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異世界王道冒険譚  作者: 雪野ツバメ
第一章 なかなか冒険しない冒険者
15/303

15.冒険者ギルド

長い説明回です。

書いてても途中で飽きそうでした。


 冒険者ギルドは周囲の建物よりも大きく立派な外観をしていた。

 近づくにつれて剣や槍、杖等を持ったいかにも冒険者といったごつい人達が増えた。

 冒険者ギルドの一階の半分は酒場のようになっていて、まだ陽も高いのに酒を飲んでいる人達もいた。

 残りの半分に冒険者ギルドの受付カウンター等があり、壁には依頼書が貼ってあるのか何人かが真剣に見ていた。


 アロンを先頭に冒険者ギルドに入り、ギルド側のカウンターに向かった。

 アロンが連れた見慣れない二人に視線が集まり、理由がわからない二人は居心地が悪かった。

 先頭のアロンは受付カウンターにいる女性に声をかけ、別の人に伝言を頼んだようだった。

 受付の女性が奥に座る中年の男性へ向かっていった。

 受付嬢が男性に伝言を伝えたのかアロンに気付き、手元の書類を置いて立ち上がった。

「よう。アロンじゃないか。

 おかえり。クエストの報告か?」

「ああ。

 それもあるんだが、途中で知り合いからここに連れていってくれと頼まれてな。

 この二人だ。

 二人の冒険者登録を頼みたい」

「了解した。

 クエストの報告は私が聞くから・・・

 サーシャ!ちょっとここを頼みたい」

 中年の男性は栗色の髪を後ろで束ねた眼鏡をかけた十代後半と思われる女性を呼んだ。

 受付に女性が何人かいるがその中でも美人だと思った。

「マルクさん。何でしょう?」

 近寄ってきたサーシャが中年の男性に尋ねた。

 中年の男性はマルクというらしい。

「こちらのお二方の冒険者登録を頼む。

 俺はアロンのクエスト報告を受ける」

「わかりました。

 では、この度お二人のご登録を担当させて頂きますサーシャです。

 よろしくお願いします」

 マルクからの頼みを受け、二人に向け丁寧な自己紹介をして、折り目正しい礼をした。

「「よ、よろしくお願いします!」」

 その丁寧な対応に二人は慌てた。

 そんな二人をサーシャに任せ、アロンはマルクに連れられ二階への階段を上がって行った。

「では、ご記入頂きたい書類や冒険者になられる方へのご説明もありますので、こちらへお願いします」

 サーシャはギルドにある応接ソファーに二人を連れて行き、座るよう勧めた。

「それでは、まずこちらの冒険者ギルド登録申請書にご記入ください」

 そう言って、用紙を二人の前に並べた。

 用紙を見たシュウはやはり何が書いてあるか読めなかった。

 ただ、字の並びから門で記入した書類と同じ様な事を記入したらいいようだったが間違っても困るので、またティアリスに代筆を頼もうと彼女が記入するのを待った。

 シュウが用紙に記入しないのに気付いたサーシャが声をかけた。

「何かわからない点がございませんか?」

「え、ええと。すみません。

 字が読めないのと書けないので、彼女に代筆をお願いしても大丈夫ですか?」

 事情を説明し、ティアリスに代筆してもらっても大丈夫か尋ねた。

 サーシャは納得したような顔をした後、申し訳ないといった顔をした。

「申し訳ございません。私が確認不足でした。

 代筆は私が承けたまります」

 サーシャはシュウの前の用紙を手元に寄せて、記入内容をシュウに尋ねながら記入していった。

 内容は思った通り門で記入したものと同じだった。

 確認の為と門で発行してもらった仮身分証を提示した。

「それでは、ギルドへの登録とギルドカードの発行手数料として、お一人銀貨五枚をお願いします」

 サーシャの爽やかスマイルに反してシュウは固まった。

「あっ。お金いるの?」

 一気に汗が吹き出て焦るシュウの横で、

「ふふふ。二人分銀貨十枚です」

 と、ティアリスが財布としている革袋から銀貨を出した。

 シュウは隣のティアリスが女神に見えた。

「はい。確かに。それでは、ギルドカードの発行をして参りますので、お待ちください」

 サーシャは席を立って受付カウンターの奥に入っていった。

「あの、ティアリスさん?

