったんだから。
私に気を遣ってくれて聞かなかったんでしょ?
それに私はなんか村のみんなが死んでしまった実感が湧かなくて……。
あんなにめちゃくちゃになってたのに……。
薄情なのかな……?
私」
ティアリスはシュウの言葉に驚いた顔をしたが、自分で話すうちに手元のカップに視線が落ちていった。
「そんなことないよ。
ティアはみんなの事をいつも想って行動してくれてる。
あんなに魔物のことを憎んでいたのに、今は強い魔術よりもみんなを癒す治癒術を優先してくれてるでしょ。
パーティのみんなも感謝してるはずだよ。
それにその現場に実際に行ってないからわからないけど、自分の住んでた村がもし同じようなことになったら僕も同じように実感が湧かない気がする。
もう頭が処理しきれないじゃないかな。
たぶん、他所から来た人だから冷静に判断できるんだよ」
シュウはティアリスをなんとか励まそうと必死に言葉を並べる。
「ありがとう。
でも、強くなることを諦めたわけじゃないのよ?
一応今でも魔術の勉強してるんだから」
「あ、ごめん。
わかってるよ!
いつの間にか使える魔術増えてるもんね。
それに一人で強くなるよりもみんなで強くなった方がその魔物に会った時に勝てる確率が高くなる!はずだよ……」
シュウはティアリスの村を襲ったという魔物を見てないので、勝てると言ったものの自信がなくなっていった。
「そうね。
今はみんなで戦った方が安心だもの。
早くみんなと合流して冒険したいね」
「そうだね。
あ、僕だけだと不安にさせてごめんね!
気を付けるよ!」
「あ、そ、そういう訳じゃないのよ!
え、っと、その」
「ふふ、わかってるわかってる」
ティアリスも慌てたあとにシュウに釣られて笑顔になったことで、シュウはホッと胸を撫でおろす。
(それにしても村を一つ壊滅させるような魔物ってどんな魔物なんだ?)
『警備の薄い農村等は時折魔物の襲撃に遭う恐れがあるようです。
ただ、元冒険者だというティアリスの両親も殺されたとなると並の魔物ではないと予想されます。
それに、不可解なのは死体が無くなっていたということ。
普通の魔物は死体を食べることはするでしょうが、その痕跡もないほど綺麗に食べるといったことはないでしょう。
丸のみを除けば……
ただそれでも村人全員を痕跡を残さずに食べるとなると魔物一体の仕業ではないと思われます。
それよりも死体を持ち去ったか……』
(魔物が死体を持ち去ってどうするんだ?
そんなことをする魔物がいるのか?)
『現状では判断できません。
ブランジリ周辺の魔物で死体を持ち去るほどの知恵があるものは資料に載っておりません。
他の地域で伝説となっているような上位の魔物はヒトの言葉を話すこともあったそうですが、それほどの知能があれば死体を持ち去って何かをする可能性もあるかもしれませんが』
(そんな魔物がティアの村を襲った?)
『そのような伝説上の魔物が出現となるともっと騒ぎになりそうですが、そこまでの知能を持つとなると隠密にことを運ぶ知恵も持つのかもしれません。
残念ながら情報が不足しているので、想像の域をでません』
ブランジリ周辺の魔物の情報を冒険者ギルドの図書室で得ているアルテ。
そのアルテの魔物情報に載っていないとすれば周辺の魔物ではないのだろう。
『もう一つ可能性があるとすれば……』
アルテが思いついたと言ったように呟く。
『人の仕業という可能性です』
だらだらと会話が続く回
進展が…
もうそろそろ進まないと、とは思うのですが…
ここまで読んで頂きありがとうございます
皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです
これを書いている時はGWただなか
みなさんはいかがお過ごしでしたでしょうか
投稿されたころにはGWも終わってそうですが
それではまた~




