271.湿地の夜17
前話
雨宿りに入ったアウトポストで暖を取ろうとするシュウ
目を離したティアリスが裸で立っていた
身体が冷えるティアリスに慌てて毛布で包み込んだ
そこでティアリスが大声をあげた
アウトポストの中にティアリスの絶叫が木霊してから数分後――。
「お、落ち着いた?」
絶叫した後、爆速で落ちた毛布で体を包んだティアリスは、縮地を思わせる早さで荷物に飛びつくと乾いた服を取り出して、毛布の中で着こんだ。
『マスター。
一部始終目を離さず見ていましたね。
このスケベ』
(あまりにも驚いて動けなかっただけだ!)
シュウは火を点けたかまどの前にイスを二脚並べて、その一つにティアリスを招く。
服を着こんだティアリスだが、まだその上に毛布でくるまったままでシュウの方へ歩いてくる。
しかし、顔はこちらを向いてくれない。
ティアリスをかまどの前のイスの一つに座らせると入れ替わりにシュウは荷物の元へと向かった。
荷物の中から水袋を取り出して、また取り出したポットに入れる。
カップも二つ手に持ち、かまどへ戻る。
そこで冒頭のセリフに戻る訳だ。
ティアリスはかまどの火を見つめていたが、プイっとシュウと反対の方へ顔を向けてしまう。
シュウは持ってきたポットをかまどの上に置く。
冷えた体を内から暖めるためにお茶を淹れようと思ったのだ。
湯が沸くまでシュウもティアリスの隣のイスに座る。
「……」
「……」
互いに火を見つめながら無言の時が続く。
「……ごめんなさい」
暫く経った後、ポツリとティアリスが呟く。
「……うん」
シュウも小さく返事をする。
「リーチに勝ったかと思ってたら、気が付いたら裸になってて、もしかしてシュウさんが私に何かしたんじゃないですよね」
ティアリスがイスに座りながらシュウをジト目で見て身体を離している。
シュウは驚いて火を見つめていた顔をティアリスに向ける。
「そんなことしないよ!
って言うか、覚えてないの?」
シュウはティアリスの言葉に叫び返した後に、その言葉を理解する。
リーチに勝った後からここまで何も覚えてない?
「……うん。
よく思い出せないのだけど、あれからどうなって、ここはどこなの?」
ティアリスは顔を傾けて思いだすようにしている。
コトコトとポットの蓋が揺れ出したのでシュウは茶葉を入れてカップにお茶を淹れる。
その一つをティアリスに差し出した。
「あ、ありがとう」
記憶を探っている様子だったティアリスが差し出されたカップに気付いて受け取る。
「本当にリーチと戦った後から何も覚えていないの?」
「うん……。
シュウさんが討伐部位証明を集めてくるって言ったところまでは覚えてるわ……。
でもそこからが……。
ねえ、あなたは私をどうやってここまで運んだの?
え、っと、あなたの不思議なスキル?」
ティアリスは不思議そうな顔をした後に聞きにくそうな雰囲気を出して尋ねてきた。
スキルは冒険者の死活問題なのでそう簡単に明かすことはしないのが一般的だ。
パーティの中でも必要最低限以外は余程の信頼関係が出来上がってから明かし合うのが常識なのである。
シュウはアルテ以外のことは話してもいいかと思ってはいるが、まだ話せていなかった。
「僕はこのアウトポストを見つけただけだよ。
ティアが自分の足でここまで歩いてきたんだけど……」
「私が、自分で歩いて……?」
ティアリスは信じられないと言った様子で言葉を返す。
シュウはリーチと戦った場所からここまでの事を思い出しながら答える。
「たしかに、ティアの様子は普通じゃなかったな」
「普通じゃなかった?」
「うん。
話しかけても今みたいに会話が成立しなくて、頷いたり短い返事しかしなかったんだよ」
「そんな……」
「どこか上の空というかボーっとしてるような感じだったけど、ティア自身は何も覚えてない?」
「う、うん……。
本当にリーチに勝ってから何も思いだせなくて、気付いたら、裸に……っ!」
裸にだったことまでも思いだしたのか耳まで真っ赤になって顔を向こうに向けてしまう。
「じゃあ、他の事でちょっと聞きたいのだけど」
シュウはティアリスがの様子がおかしかった時にわかったことを尋ねることにする。
「ええ、何かしら?」
深呼吸して気持ちを落ち着かせたティアリスが顔をこちらに戻して返事をしてくれた。
「最近夜眠れないこととかある?
ああ、見張りの交代とかで睡眠時間が少ないのはあるかもしれないけど、寝不足だなって自覚することはある?」
シュウの質問にビタッとティアリスは身体の動きを止めた。
どう書いたらいいかわからないけど
一度は書いてみたかったお色気シーン終了
あとは恒例の会話回
ささっと次に行きたいなー
ここまで読んで頂きありがとうございます
皆様の空いた時間を埋めるお手伝いができていれば幸いです
それではまた~