 お金ごめんよ。持ってなくて・・・」

「ふふふ。実は私もそんなに持ってなくて、さっきのはアロンさんが渡してくれてたんです。

 シュウさんもきっと持ってないだろうからって入り口で二人分渡されたんですよ」

 ティアリスからアロンからの気遣いを聞き、

「アロンさんにお礼言わないとな~。

 門でも出して貰ってるし、返さないと」

 シュウが呟くように言った。

「そうだね。私もここまで連れてきてもらったし、シュウさん以上にここまでの間にお金出して貰っちゃった」

 ティアリスもアロンへお礼を言わないとと、シュウにはにかんだ。

「冒険者になるんだから、依頼をこなして早く返せるよう頑張ろう」

「うん。頑張りましょう」

 シュウとティアリスはお互いに気合いを入れあった。

 そこで、、丁度サーシャがトレイを持って戻ってきた。

「お待たせしました。

 こちらがお二人のギルドカードになります」

 サーシャはトレイから少し大きめのカードを二人の前にそれぞれ置いた。

「最後にカードの本人登録を行いますので、血をカードにお願いします」

 そう言って、トレイに載っていた針と布を二人の前に置いた。

 シュウは針を取ると、平然としているティアリスを見て、女性が怖がっていないのに男がビビッてられないと、勢いで針を指に刺し、痛みを我慢しながらカードに血を擦り付けた。

 するとカードが少し発光し、血が吸われるように消えて行った。

 ティアリスも同様に血をカードに登録し終わった。

 後でわかったことだが、ティアリスも針を刺すのが怖くどうしようか考えていたところ、シュウが針を刺すのを見て、彼女も勢いで針を刺したとのことだった。

「これで、このカードはお二人の登録が完了しました。

 紛失されますと、再発行の手数料が必要ですのでお気をつけてください」

 サーシャは二人に血を拭うよう布を勧めつつ説明した。

 ティアリスは布で血を拭った後、二人の指にそれぞれヒールをかけた。


「ギルドとカードへの登録が終わりましたので、冒険者への説明をさせて頂きます」

 説明では、クエストの受注や達成報告の仕方、当たり前なマナーの説明があった。

 気になったのは、冒険者にはランクがあり、自分のランクに合った依頼しか受けれない。

 ランクはFから始まり、E、D、C、B、A、S、SSと上がっていく。

 依頼達成数や達成時の依頼主の評価や討伐したモンスター等がギルド内で評価され、一定の評価に達した段階で昇格クエストを指定され、それを達成すればランクを上げられるとのことだった。

 あと、ギルドカードは身分証の代わりになり、それはどこの国でも同様であり、街の入り口で提示すれば入ることができるようだ。

 さらにこのギルドカードのすごいところは倒したモンスターを自動でカウントしてくれるようで、討伐の証明になり、報告時に確認され評価してもらえる。一体どういう仕組みなんだろうか。


「お二人はこのままパーティー登録もされますか?」

 あらかた説明が終わったところでサーシャが二人に尋ねた。

 クエストは一人ソロから受けられるが、高難度になるにつれてパーティー推奨となり、参加したければ臨時で募集しているパーティーを探すことになる。

 ギルドもクエストを滞りなく消化するために、募集しているパーティーを紹介することもあるらしい。

 二人は顔を見合わせて、どうしようかと話し合った。

「僕はまだ戦い方も知らないし武器もなくて、それでもできそうなクエストってありますか?」

 シュウの質問にサーシャは変わらずの笑顔で答える。

「はい。最初は薬草等の採集や街の中での一般依頼を中心に受けられます。

 資金を貯めて装備を整えられ、ギルドには訓練所もありますし、そこで訓練されたらいいと思いますよ」

「なるほどね~。

 わかりました。

 僕はそんな感じでいこうと思います。

 ティアリスさんはどうします?」

 自分の方針が決まったので、次にティアリスに話を振った。

「私は少しでも早く戦って経験を積んで強くなりたい」

 それを聞いたサーシャは、

「治癒術を先程使っておられたので、パーティー募集では人気になりそうですね。

 治癒術を使える方は少なくて貴重ですから。

 固定のメンバーを募集しているパーティーをお探ししましょうか?」

 治癒術師を固定メンバーとして確保しておきたいパーティーは探せばすぐ見つかる。

 けれど、サーシャの提案を聞いたティアリスは、

「すみません。まだ私も治癒術が未熟ですし、固定パーティーはいいです。

 しばらくは私も一人で技術を上げようと思います」

「それならお二人でパーティーを組まれて訓練所や依頼を受けられて経験を積まれては?」

 サーシャはシュウ達にパーティー登録を勧めるが、シュウはティアリスの足を引っ張りたくなかった。

「外でティアリスさんの戦いを見ましたが、僕との差が大きすぎます。

 足を引っ張りたくないので、ここは別々にいきましょう。

 サーシャさん。すみません」

「・・・そうですか、いえ。差し出がましいことを言いました。

 こちらこそ、すみませんでした」

 サーシャは残念そうな顔をして、頭を下げた。

 そこにティアリスもシュウに向かって頭を下げ、

「シュウさん。ごめんなさい。

 私の我儘で」

 パーティを断る形になったことをシュウに謝った。

「いえいえいえっ。

 僕が戦力にならないのも事実で、本当にティアリスさんの足を引っ張るのも悪いですし、気にしないで」

 謝られたシュウは手を振りつつ慌てて言った。

 その後、サーシャから残った注意事項を聞いて、説明は終了となった。


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